第三話―誤算に次ぐ誤算―
第三話です。
懲りない転生ヒドインのようですが、まァどうなることやら……。
第三話―誤算に次ぐ誤算―
あれからどれだけの時間、気を失っていたのか?解らないが
目が覚めた時、私は保健室の中にいた。保健室の先生曰く
「君をここまで運んでくれたのはエルフリート君とマルグレーテ君の
二人だよ。後で二人にお礼を言ってあげたら如何かな?」
と笑顔で言われ私の顔は引きつった。正直な話あの悪役令嬢の
ことは嫌いだ。けれど、その隣にいる伯爵令息は好きだ。今は
まだ彼に嫌われているが、いずれ私のことを好きだと言わせて
みせる。じゃないと他にいい男もいないし最低、伯爵以上の
地位はないと後で贅沢も出来やしないと打算ばかり頭に過る。
(どうせ結婚するなら地位も名誉も高く顔も良くないとね。)
本当は王族の誰かと結婚するのが一番良いのだが私には地位も
コネもないので今は他の方法を探すしかない。なので顔、良し
地位、良しの伯爵令息であるマルグレーテのことは外す訳には
いかないのである。とは言え、この間の一件のことで彼には
警戒されてしまっている。その上、何か機嫌を損ねるような
ことをすれば、また顔面に砂を吐くと言う犯行予告もされた。
(あーあ。何処かにいい男いないかな?)
なんて考えていたら保健室の先生に何か、ぼんやりしてるけど
大丈夫?なんて聞かれてしまった。私は慌てて大丈夫です!!
と答えたが首を傾げていたので大分、怪しまれていると思う。
(如何してあれらと関わると、こんなにも予想外のことが起きるのかしら?)
「イデオローグ君。さっきからボーとしているようだけど本当に大丈夫なんだね?」
「はい。ご心配、ありがどうございます。もう大丈夫です。」
あはははと愛想笑いを浮かべ何とか、その場をしのごうと
するが何処まで誤魔化せたか正直、解らない。相変わらず
先生は半信半疑と言った感じではあるが何も言わなかった。
「それより、先生。今、何時でしょうか?」
「4時だよ。本当にもう何でもないのなら放課後だから早く帰りなさい。」
そう言って先生は私を保健室から出すと鍵を閉めて去って行き
斯く言う私も慌てて教室に戻ると荷物をまとめ、学校を出ると
そのまま家へと帰っていった。次の日、私は一番最初に教室へ
入ると自身の机の中身を確認した後、公爵令嬢の机の中に一部
自分の教科書を入れ、何事もないような顔をして席に座った。
すると教室へ入って来た公爵令嬢が自身の机を確認した後、
「イデオローグさん。これ、貴女の教科書よね?」
「え?えぇ……」
「ないと困るでしょうから、お返しします。」
真っ直ぐ、私のところへ来て笑顔で教科書を渡してきた。何?
その爽やかキャラ的な行動は。私、あなたを陥れる為にわざと
教科書をあなたの机の中に入れたんだけど?あなたがここへ
教科書を持ってきたら、いじめを装うことができじゃない!!
「あ、ありがとうございます。」
言っていることと内心が嚙み合わないまま私は公爵令嬢から
教科書を受け取ると、そのまま机の中に入れた。混乱と動揺
そして羞恥心から顔が熱いような気がする。また先手を取って
やろうとしたら相手に先を越されてしまった。悔しい!!
(えぇい!なんて女なの!?これじゃあ、私の楽しい逆ハーが!!)
そこで不意に私の頭の中にこんな考えが浮かんだ。もしかして
今、目の前にいる公爵令嬢は私と同じ転生者なのかもしれない
だとしたら話は早い。そっちがその気なら、こっちにだって
考えはある。新たに思いついた策を胸に私は笑みを浮かべた。
「クローデルさん。後で二人きりで話したいことがあるのだけど良いかしら?」
「ええ、かまいませんよ。」
一旦、可愛らしく小首を傾げたものの素直に頷いた公爵令嬢は
満面の笑みを浮かべた。何なの?さっきから、その純粋無垢な
反応は!?まるでこっちが悪役みたいじゃないの!!本当なら
あなたが私をいじめることで周囲から悪者扱いされてザマァ
される運命の筈なのに、これじゃあ立場が全く逆じゃない!!
「では放課後、中庭で会いましょう。」
内心、大荒れになりながら表面上は笑顔を取り繕い公爵令嬢に
手を差し出すと相手もまた手を差し出してきた。そのまま私は
公爵令嬢と握手を交わした後、カーテシーをして解散した。
(放課後、公爵令嬢と二人っきりになったら……)
あれやこれやと考えながら過ごしていたら、あっと言う間に
放課後になった。私は中庭へ行くと公爵令嬢を罠にはめる為
仕掛けを準備していた。だが、そこで思わぬ人物と会った。
「……ここは王立の学校の筈だが、そこで何をしている?」
私の行動が不審に見えたのか?怪訝な顔をした裕福な身なりの
男性がいた。その気品と言い顔立ちと言い私の好みだった。
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