第一話―イレギュラー現る―
早速第一話です。
エログロナンセンスではないものの、ちょっとセンシティブかもしれない(;^ω^)
内容のワンシーンだけの事なので……。
「砂を吐く」がアウトしないなら、たぶん大丈夫かと。
第一話―イレギュラー現る―
前世の私は日本の一般家庭に育った、ごく普通の高校生だった。
けれど人生の最後となる瞬間を全く覚えておらず気が付いたら
異世界に転生していた。二度目の人生では男爵の庶子ではある
ものの暮らしも容姿もそれなりに良く、これなら上を目指せる
かもと思い、ほくそ笑んだ。だって二度目の人生、どうせなら
手に入れられるもの全て自分のものにしないと気が済まないわ。
「ポラリス、ちょっと良いかな?」
そう言って私の部屋に入ってきたのは、この異世界における父
イデオローグ男爵。私が生まれた頃には既に正妻と義姉つまり
私の異母姉は病死しており後妻である母と男爵令嬢の私は父の
屋敷で三人仲良く暮らしているのだ。父は基本的に私の行動を
制限しない。その代わり何かお願いごとがある時、私の部屋を
訪ねるのだ。父は私の顔を見て笑みを浮かべると、こう言った。
「君も今年で十六歳だ。王立の学園に通わないかい?」
「えぇ、通いたいわ。」
私が満面の笑みで頷くと父もまた静かに頷いた。王立の学園と
言えば貴族は勿論のこと王族も通う名門中の名門。かの学校に
通えば貴族だけではなく王族とも関係を結ぶことが出来る筈。
「じゃあ、手続きのほうは私がしておくよ。」
「ありがとう、お父様。」
私の返事に満足した父はそのまま部屋から出ようと扉に手を
かけた。そこに私はお礼の言葉をかけ、父の背を見送った。
王立の学園へ行ったら絶対、王子と関係を築くぞと心の中で
ガッツポーズをしたり、その反面、悪役令嬢に会ったら絶対
不幸のどん底へ突き落としてやるぞと気合を入れていた。
「さぁて、この世界は私の物なんだから好きにさせてもらうわよ。」
誰に聞かせるでもなく私は一人、部屋で笑みを浮かべていた。
次の日、私は予定通りエクセッシブ王立魔法学園に入学した。
だか、そこで私は予想外の出来事に遭遇したのである。
「なんで、あんたが王子と一緒にいるのよ!!」
「王子って……まさか、マルグレーテ!?」
あろうことか私より先に悪役令嬢が王子様と会っていたのだ。
それだけで私の心は大きく荒れたと言うのに、あの悪役令嬢
彼は私の幼馴染だと言って譲らないのよ。そんなの可笑しい。
「あんたの理屈は、どうだっていいのよ!さっさと王子をよこしなさい!!」
私は怒りに任せて悪役令嬢に罵詈雑言を浴びせた。斯く言う
悪役令嬢の方は一瞬、唖然とした表情を浮かべたものの直ぐ
苦笑へと変わった。あのまま間抜け面を晒していてくれたら
間違いなく顔面を殴ってやったと言うのに……つっまんねぇ。
「だからマルグレーテは王子じゃないんだって。難聴ヒドインってどうなの?」
「キモッ」
そう言って口に手を当てた王子様。あれ?さっき悪役令嬢が
何か呟いていた様な気がするが声が小さくて聞こえなかった。
「マルグレーテ、吐いちゃ駄目だよ。吐いたら失礼だからね?」
「何故?」
何度も王子様に注意する悪役令嬢の姿を見て私は腹を立てた。
だって王子様の隣にいるべき人間はヒロインである私なのに
何であんたが、そこにいるのよ。私の居場所を奪わないでよ。
「……気に入らない。」
「は?」
「気に入らない。気に入らない!気に入らない!!
何で、あんたが王子の隣にいるのよ!そこは私の場所よ!!」
私が怒りをブチ撒けると王子様と悪役令嬢はまた始まったよ
と言うような顔をして私をヒステリックな女の様に見ている。
ねぇ何でそんな顔をするの?どうして私を選んでくれないの?
「何で私を選んでくれないのよ!!」
「うっぷ……!!」
「わっ!?駄目よ!駄目、駄目!!吐いちゃ駄目!!」
慌てて悪役令嬢が静止しようとするが結局、王子様は私の顔に
向かっておびただしい量の砂を勢いよく吐き出した。何で私が
そんな目に遭わなくちゃいけないのよ。どうして王子様は悪役
令嬢じゃなくって私の顔に砂なんて吐いたのよ。まったく意味
解んないんだけど。私が怒りに震えている間もあの悪役令嬢は
王子様に何か言い続けていた。どうせ砂を吐くなら悪役令嬢の
顔にして欲しいわ。そんなことを私が考えていたら、王子様は
「また意味の解らないことをほざいたら、もう一度その顔面に吐く!!」と犯行を予告した。
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