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昼休み、天才がバカになる時間

作者: 神神神降臨
掲載日:2026/03/22

俺「なあ」

昼休み、教室の隅。

パンをくわえたまま、俺は言った。


俺「消しゴムってさ……食えると思う?」


タ「は?」


向かいに座る健人が、ものすごく嫌そうな顔をした。


俺「いや、だってさ。パンに似てるくね?」


健「似てねえよ」


俺「白いし」


健「それだけだろ」


その横で、裕太が静かに口を開いた。


裕「……いける」


俺「いけるの!?」


健「いや待てお前が乗るな!」


裕太は真顔で自分の消しゴムを見つめている。


裕「原材料は……ゴムか」


俺「そりゃそうだろ」


裕「つまり、弾力がある」


俺「食感の話すんな」


健「新食感」


俺「キャッチコピーみたいに言うな」


そのとき、綾が後ろから割り込んできた。


綾「何の話?」


裕「消しゴム食えるかどうか」


綾「バカじゃないの?」


俺「だよな!!」


俺は安心した。やっとまともな人間が来た。

しかし綾は続けた。


綾「食えるわけないじゃん。チョークの方がまだいける」


俺「お前もダメだった」


議論はなぜか白熱していった。


裕「いやチョークは粉っぽいだろ」


綾「消しゴムは噛み切れないじゃん」


健「じゃあ水に溶かせば?」


俺「溶けねえよ」


綾「ミキサーにかけたら?」


俺「何を作ろうとしてるんだよ!!」


そして、ついに裕太が立ち上がった。


裕「……やるしかない」


俺「やるな!!」


教室がざわつく。なぜかクラスメイトも集まり始めた。


「何やってんの?」


「実験らしい」


「マジで食うの?」


「やめとけって!」


担任が来たら終わるぞこの空気。しかし裕太は止まらない。

ゆっくりと、消しゴムを口に――


俺「待てえええええ!!」


俺は全力で止めた。


俺「正気に戻れ!!」


裕「離せ……これは人類の可能性だ」


俺「しょーもない可能性すぎるわ!!」


結局、その騒ぎで先生が来た。


先「お前ら何してる」


シーン、と静まり返る教室。

全員が顔を見合わせる。

そしてなぜか、俺が前に出た。


俺「……消しゴムの食用化について、議論を」


先「廊下に立っとけ」


俺「なんで俺だけ!?」


廊下に立ちながら、俺は思った。

なんでこんなバカなこと、全力でやってんだろう。

でも、教室の中から笑い声が聞こえてきて――

まあ、いいかって思った。


数分後。


ガラッ、とドアが開く。


健人が顔を出した。


健「おい」


俺「なんだよ」


健「新しい議題なんだけどさ」


俺「まだやるの!?」


健裕「「ノートって食えそうじゃね?」」


俺「もうやめてくれ!!」


_________完。

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