幸せになれるはずだった
私は、幸せだった。これからは幸せになれると思っていた。
あの時、無力な私は何もできずに絶望の最中にいたから。
まだ学生だった頃、長年の婚約者だったノヴァに背中を切り裂かれて、殺されそうになった。通っていた国立学園は彼が跡取りになるガリアード家からの訴えで強引に中退させられ、両親にも見捨てられた。ノヴァが懸想している王家の賓客デイナ様に危害を加えたとして、裁判にかけられて、死罪を望まれたから。
私には打開する力なんてなく、救いの手もなかった。絶望して、泣き続けて、ありもしない罪を被って人生を終えるのかと。悲観が諦めになって、心が死にかけていた。
ただ公平で、今思えば国の上層にいらっしゃった男性達の異常さを勘付いていたらしい裁判官の判決で、死は免れることができた。それが、転げ落ちていった底から這い上がる兆しだったのだろう。
その後の伯爵令嬢という身分の剥奪も、ノヴァの口利きで二回りも年上の男爵に嫁いだのも「良かった」こと。
だって、旦那様になってくださったロバート様は優しい方だった。謂れなき罪に問われて罰せられた私を受け入れてくださった。私が無実だと信じて、年若い妻だと丁重に迎え入れてくれた。
ロバート様と結ばれるには、伯爵令嬢という地位ではあり得ないこと。彼は元平民。若い時は自ら肉体労働をしていた方で、生真面目な仕事ぶりから当時の上司より鉱山の権利を譲渡された。その鉱山から稀少な宝石の鉱脈が見つかって、国に貢献できたから爵位を戴けた。
偶然だったのだろう。もしかすれば、人柄の良さから運も引き寄せて財を成したのかもしれない。そんなロバート様と結ばれた私は、一度は見放しになられた女神に感謝をした。
落ちていくだけの私に幸せを与えてくださって、ありがとうございます、と。
夫になってくださったロバート様は誠実な方。若い頃にいらっしゃった恋人が忘れられず、結婚式を目前に流行り病で亡くなられたその方に操を立てていらした。永遠の愛を捧げられていた。
私を娶ったのもノヴァに命じられたから。彼の父君であるガリアード伯爵とロバート様の元上司が知り合いで、爵位を戴いたときに縁ができてしまったから。
ガリアード伯爵とは顔見知り程度で、私の身柄を渡すには丁度良い身分だったらしい。ロバート様本人から聞かされたけれど、「若く高位の女性には、見目の悪い老人の妻となるのは苦痛だろう」と。そう、ノヴァが言い放ったらしい。短気な彼のことだから、もっと酷い言葉を使ったのだろう。その評価に不満はあるけれど、私は幸運だった。
ロバート様は以前は筋肉質だったけれど、歳を重ねて体が弛んできたと仰った。でも、私はがっしりとした大きな体は安心感を与えてられた。お顔も、厳しくはあるけれど醜いとは思えない。普通の中年の男性の顔。決して老人というほど老いてもいない。
厳しさのある顔立ちは笑みを浮かべられると、とても温和に見える。目尻が下がって、笑い皺があるからだろう。失礼ながら愛嬌を感じてしまう。私は、その微笑みが好きだった。
『よくぞいらっしゃいました、パトリツィア様。本日より、貴女の夫となるロバート・ノリスです。年若いお嬢様に私のような老人はお嫌でしょうが、決して無下にはいたしません。貴女のような美しい方を娶れた喜びだけで充分なのです。当家ではご自由に、お望みのままお過ごしください』
『私と、お茶を?・・・いや、老人との話などつまらぬでしょう。パトリツィア様、商人がそろそろ参ります。何か購入したいものがあるでしょう。王都の、シルヴァン王国の婦女の間で流行している化粧品や宝飾品を扱う商会ですよ。きっと気に入っていただけるはずだ』
『敬称はやめて欲しい?いや、しかし・・・分かりました。パトリツィア・・・はぁ、何というか新鮮な気持ちになりますね』
『こうして老人の話相手をしてくれる若い婦人は貴女だけだ・・・妻だから当たり前?そう、でしたね・・・貴女は私の妻だった』
『畏まった口調はやめて欲しいと?だが、貴女は生まれながらの尊い身分で、私は元平民です。言葉を崩すなど・・・パトリツィア!?なぜ、泣かれるのです!?ああ、泣かないで、何か、どうすれば!?貴女の気持ちを無下にしているわけでは・・・している?妻として扱っていない?・・・そうですか?ああ、いや、その、そうなのか?』
『パトリツィア、本当は君をはじめて見たのはあの王都だったんだ。爵位を賜る日に王城へ上がった時に君を見かけた・・・ミカエラの生き写しのような君に。ああ、浅ましい。君を娶るように打診されたとき、ミカエラが僕のところに戻ってきたのだと・・・君は、君なのに・・・僕を許してくれ。君の顔に失った恋人を重ねていた』
『ミカエラのことは忘れられない。ただ、こうして君が僕を夫として信頼してくれていると、とても嬉しく思う。こんな僕の側にいてくれるのか・・・本当に?』
失った愛する人の面影を重ねながら、私自身を見てくれる方。ロバート様が傷物の私を娶ってくださった真の理由は、失った恋人とそっくりだったからだけど、彼はあくまで重ねただけだった。恋人の代わりとは扱わなかった。
私を、妻になったパトリツィア・ノリスとして見てくださっている。私が嫌だろうと遠慮をして、それでも優しく接してくださって。私のためだと様々な手配をしてくれる。それが嬉しかった。
『僕は君より先に死ぬ。残す財産は勿論、君のものだよ。君は幸せになるべき女性だ。過去の・・・王都にいる者のことは忘れて幸せに、誠実に愛してくれる男性を見つけるんだ。美しく優しい君だから、きっと良い伴侶が現れるだろう』
私のために男爵家の遺産を残すなんて言う方。私に指一本も触れずに、いつか好きになる人のために清らかなままでいなさいと諌める方。
私は、ロバート様の妻なのに、貴方は触れてくれないのだろうか。
『駄目だ、やめなさい。これから現れる真に想う相手のために、君は清らかなままじゃないといけない』
真に想っているのは貴方のことなのに。
『私を本当の妻にしてくださいませ・・・』
夕食後、いつもよりお酒が入っている状態のロバート様を誘惑した。着たことのない肌が透けてるナイトドレスで伸し掛かって、男性に詰め寄ったこともないのに自分から抱き着いて、愛してほしいと願った。
『パトリツィア・・・』
ロバート様は酔っていらっしゃるのに私を私と認識して、亡くなられた恋人とは間違えずに、私を愛してくださった。囁く声も、触れ方も優しくて、それが男女の愛とは分からないけれど、確かに愛情を感じた。
『あっ・・・』
『背中に触れられるのは嫌だった?』
ノヴァに斬られたことで、私の背中には大きな傷が斜めに走っている。皮膚が引き攣った醜い傷跡。一生残るもの。触れられたことで自覚して、ノヴァの恐ろしい顔と声が脳裏に蘇り、怖くてロバート様に抱き着いた。
『いえ、抱き締めて。貴方に抱き締めていただけると安心するの』
しっかりと抱き締めてくださった。身を包む温もり、背中に回された腕の逞しさに安心感を得たのを覚えている。
『僕がいる限り、君を傷つける者は近付けない。パトリツィア・・・』
『愛しているわ、ロバート様。私に貴方の子を授けて。貴方の子が産みたい』
結婚して五年目にようやく初夜を迎えた私は、それからずっと幸せが続くと思っていた。
ロバート様に嫁いで六年目を迎えた春。あの日、王家から手紙がきた。速達で届けられた王城への呼び出し。
───・・・パトリツィア・ノリス男爵夫人並びにロバート・ノリス男爵。
王命として、一週間以内に登城を命じる。
リカルド・シルヴァン・・・───。
たった一行の、それでも王命で、反故してはいけない手紙だった。
なぜ、私の名前が最初に記載されているのか。そもそも王都への侵入すら禁止されている。この国に君臨しているデイナ様が許可しない。高位の男性達の、ノヴァの想い人が許すわけがない。
それでも王命だった。君主たるリカルド国王陛下が命じられたこと。男爵夫人である私では逆らうことなどできなかった。
『パトリツィア、大丈夫だよ。僕がついている。無実の君を責める者がいたら僕が声を上げよう。君のことは僕が守るよ』
優しいロバート様に抱き締められて慰めていただいたけれど、不安は拭えなかった。
どのような理由の呼び出しなのだろうと、あの裁判が見直されて、死罪を言い渡れるのだろうかと、私は王都に向かう馬車の中でもずっと震えていた。
だから、このような恐ろしいことになって震えている。王命に従うべきではなかったと今は後悔している。
だって、そうすれば、私はロバート様を奪われなかった。体調不良でも領地経営が難航しているでも理由をつけて、男爵領から出なければ良かった。私は絶望している。私の幸せは脆くも崩れ去ったのだと、苦しみの中にいる・・・───。
───・・・ロバート様が捕まった。私は引き離されて、ノヴァに捕まった。保護をするなんてよく分からないことを言って、私を、こ、殺すつもりだ。
怖い!死にたくない!ロバート様、助けて!ロバート様を返して!
私の思いは、先に連れて行かれてしまった愛する人に届かない。居合わせた学生時代の同級生コルネリア・ベルアダム嬢に手を伸ばした。助けて、と。
名家であるベルアダム侯爵家の姫で、才媛と言われていた優しい方。私を抱く恐ろしい人が私を殺そうとした時、応急措置をしてくれた。血に塗れた私を躊躇いなく抱き締めて守ってくださった。コルネリア嬢なら助けてくださるって手を伸ばす。けれど、彼女を遮るように立つ憲兵達と、この人が、私を抱くノヴァに引き離された。
心も力も弱い私は、ノヴァに連れられたまま馬車に乗せられた。財務執行官の馬車。財務省から出されたものだと思ったけれど、刻まれていた紋章がガリアード家のものだった。
嫌な予感がする。官僚としての職務中に、私用の馬車を使うはずがない。
「いやぁ!出して!」
ノヴァが乗り込む前に飛び出そうとしたけれど、彼は大きな体で入口を塞ぎ、私の体を抱き止める。触れ合う体。ノヴァの体は大きくて、逞しくて、密着したことで筋肉で引き締まっているのだと分かった。
こ、こんな鍛えた人に殴られたのなら、私の体など簡単に吹き飛んでしまう。どこを殴られようとも骨なんて折れるはず。
「やめ、はなしてぇ!こわい!こわい!たすけてぇ!」
ノヴァの体の向こうに見えた人達に手を伸ばす。助けて欲しくて手を差し出した。
だけど、誰も助けてくれない。驚いた顔で足を止めるけれど、この人が誰か気付くと足早に去っていく。
わ、私はどうなるの?このまま拷問を受けるのだろうか。だって、この人はデイナ様の恋人。デイナ様を愛する人。心を捧げた彼女のために私を殺そうとした。
「こっ、ころされる!!」
ノヴァの体を押し出そうとしてもびくともしない。しっかりと、私の体を抱き締めて馬車の中に移動する。
「パトリツィア、心配しないで。俺は君に危害を加えるつもりはないんだ。話がしたい。君に話さなければならないことが沢山ある。だから、落ち着いて。大丈夫だからね」
「いやぁ!きもちわるい!」
背中が撫でられた感触が不快だった。ノヴァに斬り裂かれたことで斜めに走ている傷跡。彼自身に触れられて怖気が走った。でも、恐れから逞しい胸を押してても微動だにしない。反動で私が弾かれて座席に倒れ込む。裕福なガリアード家の馬車だから、倒れ落ちても痛みはなかった。
「はぁっ・・・あ、あの!おねがいします!私を、降ろしてください!」
「・・・出せ」
恐怖で喉が引き攣ったけれど、小心ながら奮い立って言葉を紡げた。でも、返されたのはドアが締まる音とノヴァの冷たい声。顔を上げれば、馬車は動き出し、私を見下ろしている彼の顔が映る。
なぜ、そんな顔をしているのだろうか。細めた目は睨んでいるものではなく、熱の宿った眼差し。口元は緩んで、笑みを浮かべている。
なぜ、そんな顔を私に向けているの。まるで、まるで愛しいものを、デイナ様を見つめているときの顔に見えて・・・以前の、学園に通う前に私に向けていた顔でもあって、悪寒が走った。悍ましいと思ってしまう。ノヴァが、私を殺そうとした人が、私に対してなんて顔を。
「パトリツィア・・・」
うっとりとした声で名前を呼ばれる。手が、剣ダコのある骨ばった大きな手が私に向かってくる。怖い。私を捕まえて、何を。
「触らないでぇ!!」
身を守るために、自分の手で肩を抱いて縮こまった。恐ろしい人から距離を空けるために窓際に寄せ、顔も伏せる。
「お、お願いします。触らないでください・・・わ、私はロバート様の、妻です。神の下で誓い合った夫以外の男性に、触れられたくはありません」
「・・・」
ノヴァは何も言わない。でも、触られなかったから、私の言葉が届いたのだろうと思った。だから、伏せていた顔を上げた。
「ひぃっ!?」
貴公子と謳われた美麗な顔が歪んでいる。眉間に深い皺を刻み、鋭い目で私を睨み付けていた。怒りが沸点を超えて、私を殺そうとしている。何故なら、私を殺そうとしたときの顔と同じだったから。
「ぁ・・・ぁ・・・」
怖い、怖い怖い怖い。殺される、私は殺される。
頭を抱えて蹲った。逃げ場のない私には何もできなくて、ノヴァの腰にある剣が引き抜かれるのを想像して、死にたくないと祈っていた。
なのに、彼は何もしてこない。暫く私を見下ろしてたようだけど、声も出さずに向かい合った座席に座った。私は頭を庇うように手で抱えているから見えない。でも、強い視線を感じる。私を睨んでいると分かる。
(・・・犯罪の疑いがある者は、取り調べを受けるために勾留される。貴族であれば専用の拘留所があるわ・・・私も、ロバート様と同じところに移送される。だって、妻だもの。妻なのだから、お側にいられるはず)
牢屋は違えど、夫婦であることから隣に入れられるはずだ。ロバート様の側にいられる。
それとも、私の罪状がロバート様に突き付けられた犯罪の幇助ではなく、デイナ様に関することなら。
(このまま処刑場に連れて行かれる)
だって、死罪を望まれた。焼き殺せと、生きたまま徐々に肉を削げと、逆さに磔にしろと残酷な処刑方法を望まれていたのだ。もし処刑をするつもりならば、私は苦しみながら殺される。
「し、しにたく、ない・・・」
怖くて涙が出てきた。心臓が掴まれたような感覚があって痛い。死にたくない、私は何もしていない。デイナ様に危害なんて加えてなかったし、罰は受けた。その罰が生温いというのなら、死以外の厳罰なら受ける。
だってロバート様と一緒にいたいから。愛する人とずっと生きていきたい。子供を産んで、ロバート様と共に育てて、何事もない平穏な日々を過ごしていきたい。
無実なのに、六年前にきちんと罰は受けたのに、ささやかな幸せすら感じてはいけないというのだろうか。
「君は死なないよ、俺が守るからね」
「・・・?」
誰が、言ったのだろう。ロバート様じゃない。ここにはいない。守るって、誰が、貴方が・・・。
顔を上げて、歪んだ視界に映るのはダークブラウンの長髪の人で、ノヴァで。
「今の君は怯えで心が押し潰されそうなんだろう。昔から気が弱かった。俺の言葉に耳を傾けることすらできないほど、心に余裕がない」
目が、またあの目。涙の膜で歪んだ視界でも分かった。愛しそうに目を細めている。
「でも、何度でも言うよ。いつか届くだろうから・・・俺は君を守る。どんな者からも、どんな者だろうとも、二度と触れさせない。君を守るために俺がいるのだから」
手が伸びてくる。私を捕まえようとノヴァが手を伸ばしてきた。怖いから振り払って叩き落とす。
「・・・愛している、パトリツィア」
「な、にを言って・・・」
あり得ない、絶対にあり得ない。
だって、ノヴァが愛しているのはデイナ様だもの。学園に入学してすぐ、私の手を振り払って愛を囁いていた。恋人のように、他にもいる沢山の恋人達と一緒にデイナ様に寄り添って、抱き寄せていた。
私を見かければ、目障りだと邪魔だと、なぜ生きているのかとも言われた。死ねと怒鳴られたことすらある。実際に、死を願う暴言から日を待たずして殺そうとした。
それなのに愛しているなんて、おかしい。この人はおかしい。態度も言葉もおかしい。これほど優しいノヴァは、デイナ様が現れる以前に消えてしまった。デイナ様を愛したから、私への愛情なんて失っていた。
だから、この人はノヴァじゃない。
「あなた、誰なの?」
「ノヴァだよ、君の恋人のノヴァだ。幼い時からずっと一緒で、君を好きだと何度も告白した。君だって受け入れてくれた。早くに唇を合わせて、身も委ねてくれただろう?」
違う、ノヴァなんかじゃない。認めたくない。
「違うわ、私を愛してくれたノヴァはいないの。デイナ様を愛してしまったから、私から離れて」
「その忌々しい魔女のせいで全てが狂ったんだ!!君への愛を喪失させられた!!あの魔女を愛するように心を歪まされた!!あんな女さえいなければ君は俺だけのものだったのに!」
「ひっ・・・」
短気な彼は、デイナ様の名前を言うと激高した。この突然の激昂の仕方は間違いなくノヴァで、それでも認めたくはなくて。
デイナ様への愛情なんて皆無だと怒りで顔を歪めている人が、只々怖くて、私は震えることしかできない。
「・・・怖がらないで、君に怒ったんじゃない。あの魔女と、ロバート・ノリスに怒りを感じているだけだ」
怖がる私の顔を見た彼から険しさが失せた。小さく溜め息を漏らすと、眉間の皺を解すように指先で揉んでいる。
魔女が、デイナ様のことだと理解はした。デイナ様に彼は心を支配されていた、らしい。よく分からないけれど、そう聞こえた。魔法を扱うという意味で魔女と言っているのなら、彼はデイナ様に魔法をかけられていた。それが許せなくて怒ったのだろう。それは分かった。
でも、なぜロバート様にも怒っているのか分からない。私の夫になってくださったロバート様は誠実で優しい人。一人になった私を守ってくださった素敵な旦那様を、引き合わせてくれたのはノヴァ本人。だから、やっぱりこの目の前の彼はノヴァではない。結ばれるように仕向けたのに怒る意味が分からないもの。
「詳しい話をここではするべきじゃない。きちんとした場で話そう。もうすぐ着くからね」
彼のライトブラウンの瞳の目が窓に向かう。私も続いて窓を見れば、よく知った建物が映った。
幼い時から何度も足を運んだ場所。婚約者になってからは毎日のように、屋敷が隣同士だからすぐに会いに行っていた。
ガリアード家のタウンハウス。その門が開かれて、私が乗せられている馬車はゆっくりとした速度で入っていく。




