8話 アールモリータウン
アールモリータウン
この世界は10年前から『武器』を作る世界として知られている。
ちなみに武器を作っている世界はここ以外に4つほどある。
ここは作る武器は強力ではないにせよ、安定した軽さに壊れにくい素材を使っているため初心者は勿論、かなりレベルの高い人でも使うのだという。
武器も豊富でなんでも売っている世界はこのアールモリータウン位しかない。
これは最初の武器を選ぶ冒険者にとってはとても有難く、【初心者が来るならここ】のキャッチフレーズで世界で親しまれ繁盛していた……人手がまるで足りなかったくらいに。
だが時は流れ大体6年位前だろうか……人が増えるという事が目に見えて無くなっていった。
理由は明確で、謎に何処からか増え続けていた初心者冒険者自体が減ってきたのだ。
段々……少しずつ減っていくのを感じた。
人手は要らなくなってどんどん街に人が出入りしなくなっていって、街も目に見えて錆びれていった。
そして遂に5年前……パタリと起きなくなってしまっていたらしい。
どうやら私達の世界以外にも、初心者をターゲットにしていた世界はたちどころに減衰していった。
そういう世界に誰が継ぎたいと思うだろうか……
若者は次々と他の世界へと去っていった。
5年前から修理されずに残っている柱は錆びていて少し頼りない。
そもそもアールモリータウンは洞窟から出来ている街である。
広い洞窟に街を作ればそれなりに危険が伴う。
その為、かなり柱を設置して洞窟を支えるようになっている、その数は街の中に約300本はあるだろう。
金属の柱は湿気の高い洞窟によってどんどん錆びていく、その為『修理』か『変える』必要があるが、目に見えて少なくなる売り上げはどうしても放置の原因になってしまった。
それでもこの事態はすぐ終わると推測された。
いずれ、冒険者の子供達が成長すればここの需要も増える、それまでの我慢だと思ったからだ。
「なぁのにぃ!なんだあのモンスターは!」
説明を淡々としていた、ギルド長『レジスタ』は机に拳を叩きつける。
ガン!という音を立てるが机は金属のため物凄く痛そうにしている。
「つまり……そういう事ですか」
カルファ達は納得して頷く。
アラガキの案内でとある施設に来たカルファ達。
この世界での生き残りは20人……この施設で全員らしい。
「他に人は居るんですか?」
そう聞くと
「みんな死んだ……他のエリアはどうなってるのかは知らないが、一番端の第3市街地でさえもこうなんだ残ってるやつは居ないだろう」
第1市街地はモンスター発生地と最も近く、その順番に第2市街地、第3市街地という順に入っている。
市街地の間は壁があったがモンスターに破壊されているため今はないらしい。
「他の世界へと行けるドアは第2市街地しかない……逃げたか、殺されたかのどちらかだよ」
そう言って20人の1人で髭を生やした中年男性は頭を抱えた。
元々、モンスターが現れる場所はこの広い洞窟の奥深くだ、とてつもなく強いモンスターなら洞窟を進みここの市街地を見つけるのは困難では無いはずだ。
しかも近頃は冒険者の出入りも少ないため、強いモンスターの抑えが効かなくなっている。
そうした事もあって、今この世界は壊滅の危機に陥っているらしかった。
「だから貴方がたの力がどうしても必要なのです!」
そしてカルファ達にそのモンスターを倒すように依頼を変更したのだ。
「ここもすぐに崩壊してまうでしょう……もうこの事態を何とか出来るのは貴方がたしか居ないのです」
そう言うとレジスタは頭を下げた。
カルファはこの提案に対し。
「分かりました引き受けましょう」
彼らの依頼を受けることにした。
カルファ達が決断した理由は3つ
・まずこの世界から脱出する為のドアは最初に通ったあのドアでは帰れないらしい、彼ら曰く洞窟の街を更に進んだ『第2市街地』へと進む必要がある。
そしてそれは現在中間地点をモンスターが封鎖しているらしい、つまり帰るためには封鎖しているモンスターを退かすか、倒すしか無い。
そして現在この施設には20人いるが戦える人はここには居ない、カルファ達がやるしかないのだ。
これが1番の理由ではあるが。
・俺達はクエストを受けている、結果的にクエスト内容は違うが、受けたクエストは完遂して帰りたいのだ、お金も欲しいし……
・あとはやっぱりこの街にいる人達を助けたいと人並みに思ってしまった。
カルファはこれらの理由をククルと話して賛成してくれたため彼らの依頼を受けることにしたのだ。
「それでは決行は明日の夜に……モンスターは昼にこそ活発化します、それに夜行けばさっきのようにモンスターとかなり近い距離でもない限りは姿を感知されません。疲れもあるでしょうし、ゆっくりと休みましょう」
ギルド長レジスタはこれらの事を言った後に解散した。
「ありがとうございます……本当に感謝してもしたりません」
膝をおり懇願するように感謝する老人のレジスタにカルファ達は戸惑う。
「いえ……そんな……ここに来たのも何となくですし、助けになれるならなによりです」
そう言っても感謝され続けたがとりあえず夜を過ごすためにも宿へと案内してもらった。