瓜二つとは?
春菜と私は大の仲良し。学年一の親友だ。
どこ行くときも同じ。いつも一緒に行動している。以心伝心ってほんとにあるんや。と思うぐらい行動が一緒。思ってることも一緒。
でも、相手にはわからないと思うことがひとつだけある。
それは、おもらしをしてしまったあとの気持ち。
あれは寒い冬。高2の二月だった。
私は冷え性で、下にブルマとスカート。上はブレザーとセーターという完全防備で授業を受けていた。
めんどくさがりの私は、朝、春菜と一緒にトイレに行ったっきり、言っていなかった。
四時間目の英語。一人ずつ、教科書のフレーズを暗唱するテストが行われていた。みな、教室で待っているのだが、私は緊張からおトイレにいきたくなった。少しだけの尿意だったため、我慢できるだろうと思っていた。
10分後、私は強烈な尿意に襲われた。あと四人で暗唱なのに。もうダメ、漏れてしまう。絶対漏らすもんか。私は恥を忍んで監督の先生にトイレに行かせてもらおうとしたが、授業中、トイレに行くなんて、敗北した感がすごく、躊躇した。
あと一人、そう思ったときだった。
暖かいものが心のなかに広がった。私のブルマから黄色い水が滴り落ちてきた。
涙が溢れた。
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保健室から戻ってくるとみな私を軽蔑した目で見ていた。それは春菜も同じだった。みな制服なのに一人だけ体操服。体育の授業でもないのに上は体操服。下は保健室専用の緑色のブルマー。男子たちは好奇の目線でみてくる。
私は恐る恐る春菜に話しかけた。
「春菜、めっちゃ恥ずかしいわ、一人だけ体操服なんて。」
春菜が言った言葉が今でも忘れられない。
「ダサw私はもらさないよ。お漏らしちゃんはあっちいっててw」
なんでわからないんだろう。したくてしたわけではないのに。