世界滅亡まであと一時間なのに、レストランで会計を求められました
「お会計、5万2千円になります」
店員が伝票を置いた。
俺は窓の外を見る、空には巨大隕石。
ニュースでは「人類滅亡まであと一時間」と流れていた。
「..払う必要あります?」
「ございます」
「世界終わるのに?」
「お支払い出来ない場合は、皿洗いでも大丈夫です」
「人生の最後に、大丈夫じゃないです」
「食い逃げですか?警察に通報しますよ」
「外は逃げ場ないから」
「今日、店員私1人なので早くしてもらえます?」
「ニュース見てます?」
「テレビは見ないので」
「1人なの、おかしいと思わない?」
「支払わないほうがおかしいです」
「世界もう少しで終わるのよ」
「皿洗いが終わらないです」
「なんで働いてるの?」
「店にお金を借りてるので」
「返さなくて大丈夫だと思う、外を見て」
「綺麗ですね」
「隕石って知ってる?」
「ご存知ないです」
「隕石落ちたら、地球終わるの」
「お客様、大丈夫ですか?」
「逆に君が心配だわ」
「自分の店をもつ夢があるので、頑張らないと」
「ヤバい残り30分になった、開放してくれ」
「閉店まで、まだ半日あります」
「どうしたらいい?」
「皿洗いをして下さい」
「最初に戻ったよ、意味ないって」
「少し暑いですね、冷房下げますね」
「ヤバいって、隕石近づいてる」
「綺麗ですね、イベントですか?」
「あと20分!そうだっ俺のスマホ見て」
「電波が届いてないですね」
「うそっ、テレビつけて」
「映らないですね」
「もう末期じゃん、あ〜せめてシェフを呼んでお礼を」
「料理は私が作りました」
「あ〜そうか、誰も店員いないのか」
「ですから、今日は私が責任者です」
「ちょっ、あと10分!」
「閉店まで、まだ半日あります」
「それさっきやった、あ〜料理美味しかったです」
「いつか私の店に来て下さい」
「ん〜、行きたいけど無理かも、あと5分っ!」
「美味しくなかったですか?」
「行きたかったけど、世界が終わるまでは..」
「バスケ漫画ですか?」
「はっ、諦めたら試合終了だよ..あと3分!」
「皿洗いを」
「俺は諦めない男、早く洗い場にっ」
「こちらですっ」
「世界滅亡までに終わらしてやる、あと2分!」
「私も一緒に洗います!」
「来いやっ、洗い物!」
「早くスポンジをっ」
「なっ、皿が多すぎるっ」
「俺は諦めない」
「ふがぁーー!」
「くっ、油のガードが堅いっ」
「あと30秒っ!」
「間に合わないっ」
こっちだっ
シュッ
スパッ
残り3秒!!
くっ、
左手はそえるだけ..
はっ!
シュッ
パシッ
..スパーン
..ハァ、ハァ、ハァ
パチーーン
(ハイタッチの音)
しかし、この皿が使われる事はなかった
皿洗いとの死闘に全てを出し尽くした2人は
巨大隕石にウソのように敗退した−−




