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【黒猫の箱庭】転生少女と鮮血公女  作者: 黒猫の箱庭
転生少女と鮮血公女
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第九話―父と息子と伯父さんと―

第九話です。

知識悪の兄弟をおしても、邪神の思惑は難しい……。

第九話―父と息子と伯父さんと―


「もう6時になると言うのに、そこで何をしているのだ?」


マイノグーラが去り中庭に取り残された私達3人に声を掛けて

きたのは公爵令嬢の父親だった。だが、その隣には知らない

男性が二人おり如何。返事をしたら良いのか悩んでしまった。


「お父様、実は予想も出来なかったことが起きて……」


公爵令嬢は父親と別れた後、何が起きたのか?説明した。すると

父親の方はこめかみの方を軽く抑えつつ、また余計なことを……

と小さく呟いた。如何やら公爵令嬢の父親とマイノグーラの仲は

あまり良くないようだ。先程まで親子の会話を聞いていた二人の

男性の内、一人が公爵令嬢の方へ向くとこんなことを言い出した。


「元はと言えば、マイノグーラがベガーズオペラのような世界が

 見てみたい。と言い出してな従兄であるニャルラトテップに

 頼んでアザトースにこの世界を創って貰ったそうだ。だが彼ら

 邪神の考えは常人には到底、理解出来ないものらしい。だから

 通常とは異なる法則や理に満ちているし予想することも出来ない。」


「ベルフェゴールの伯父様、何か対策は出来ないのですか?」


「別にない訳ではないが、これと言って正解と呼べるものもないな。」


ベルフェゴールの伯父様と呼ばれた黒髪、金目の男性は少し考える

ような仕草をした。対策と言っても何か具体的な目的を持っている

のなら良いけれど邪神達にあまり干渉されたくない。と言う曖昧な

目的である為、何を如何すれば良いのか?思いつかないのだろう。


「父さんはアザトースのことを見たことがあるのだろう?

 なら他の邪神達にこの世界へ干渉しないよう頼めるだろう?」


「それは如何だろうな?一口に邪神と言っても皆、個別の人格と

 意思を有しているし何より派閥が違う者も存在しているらしい。」


それじゃあ駄目だと私は思った。例えアザトースが伯爵令息の父親の

頼みを聞いたとしてもアザトースの派閥に属していない邪神達には

全く意味をなさないのだから。だからと言って、その案が駄目だと

言っている訳ではない。その策が成功すれば少なくともアザトースの

派閥に属する邪神達の介入は阻止することが出来るのだから。


「あー、もう!何でこうも現代社会のようにしがらみが多いのかしら?」


「狂言回しにしては要領を飲み込むのに遅いな。」


真面目に考えれば考える程、雁字搦めのように自分が縛られている

ような感覚に苛まれた私はそう叫ぶと伯爵令息の伯父さんはそう答えた。

え?私、この世界の主人公じゃなくて狂言回しだったの!?


「ぜ、全然、知らなかった……」


「その調子ではそうだろうな。誰が見てもそう思うだろう。」


励ましにはなっていないが現実を言われ少し安心したところもある。

例え此処が悪人達だけが存在している世界であろうが、この世界に

生を受けて誰かにいじめられるだけの人生だなんて、そんなの嫌だ。

けれど実際の私には主人公ではないものの狂言回しと言う立派な

役割が存在している。それだけでもう救われたような気がした。


「ふむ、それだけ上げ下げの気性が激しいのに自分の役割に対して

 享受するあたり、この世界への順応する為の適正は高いようだな。」


「だって人間、知らないごとが多すぎる方が怖いもの。それよりは

 何かしら人生に役立つことを覚えていた方が良いでしょ?それに

 狂言回しは悪い役回りではないと思うから素直に受け入れただけよ。」


欲望に忠実だと言ったら、それまでなのかも知れないが。それが

私の中にある事実であった。今更、公爵令嬢と仲良く出来ないが

それは伯爵令息にとってもそうだろう。今更、私と仲良くなんて

出来ないだろうけど互いに尊重し合うことくらいは出来るだろう。


「さ、日も大分、傾いたことだし家に帰ろう。」


そう言って伯爵令息の父親は学園の校門まで歩いたが、そこで

一旦、後ろへと振り返った。要件は何となく察したが私はあえて

何も言わなかった。此処でもし私がそれを口に出したら、それは

あまりにもおこがましいと思ったからだ。伯爵令息の父親は言った。


「もし良ければ言えまで送っていこうか?それとも馬車だけ借りていくか?」


息子から私のことを如何、紹介されたかは知らないが伯爵令息の

父親はそう言ってくれた。まぁ、日は沈んてしまっているから

一人で家に帰えるのは危険だと考えたのだろう。だからと言って

ただの親切心からくるものであって他に何もない分、お近づきに

なろうなんてことは全く考えていないのだろう。私はこう言った。


「では馬車だけ借ります。その際、伯爵様の従者を一旦

 お借りする訳ですから後日、お礼をさせてください。」


私は自分なりに最高のカーテシーをこの場にいる公爵と公爵令嬢

伯爵と伯爵令息、そして伯爵令息の伯父様にすると校門の前で

待機した。すると伯爵は袖から絵筆を一つ取り出すと宙に絵を

書いた。それが現実の馬車になると待機していた二人の従者の内

一人が例の具現化した馬車の御者として御者台に乗るのを見た。


「……では、お借りします。」


そう言って私は例の馬車に乗るとイデオローグ男爵家の屋敷前

まで送って貰った。下車する際に伯爵の従者の人に対して私は

お礼を言うと、その姿が見えなくなるまで静かに見送っていた。

次回もお楽しみに!


pixiv版↓

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25891798

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