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健路くんの非日常~囚われし巫女編  作者: ネムのろ
最終章 終わり良ければ全て良し!!
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~後日談~神社へ差し入れ

今回でとうとう終わりを迎えますこのお話。

三か月更新なしでしたが、やっとseason1を終わらせることができました!

今、秘密裏にseason2を書き起こそうと頑張ってます!

彼らの冒険はまだまだ終わらない!(笑)

「あいだっ!? なにすんだよ兄ちゃん?!」

 後ろを見ると己の兄がいて、本をもっていた。見るからして本で健路の頭を殴ったらしい。しかも本の角で。

「何はこっちのセリフ」

「ああ?」

「愛美さん、神社忙しいんだって? あの子すぐ無茶するから、差し入れ持っていきなよ」

「俺が?」

「うん」

「…お伺いしたいのですが、何故に俺なのでしょうか」

「え? フィアンセだからでしょ??」

「いつの間に?! いつの間にふぃ…ふぃあんせになったんだよ?!」

「え? 父さんと母さんがそう言ってはしゃいでたんだけど」

「本人の俺が聞いてないっつーか知らねぇし! また話、勝手に進めやがったっつーか!! 俺は微塵も認めてねぇよそんなの?!」

「まぁまぁ、今に始まったことじゃないだろ? さすが十五歳で駆け落ちして母さんかっさらったお父様に、十六歳で俺を産み落としたお母さまは強いよね」

 言いながらカラカラ笑う二十一歳の兄。そのおかげで身体少し弱いけど。と付け足した。

「笑えねぇよ?! たしかにそうだけどさ!!」

 そして膝から崩れ落ちながら、拳で床をたたく健路。

「健路! そんなことしたら床に穴あくだろ?! 床に罪はないんだぞ?」

「あくわけねぇだろ!?」


 そんなこんなで、彼はしぶしぶ愛美の神社へ足を運ぶこととなった。


『よう主』

「うおわぁあ?!」

 トンっと健路の肩へ軽く飛び乗った黒吉。

「び、びびびっくりしたぁ。クロかぁ…」

『久しく会えてなかったが…なぜここへ来るのが遅れた?』

「…ハィ?」

『お前の妻がここにいるんだからここで待つのは当たり前だろ』

「ちょっと待てぃい! 誰が、だれの妻だって?!」

『愛美が、俺の主である健路の妻』

「妻じゃねぇよ?! つーか付き合ってもいないのに何それ誰が言ったそんな悪い冗談?!」

 黒吉は何事もないようにあっけらかんと話した。

『真と友恵だが?』

 またもや健路は膝から崩れ落ちたのだった。

「それ親父と母さんが勝手に言ってるだけだからぁぁああ!!」

『そうか? あんな真っ直ぐで、素直で、何より好いた男を何が何でも守ろうとする 健気な愛情持った芯の強い女は他にいないぞ?』

「まず俺の意見通せよぉ親父と母さぁん…」

 今にも地面にめり込みそうな彼を見て、黒吉はニャハハハ! と笑った。

『お似合いだと俺は思うのだがにゃぁ?』

「…煩い。あ、そういえばまだ人型にまだ戻れないのか?」

『むむぅ。らしい。どうやら力を使いすぎたようで、神通力がすっからかんだ』

 そしてまたニャハハと笑った。

「お気楽だなぁ。大丈夫なのか?」

『ああ。またのんびり戻るのを待つさ』

 目を細めて、それからスリ…と健路のほっぺにスリつく。

『今は、もう主がいるからな』

 自然と健路は彼の頭を撫でる。撫で心地はもちろん抜群に良い。健路はそっぽを向いた。

「あれ? 健路くん??」

 そうこうしていると、彼らの声を聞きつけて愛美がやってきた。

 巫女姿だ。

「やっぱり健路くんだ! あ、猫神さま。いつもここを守ってくださってありがとうございます!」

 その彼女の言葉にビックリしたのが言わずもがな健路で。

「は?! クロ?!」

 ニャフフ。そう威張るように得意げに黒吉は体をうーんと伸ばした。

『このままなにも祭らない神社があってはいつ悪霊が狙ってくるかわからニャイからな。このままここに居座ることにした。』

「ちょっと待て?! じゃあもしクロ呼んでも、来てくれな」

『いんや? ここの代理は階級こそ俺より低いが三つの猫神に頼んであるぞ?』

「早っ!! つーかみんな身勝手すぎる!! 手順を学ぼうね?!」

『ニャハハハ! いまさらな事を』

「だよね! 改善なんてしないよね!! 知ってた!!」

 ワッと声を大にして泣きたい衝動に駆られたが、ぐっとこらえ、またもやガクッと両手を地面についた。

 再びニャハハと愉快そうに笑う黒吉。

「そういえば、健路くんは何をしに?」

「ああ、それは──」

 と答えかけてハタと気づいた。いつもならうっとおしいくらいにグイグイくる愛美がおとなしい。

 忙しすぎて疲れているのかもしれないな。そう思った健路は立ち上がり、埃をはたいて、丁寧に包みを確認した。

「うん。異常ないな」

「あの…?」

「ん」

 ズイ。と手に持った紙袋を彼女の目の前に。

「え?」

「父さんと母さんから差し入れ」

「そう…ありがとう」

 儚そうな、弱々しい笑顔。そんな顔が見たいわけじゃないのにな。そう思いながらポケットを漁って何かをひっつかんだ。そして

「ん」

「え?」

「やるよ」

 ぽとりと彼女の掌に落としたのは、桜の花の髪飾り。

「わぁ!」

「丁度、通りかかった雑貨屋で…安いからって店の親父に無理やり…で、俺はいらないからお前にやるよ」

『…見え透いた嘘を』

「クロうっさい」

 しかし愛美はさっきの疲れた顔はどこへやら。満面の嬉しそうな笑顔をした。

「ありがとう! 大切にするね!!」

「…っ」

 頬をかいて、少し照れたように、健路は頬をほんのり染めた。

「お、おう…」

 そしてニッコリ笑うそんな二人を見て黒吉は目を細めた。

『仲良きことは美しきかな』

 そうぽつりと呟き、愛おしく二人を見つめた。その瞳はとても暖かくどこまでも優しい、神様が見守る目だった。

 桜の咲く季節。古き過去にサヨナラを。新たな始まりに胸躍らせて。

 桜の花びら舞う彼らの周りはきっと今まで以上に波乱万丈になるだろう。

 しかし彼らは知っている。

 辛いことの後にはかならず幸せが。

 悲しいことは長くはあれど永遠には続かない。

 諦めさえしなければ、かならず最後には

「ところで、これは婚約指輪の代わりととってもいいのね?」

「どんな脳内変更?!! 違うからな!? あくまでも疲れてる愛美をねぎらうためのプレゼントだから!!」

『主? 普通は女子にねぎらうためにプレゼントしにゃいぞ?』

「え?!」

「フフフ。嬉しい。本当にありがとう!」

「違うからな?! 断じて!! 違うから!!!」

 笑顔の華が咲くのだと。


 健路くんの非日常


 終わり。


来たれ、season2!

待て!続編!!

いやー…とうとう終わりを迎えることができました!

これでseason1は終わりを迎えますが彼らの冒険はまだまだ続きます。

何故なら不思議な出来事は彼らを取り巻いて起きるのですから。

来るseason2に備えてネタは二年間保管してます(笑)

只今、そのネタに骨組みしている最中です。

皆様がよければseason2か、他の作品でお会いしましょう!

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