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11話「嫌すぎる2択」

 ふうぅぅぅ……。

 あいつらマジで許さん。せっかくの進化イベントを邪魔しやがって。

 俺が魔王になったら食肉用として飼育してやるから覚悟しとけ、鶏モンスターズ。

 さて、なんとか逃げ切ったところでもう一度整理しようか。

 進化先候補は二つ。

 一つは今の強化っぽい名前の『アベラギウム・ウルザス』。

 もう一つは『プレ・デア』とかいう謎の種族。

 ウルザスの方はなんか恐竜っぽい。

 恐竜でよくいるだろ、なんとかザウルスって。いかにも大型の肉食獣って感じだ。今の蜘蛛型ゴキちゃんからカッコイイ肉食獣になれるなら大歓迎だ。ただ忘れてはならない。

 この世界は、名称詐欺の優良誤認が大好きだということを。俺はその犠牲者だ。

 ウルザスなんて言っといて巨大ナメクジになる可能性だってある。

 ……アベラギウム・ウルザスとはなんぞや? 鑑定発動!!


『アベラギウム・ウルザス 竜種』


 だと思ったよ。

 鑑定、お前はやっぱクソスキルだ。

 ちなみにプレ・デアは? 鑑定!!


『プレ・デア 竜種』


 駄目だ、ますます信用できんくなってきた。

 今のアベラギウムだって「竜種」なのに、その正体はゴキタランチュラだったからな。鑑定が言う「竜種」は信用ならん。竜種って言ったらドラゴンやワイバーンだろ。なんでゴキタランチュラなんだよ。せめてサラマンダーっぽい見た目にしろや。

 はぁー、でも、強くなるためにはどっちか選ばなきゃならんのだよなー。

 ゴブキンを倒してもレベルは上がらなかったし、きっと一つの種族では10レベルが限界なんだろう。だったら進化して強くなる方向に賭けるしかない訳で。

 今は少なくても最初のゴキちゃんよりは強くなっている。見た目は除けば。

 攻撃手段は増えてるし、身体能力も上がってる。だから進化=強化と思って間違いないはず。見た目を除けば。

 そう、見た目を除けば進化するのは間違いじゃない。

 キモくなったとしても、死ななければ許容範囲とも言える。

 ここはゴブキンが集団で行動して2Pカラーカマキリが超必殺技を放つようなダンジョン。俺の魔王伝説を終わらせないためには進化するしかない。でもなー……。


『竜種』


 この単語が超怖ぇーんだよ!

 絶対に『竜種(嘘×笑)』だからな!

 俺はもう騙されんぞ!

 ……だがしかし、どっちかの竜種を選ばなければならない。

 100万円の振り込め詐欺に遭うか、家に泥棒が入って100万円盗まれるか。これはそんな選択だ。どっちも御免被るわけだが、選ばなければ命がなくなる。

 せっかく積み上げてきた俺の夢が序章で終わってしまうわけだ。それだけは頂けない。俺は絶対に魔王になって俺ツエーして世界征服するんだ!

 うーむ……どうしよう……。

 アベラギウム・ウルザスか?

 プレ・デアか?

 運命の2択。

 きっと夢の分岐点はここだと思う。

 凡庸な強モンスターとしてそこそこの俺ツエー展開で終わるのか、斜め上の結果を出してチート展開になるのか。

 ……そう考えたら、『プレ・デア』一択か?

 ウルザスの方はなーんかありきたりな気がするんだよなー。単純強化って感じだ。

 逆にプレ・デアの方はなんか特別感がある。こういう意味深な名称って、結構な確率でレアモンスターじゃねーのかな。古今東西、色々なゲームやラノベでは割と常識な名付け方だ。

 ……だよな?

 大丈夫、ここは俺の夢の世界。俺の知識が元なんだから大丈夫なはず!

 きっと今まではスピリタスのせいでちょっと歪んでいただけ!

 俺はゴキちゃんになりたいなんて思ったことはねぇ!!

 さあ、正気を取り戻した俺の脳みそ! 良い仕事を期待してる!!

 おい天の声、プレ・デアに進化だ!


《承認しました。「アベラギウム」が「プレ・デア」へと進化します》


 お、おお!?

 なんか身体がぎゅっとして、力が圧縮されるような凄みを感じるぞ!?

 身体の内側から未知の感覚というか、熱さがモリモリ湧いてくるようだ。

 ……これは、もしかしたら当たりを引いたか?

 ゴキタランチュラでも巨大ナメクジでもなく、本当に竜になるんじゃねーの?

 ぐっ……メッチャ痛ぇぇぇ……が!

 これでキモ昆虫から卒業からできると思えば我慢できる!

 痛ぇぞクソ!! 早くっ! 早く終われぇーーー————!!

 身体がギシギシ悲鳴を上げて作り替えられてるような感覚。

 これ、ゴキちゃんからアベラギウムになった時よりキツくねーか!?

 うううううう……うっがぁぁぁあああーーー!!


《プレ・デアへの進化が完了しました。レベル1になりました》

《スキルポイントを500獲得しました。保有スキルポイントは500です》


 これは、あかん……。

 身体中痛くて、もう、限界……。

 これで……巨大ナメクジだったら……マジで……許さん……ぞ……。

 意識が途切れる前に見えたのは、俺そっくりのニヤケ面だった。ムカつく。


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