第42話 ドワーフ族
日間総合13位。ジャンル別6位。
ジャンル別はあと1つで表紙入りするぞ。
ありがとう……。ありがとう……。ありがとう、しかいねぇ!
でも俺は更新するだけだ!
というわけで、本日2回目の投稿だぁぁああああ!!
城壁を守っていたシュインツの駐屯兵は、スケルトンを主戦力とする第六師団と、援軍でやってきた第四師団によって粗方片付けられた。
ひしゃげた城門を踏みながら、指揮官ヴァロウがシュインツに入る。
ザガス、そして第四師団とその師団長ベガラスクが待機していた。
「随分と遅い到着だな、ヴァロウ。お前のぶんはないぞ」
ザガスは上機嫌に笑う。
久しぶりに身体を動かしたからだろう。
壊した城門を指差しながら、近くにいた魔狼族に自慢している。
ベガラスクはヴァロウの姿を認めると、ふんと鼻息を荒くした。
こっちはザガスと違って不服そうだ。
そのベガラスクを見ながら、ヴァロウは口を開く。
「ベガラスク、助かった。お前の第四師団がいなければ、ここまで短期間にシュインツを落とせなかっただろう」
「う……。な――――」
ベガラスクは目を丸くする。
メトラとザガスも同じような反応し、指揮官を見つめた。
「へぇ……。珍しいねぇ。まさかヴァロウが相手を褒めるなんて」
ザガスは顎を撫でながら、ケラケラと笑う。
一方、ベガラスクは戸惑うばかりだ。
「ザガスの言う通りだ。気持ち悪い。まさか、それもお前の謀なのではないだろうな」
「俺は素直な気持ちを表しただけだ。第四師団は我ら第六師団に助力してくれる貴重な客人だからな」
「な――――ッ!!」
ベガラスクは固まった。
ほんのりと顔が赤くなっている。
「べ、べべべべつにはお前のためではないぞ! え、ええええ援軍としてやってきたのは、魔王様の命令であってだな――」
というのだが、大きな白銀の尻尾を勢いよく揺らしている。
一応、喜んでいるらしい。
「それで……。この状況はなんだ?」
ヴァロウは振り返った。
そこにいたのは人だ。
いや、正確に言えば人族ではない。
褐色の肌に、くすんだ白髪。
耳はエルフのように横に伸びている。
いわゆるドワーフ族と呼ばれる種族だった。
シュインツの人口のほとんどが、ドワーフ族だ。
土と石の民といわれる彼らは、基本的に鉄鉱石や魔法鉱石が多く含まれる鉱山などを住み処にしている。
このシュインツも例外ではなく、近くにルガンと呼ばれる鉱山があり、そこで取れる良質な鉱石を使って、武器や防具を作り出していた。
ドワーフは総じて手先が器用だ。
くわえて、熱に強いため、鍛冶師になるものが多い。
大要塞同盟だけではなく、最前線に武器を卸すシュインツには、鍛冶場が多く並んでいた。
そのため空気が汚れており、常に煙たい。
「くしゅん!!」
ちょっとかわいいくしゃみをしたのはベガラスクだった。
鼻頭を擦り上げる。
どうやら、シュインツの空気に苦戦しているらしい。
「どうかお助けを、魔族様」
先頭で膝を突き、頭を垂れた老ドワーフは声を絞りだす。
頭頂部だけはげ上がった頭には、脂汗が浮かんでいた。
生きるのに、必死な思いが伝わってくる。
すると、鋭い金属音が響いた。
たちまちドワーフ族たちは震え上がる。
ザガスが自慢の棍棒を地面に叩きつけたのだ。
シュインツの大通りに大穴が空いた。
「お前らが魔族劣勢となった時に、オレ様たち魔族に何をしたのか忘れちゃいないだろうな?」
声を張る。
ザガスの怒鳴り声に、ドワーフたちはビクリとなった。
ザガスがこうして怒るのも無理はない。
元々ドワーフ族は、魔族側だった。
だが、魔族が劣勢とみるや、武器を作るという条件で生かされ人類に寝返ったのだ。
つまり、魔族からすれば、彼らは裏切り者なのである。
しかし、ドワーフ族にも理由はある。
このルガン鉱山は先祖代々ドワーフたちが、受け継いできた。
彼らの故郷とも言うべき土地なのだ。
そこから離れるわけにはいかなかった、というのが彼らの言い分である。
「ヴァロウ、どうするのだ?」
ベガラスクは振り返る。
その目つきは厳しい。
ザガス同様、裏切り者を許せないという態度を取っている。
魔族にとって、裏切りはもっともやってはいけないことだ。
裏切り者は唾棄されて当然であって、それが魔王の危機に直結することであれば、死罪は免れない。
彼らは人間のために武器を作った。
それが戦場で使われ、今もなお魔族を殺し続けている。
ドワーフたちの罪は重い。
すると、ヴァロウはようやく進み出た。
後ろのメトラはやや心配げに目を細めている。
何を隠そう――ドワーフを裏切らせたのは、実は人間であった頃のヴァロウなのだ。
その彼がドワーフ族を裁こうとしている。
運命以外の何者でもなかった。
ヴァロウはドワーフ族の前に立つ。
「100万……。これがなんの数値かわかるか?」
ヴァロウは尋ねる。
ドワーフ族たちは顔を見合わせたり、少し相談したりしたが結局答えが返ってくることはなかった。
先頭の老ドワーフが首を振る。
「お前たちの武器で死んだ魔族の数だ」
「!!!!!」
ドワーフ族の間に衝撃が走る。
そして、その命の重みと一緒に、改めて頭を垂れた。
ドワーフたちにはもう許しを請うしかないのである。
「ならば、お前たちは200万の人間を殺せるか?」
「に、200万!!」
「わ、我々に戦え、と……」
「そんな……」
「オラたちは武器を作れても」
「んだ! 剣を振ったことなんて」
「違う……」
ドワーフたちの言葉を、ヴァロウは一蹴する。
さらに言葉を続けた。
「戦に加われとはいわない。これまで通り武器を作れ。剣や弓ではないぞ。人間を200万人殺すことができる兵器だ」
「に、200万の人間を殺す兵器!!」
「そ、そんなもん」
「魔法でもそこまでの出力は――」
ドワーフたちは首を振る。
だが、ヴァロウは冷徹に言い放った。
「出来なければ、お前たちの首が飛ぶだけだ」
「ひぃっ……」
老ドワーフは小さく悲鳴を上げる。
冷たいヘーゼル色の瞳が、彼らを見下げていた。
「期限は3日だ。それまでになんらかの成果をあげろ」
「おい。ちょっと待て、ヴァロウ! その成果とやらが合格したら、こいつらを許すというのか?」
割って入ったのは、ザガスだった。
彼からすれば、問答無用で打ち首が相当だったのだろう。
事実、さっきから棍棒を振り回し、準備をしていた。
それをヴァロウに梯子を外されたのだ。
ザガスの意見に、ベガラスクも同意した。
「甘いぞ、ヴァロウ。そんなことでは魔族に侮られるぞ」
「俺は名誉よりも実を取る。ドワーフたちが本当に200万人の人間を殺せる兵器を作れるというなら、それは我ら副官よりも、人を殺したことになる。違うか?」
「な! 我ら副官よりもか!?」
「仮に死罪とすれば、そんな可能性を秘めた種族を殺したことになる。それはこいつらが人間どもに剣を鍛った以上とはいかないまでも、同等の罪に値する。違うか?」
「バカにするな、ヴァロウ。それは理屈ではないことはオレにもわかる。それは屁理屈だ」
「いずれにしろ。こいつらの成果を見てからでも遅くはあるまい」
「ふん。3日で何ができる」
「3日なんて必要ないよ!!」
声が聞こえた。
ヴァロウたちの前で拝跪するドワーフたちの方からだ。
1人のドワーフが立ち上がった。
女のドワーフだった。
皆が顔を青白くしているのに、1人目を輝かせている。
それは、虹彩が黄色だからという理由だけではないだろう。
ドワーフ特有のくすんだ灰色の髪をベレー帽の中に収め、腰には様々な工具をぶら下げていた。
「お前は?」
「ボクの名前はアルパヤ。指揮官の人! 200万人の人間を殺せる兵器を見せてあげるよ」
アルパヤは自信満々に物足りない胸を反らせるのだった。
面白い! 3回目はよ! 200万人殺せる兵器って核か!?
と思ったいただいたら、
是非ブックマーク、最新話下欄の評価をお願いします。
もし再び表紙が返り咲いたら、まさかの禁断の……(ごくり)
よろしくお願いします!




