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第四話 戦い

「さて人を探すには下へと向かわないとな」


コウジがこの森林へきて一か月、奥へ奥へと向かい、多くの魔物を倒し屠り糧とし誰とも会わすに一人でいる時思ったのが。



「とりあえず安全マージンを取るためにレベル上げをしたはいいけども、上げ過ぎたっぽいしな」



その考えである。


少なくとも常識的に考えて自分よりも遥かに大きいドラゴンを指先一つでダウンはさせないし。


何より意志のあるモンスターとも友情を育む事はない。



「…どう考えてもあのドラゴン、普通に一番上の親玉だものなあ」


自分と友となった金色のドラゴンを頭に思い浮かべながら苦笑をする。


「確かエンシェントドラゴンっつったか、鑑定レベルがまだまだ低いせいか、覇王種ぐれえしか鑑定できなかったからなあ」


ちなみにだがエンシェントドラゴンというのは古代龍の一種で、長い年月をかけて頂点へと至った最強種の龍種の一種で本来ならば鑑定は効かず本来ならばどんな種族かもわからないはずなのだが、コウジに関して言えば巨大な成長補正と神の加護、そして自身の潜在能力の高さ、この三つの異常な状態のおかげで看破したといってもいい。


本来ならば覇王種というのは種族の王を冠する絶対的な強者であり、本来ならば普通の冒険者レベルの人間では太刀打ちできないのだが、一部の常識外れた人間であればその限りではない。



「(普通に人外て認識されたうえに身内扱いだもんなあ)」


龍種というのは強者を尊ぶ傾向にあり、自らを乗り越えた者には家族と同じような親愛の感情を向ける事がある。


コウジと相対し戦い敗北したエンシェントドラゴンもまたコウジに対し自らを破った者として認め、家族として認めているのである。


「(加護はまたいずれ渡すといっていたが、その加護の内容が予感としてびびるんだよなあ)」


コウジはため息をつきながらブラブラと森林を歩く。


「てか一か月も人と話してないと案外緊張するもんだよなあ、そうおもわねえ?」


コウジはにっこりと後ろの気配に目を向ける。


「どこで気づいたの?」


紅い髪と紅い着物を着た一人の美しい黒いポニーテールの美女はそう言い返す。


「別にそんなに気を張ってちゃ気づくもんも気づくだろうよ、それにだ、俺は悪い人間じゃあねえよ?」


「それはこれから尋問するわ、貴方冒険者ギルドに所属している人間ではないわよね」


「そうだなあ」


「ここはAランク以上の人間でなければ立ち入り禁止をしている所、何の用で入ったの?」


「修行としかいえないな、後、迷子か」


「…正直に答えてくれない?何の理由もなしにこの場所に立ち入るわけないんだけど」


「おっさんは山籠もりしてただけだよ」


「そう、なら殺しはしない、嬲られるの覚悟しなさい」


目の前の美女は瞬時に黒い刀を抜き放つとすぐさま抜刀した!



「(いきなりってなかなかだよなあ、まあ仕方ない、理由もないのにあれだし、女の子に鑑定するのもちょっとアンフェアだしなあ、なんとなく対人戦をしてみたかったというのもあるが、まんまとひっかかってんな、案外俺悪役でもいけるかもしれんな)」


そう思考しながら自身の愛剣を振り上げる




「(なんて禍々しい大剣!!)」


黒髪の美女は目の前の深紅に煌めく両眼を持つ黒衣を纏った男の持つ大剣に目を向ける。

余りにも武骨であまりにも白く怨嗟すらも喰らいつくすような禍々しい大剣。



「(間違いなく堕ちた英雄となんらかの関連がある!深紅の瞳の人間なんて滅多にいない恐らく魔王級の加護を持っているとみた)」


「(ぜってえなんか重要人物との関係を疑われているんだろうなあ)」


コウジはやれやれと肩を竦めると同時に美女の振り抜いた刀を二本指で止める。


「!?」


「なかなか早いが俺には見えてる、残念」


コウジはそのままポンと刀を奪い取り、にこやかに告げた。


「俺は敵じゃあないが、それだと君は納得できない、さてどうする?」


「知れたこと、自らの証明は戦いの中でみせろ!」


「あらあ、弁明なし?」


「怪しいあんたがわるい!」


「最近の若い子はこわいねえ」


目の前の美女をみながらコウジはため息をつき。

刀を美女に返す。


「じゃしかたない、お互い剣で語ろうか」


「望むところ!!」



2人の姿がその瞬間かき消えた!





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