表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/14

10話「俺の時代!?」

 ぐふふふふ……ついに! ついに「射出」を覚えるときが来た!

 ここまで来るのに本当に長かった……まだ一日も経ってねー気がするけど長かった。

 ゴキちゃんだったり殺され掛けたりもしたが、ついに俺が強者の立場になる時が来た!

 おい、「射出」スキル寄越せ! 拒否は許さんぞ!


《スキルポイント200を使用して、スキル「射出」を獲得しますか?》


 おっしゃ! もちろんイエスだ!!


《承認しました。スキルポイント200を消費し、スキル「射出」を獲得しました。残りスキルポイントは0です》


 ふふふふふ……やっべー、めっちゃうれしー。やっと流れが来た感じがする。ここから俺の無双伝説が始まるわけだ。

 よっしゃ、早速実験だ! 目標は……とりあえずあのキノコでいいか。

 ケルベロスの火球を強酸弾に変換してイメージ。

 目標、10メートル先のキノコ……発射ぁぁぁあああ!

 もの凄い勢いで口に強酸が溜まり、野球ボールより大きめな弾として射出される。

 ボッジュウゥゥゥウウウ————。

 やっべー、マジツエー。

 今までは近寄ってゲロを吐かなければならなかったのが、遠距離から魔法っぽく発射できる。近距離専用の強攻撃だったものが遠近両用になる。これが弱いはずがねー。

 よっしゃ! このまま最初の得物を求めてダンジョン散策じゃ!

 カサカサカサカサ——。

 そして歩くこと数分、最初のカモを発見。


「ウッホ、ウッホ」


 ゴリラのような声を出してるのはゴブリンキング。俺が最初に出会ったモンスターだ。まあ本当にゴブリンキングかどうかは知らんが、見た目それっぽいのでそれでいいだろう。

 俺は岩陰に隠れつつ背後から近寄る。

 ふっ、俺は2Pカラーカマキリのような馬鹿はしねーぞ。最大火力を初っ端でぶっぱなす。そして混乱してる隙に一気にトドメだ!


「ウホ、ウホホ、ウホ」


 10メートルはあるだろう巨体。そのハゲた頭めがけて酸弾発射!!


「グガッ!? ガアアアァァァアアア!!」


 おっほー! めっちゃ効いてる!! オラオラオラオラ!!

 頭、身体、足——その巨体に酸弾を次々に浴びせる。


「グギャァァァアアアーーー!!」


 さっさとくたばれ!

 未来の魔王に殺されるんだ、光栄に思いながら死ぬがいい!


「ギャギャギャギャ——ッ!!」


 全身に酸を浴びて煙を上げながら異臭を放ち、溶けた場所をかきむしりながらのたうち回る。

 やべーよ、俺ツエーよ、強すぎる。ヒットアンドウェーとか必要なくね?

 格上だろうゴブキンを一方的に甚振ることができるなんて……最高に興奮するわー。

 その姿だけでご飯10杯はいける。いや、ご飯は無理か。超クセーし。だがそれぐらいの快感だ。


「ギャ……ギャ……ギャ……」


 ゴブキンの悲鳴が小さくなり、動きが鈍くなっていく。

 もう完全に虫の息って感じだな。可愛そうだし、サクッとトドメを刺してやるか。顔面にゲロぶっかければ即昇天するだろうし。俺の姿を脳裏に焼き付け、あの世で感謝するがいい。

 煙の中でぐったりしてるゴブキンにトドメを刺すべく、その巨体の上に登る。

 あ、めっちゃ怯えた目ぇしてるわ。まあでも、これが自然の摂理って奴だ。俺の姿を拝めたことに感謝しつつ、俺の糧になるがいい——オエェェェエエエエ——。

 ジュウゥゥゥゥゥゥ…………。

 ゴブキンの頭が溶けてなくなり、さらに地面も溶かしていく。

 よっしゃあぁぁぁ! 華麗なる勝ぉぉぉぉぉぉ利!!

 うひ。やっぱ強すぎだわ俺。こんな馬鹿でかいモンスターに完封勝利とかやばくね?


《……》


 まあお前に褒めて貰おうとは思ってねーよ。だがしかし、お祝いコメントぐらいあってもいいんじゃねーの?

 たとえば《初の大物撃破を記念して、スキルポイントを1000贈呈します》とか。


《……》


 ねーの? お祝いボーナス?


「——ウホ——」


 そんなゴブキンみたいな返答されても困るんだが。


「ウッホ、ウッホ——」


 なんだ? 天の声からものまね芸人とかにクラスチェンジでもしたんか?


「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」

「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」

「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」


 キモいから止めろし。合唱コンクールにでも出るんか?


「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」×多数

「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」×多数

「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」「ウッホウッホ」×多数


 まさか……。

 倒したゴブキンの煙が晴れてくると、うっすらとその群影が見え始める。

 こいつまさか、ゴブリンキングじゃなくて……ただのゴブリンなのか?


「ウッホォォォーーー!!」×いっぱい


 うおぉぉぉ!? まじかぁあああ!?

 奥から通路を埋め尽くす量のゴブリンキングが土煙を上げながら向かってくる。

 マジでこれ、よくあるゴブリンの群れじゃねーか!?

 その図体で群れるんじゃねぇよ! お前らはゴキか!!

 こんなの勝てるわけねぇじゃねーか!!

 せっかくの俺ツエー展開なんだから最後まで俺ツエーやらせろや、クソが!

 俺は群れとは反対方向に全力ダッシュして岩陰に潜む。


 ぜーはー、ぜーはー……。

 音が聞こえなくなったところで大きく深呼吸。

 ……もしかしてこのダンジョン、超ヤバいんじゃねーの?

 ゴブリンキングなんて普通は雑魚ゴブリンの群れに一匹とかだろ。あの図体でただの雑魚なわけがねぇ。それが群れでいるってことは、ここはそうしないと生き残れない場所って事だ。

 超必殺技を撃てるカマキリがいたり、歩くだけでダンジョンが揺れるドラゴンがいたり、ゴブリンキングが群れで行動していたり……普通に考えてありえんだろ?

 ……このままじゃすぐあの世に行きそうな気がするな。

 死んでも目が覚めるだけだから別に良いんだが、せっかく「射出」を覚えて面白くなってきたんだ、すぐ死ぬのは勿体ない気がする。

 こうなったら、マジで行くとこまで行くか?

 もっと進化して、もっと強力なスキルを取って、マジモンの魔王を目指す。そこまで行けば流石に俺ツエー展開できるだろう。

 あ。

 そういえば、進化できるとか言ってなかったか?

 ……おい、天の声。進化するぞ。


《どちらに進化しますか?》

《進化先:アベラギウム・ウルザス or プレ・デア》


 なるほど、こうやって聞けば答えてくれるわけか、このひねくれ者め。


《……》


 アベラギウムの強化バージョンか、プレ・デアとかいう謎の種族……どちらかだな。

 特殊進化があればよかったんだが、まあそんな毎回はねーか。

 さーてさて、どっちにすっかなー……。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ