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第五話 魔王

目の前の美女をみながらやれやれとため息とつく。


「(年齢的に20代前半と言ったところか?動きに対してもムラがない、とりあえずは高レベルの実力者なんだろうな、エンシェントが言うには俺のレベルって通常の人間が早々たどり着けないレベルらしいし」


コウジはとりあえず自分の愛用の大剣を構えると美女に声をかける。


「とりあえずさ、話がしたいから終わらせるぞ?」


「なっ!?」


そういうと同時に美女の体が吹き飛んだ!!



「やれやれ加減は案外難しいもんだな」


コウジは肩を竦める。


コウジはため息をつくと美女の体を持ち上げ安全な場所を探すことにした。




「ん」


あの男に吹き飛ばされて私はどうやら気絶していたらしい。

しかしあの男、明らかに強者でありあれほどの覇気を持ちながら村にいるかのような凡庸な男のように振舞うなど…。



「実にけしからん!強者は強者らしく覇気を纏い人を護るべきよ!」


「…起きてからもうるせえお嬢さんだな」


「ぬ!!」


コウジはため息を付きながら美女に声をかけた。



「しかしこんな洞窟があるとはな」


「俺の二番目の居住地か、なんやかんや荒らされてなかったからよかった」


今居るのは森林の中庭とも呼べるレベル40台の中型のモンスター達が現れるエリアで、コウジが序盤の修行をしていたエリアである。ここにはゴブリンやコボルトの上位種が現れD級と呼ばれる冒険者達が苦戦を強いられるエリアである。


そこの洞窟に居を構え自分の知識をあてはめながらリフォームをし、住めるようにはしたがスキルをもたずにここまでの居住空間をつくれるのはコウジくらいだろう。


魔道具の知識をもっても作成のスキルはもってないはずだが、試行錯誤の末に強引に魔道具もどきを作成するのにいたり、現代の冷蔵庫や水道の効力、暖房や冷房を兼ねそなえたものを多くを産み出し快適さを提供している。


「貴方は賢者なの?」


「いやただのおっさんだよ、迷子の」


コウジはやれやれと肩を竦める。


「迷子?」



美女はぽかんとコウジを見る。

コウジは肩を竦めて転生に関してと神に関しての話は伏せて自らの境遇を話した。


自分の名はコウジ=スズムラ。


閉鎖され外界との交流に閉ざされた都市から外界に憧れ外に出てきた中年の男。

一応ある程度の戦う技術と知識はあるのであるのでソロで戦うのにも問題はない。

そして転移をしたはいいが、知らない場所に出て右往左往しながらサバイバルをしていたという説明をした。



「…いくら何でも無茶な戦い方だ」


「住めば都だからな、意外と快適だったぞ?体も丈夫になったし」



「丈夫の域を超えてる、これでも私はBランクなんだぞ、しかもAランク間近の」


「ほお、なかなか高レベルだなお嬢さん」


「ミル=シルヴァリアだ、といってもそんな外界の情報がないような場所から来たのではしらないだろうがな」


「ああ、有名なのか?」



コウジの言葉に美女はため息をつき。


「シルヴァリア国の第一王女だ、コウジといったか?私の命を取らない事をみて悪人ではないと一応認める、認めるが私の鑑定でも情報が出ない以上怪しい事にはこの上ない、ついてきてもらうぞ」


コウジはその言葉に冷や汗をたらしながら肩を竦める


「(神様情報じゃあ今一番平和であり、中心国の一つである国の第一王女ね、こりゃあめんどくさいフラグが立ちそうだなあ、鑑定しとくんだったぜ)」


「返事は?」


「仰せのままに」


コウジは肩を竦めながらミルの言葉に頷いたのだった。




「ふむ」


とある黒く光く玉間に黒髪に金色の瞳の理知的な青年が空を仰いで思案していた。

誰もが魅了されるような憂いを秘めたその姿に誰もが恋をするであろう。

だがその体に宿る魔力は無限にも等しい巨大さ。


そうかの青年こそが今世を総べる四大魔王の一人「破壊」のデュナミス=プライドである。

破壊を司る魔王にしては華奢であり、その身を包むのは現代に似たような黒いシャツに黒のジーンズ身長は200センチほどあり、モデル顔負けのスタイル。


力だけみれば他の魔王は太刀打ちできないそれほどの実力を持つ。



「どうやら神様は新たな転生者を呼び込んだようだね」


「デュナミス様、どうしますか?」


突然現れたブロンド髪の柔らかな笑みを浮かべたこちらもどこか女優のようなふくよかな胸を持つ美女はにこにこと声をかける。


「そりゃ会うさ、僕と同じ神様からの転生者、それに同じ救済者だと思うからね」


デュナミスはクスクスと笑う。


「それに僕は無駄な破壊は好まないからね」


「貴方の父上も不思議がってましたね」


「父さんも父さんで素晴らしい人だったけど、いらない破壊をしすぎたからね、勇者に倒されてしまった」


「…復讐ですか?」


「まさか、父さんは倒されるべき存在だった、それだけの話さ、それに父さんも人間を愛していたからね、魔族はあの当時は乱世だった、平定するのに自分の命をかけたのさ、父さんは」


「…善悪にとらわれず己の真実を見つめろですか」


「そうだね、父さんの言葉で一番好きな奴だ」


デュナミスはにこりと微笑む。


「さてリリア、転生者に会いにいこう」


「貴方様の望むままに」


そう言うと二人は玉間から姿を消した。



「(恐らく失われた紅の力を継ぐものだね、間違いなく)」










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