第二十五話 グレイの瞳
そうして飛ばされてしまったのが、真一人であり、冒頭の部分へと戻るのである。
「なぁるほどな。そんで真の倅はその神社へ一人でいっちまったのか?」
「そうなんです! 俺達はここでなんとかこいつらを足止めするからって!」
「でも、何十匹も逃したし、ケンのほうも心配になってきて…」
ほぉ。と師走は微笑んだ。
「んじゃぁ俺が来たのはベストタイミングってぇ奴じゃねぇか」
「そうだね」
「まったく、真さんって凄いよな…こんな力強い妖怪と契約してるなんてさ」
その言葉に気をよくした師走はフフンと鼻で歌った。
「物分りがいい奴ぁ、嫌いじゃねぇぜ?」
そしてその太い腕で二人を自分の大きい肩へ乗せてかがんだ。
「掴まれよお前ら! いっきにいくぞ! 落ちんなよ!!」
そして大ジャンプした。
そして――健路はというと。
「…約束を、果たしにきた」
目の前に佇む愛美を目に、真剣に刀を握る。
「くくく…」
彼女が、綺麗な声で不気味に笑った。
「手遅れだ…人間の子」
苦虫を噛み潰したような顔で、健路は相手を睨む。
「まだ…間に合うさ」
相棒の刀を握り締め、自身の横に月夜がいることを確かめて。
「諦めの悪さは嫌というほど教わったからな!愛美さんに!!」
その瞳は、絶対に諦めないという強い意思でグレイ色にキラキラと輝いていた。
「いい度胸をしている…」
ぐわりと目をかっ開いて、愛美が高笑う。
「その勇気も希望も…この俺、邪神が砕けさせてやろう!!」
彼女の後ろに真っ黒い八つのでかい蛇が現れた。
それを見て、汗がタラリと流れる健路。
「どうやったら…愛美さんを助けられるんだ月夜?」
じっと、愛美を観察した月夜は言った。
『わらわと主が力をあわせ、そして丁度いい時がきた瞬間が…』
勝負。
健路は…変わり果てた愛美を悲しそうに見つめながら…
しかし希望は持ったまま相手を―――邪神を睨んだ。
最終章に近づいてきたこのお話、一体どんな終わりが待ち構えているのか?
次回『地球防衛隊マモレンジャー、ブルーが逝く!』こうご期待あれ!
健路「方向性を180度変えてきやがった?!」
友恵「あらあら。楽しそうなタイトルじゃない?」
健路「全然楽しくないし?!逝くっていってんだぜ母さん?!」
友恵「色々と面白い事考えるのねぇ。元ネタあるの?」
あ。はい。実はこれでこうしてアレンジしてですね…
友恵「あらまぁ。素敵!」
えっへへへ
健路「意気投合すんなよ!次回は『健路の戦い』だ。見逃してくれるなよな?」