55.2020年7月(弁護士修習)
藤原秋風 26才 2011年高校三年生に転生し、大学卒業、四菱商事へ入社後、司法修習を受けるために休職中
豊本千尋 20才 弁護士事務所にアシスタントとして入社。最初に任された仕事が秋風の司法修習アシスタント
2020 年 7 月
虎ノ門近くにあるオフィスが多く集まっているビルの1階に秋風が到着して待っていた。
「お待たせしました」パソコン越しに見ていた女性の豊本千尋がそこにいた。
「宜しくお願いします」秋風も軽くお辞儀をした。
「こちらが藤原さんのセキュリティーカードになります」首からかける紐付きのカードケースをもらう。
入り口のセキュリティゲートにかざすと扉が開き、中に入っていく。
「事務所は7階になりますので、低層用のエレベーターにお乗りください。」
けっこうな人が乗ってくる。各階で止まり、段々と人が減っていく。
7階でもまだ降りない人がいるが、先に下ろしてもらい豊本嬢について行く。
オフィスに入り、飾り気のない机に案内される。
「こちらが藤原さんに使っていただく机になります。」
「近くには、アシスタントや1年目弁護士の方がいるので話しやすいかと思います。」
近くの人達が見つめるので、挨拶をする秋風。
「3ヶ月司法修習でお世話になります、藤原秋風と申します、短い間ですが、宜しくお願い致します」
一応拍手で出迎えてくれた。
「メンター弁護士の北川先生はまもなく来ますので、事務的な書類への記載などをお願いします。」紙の束を渡される。中身は秘密保持契約の書面がほとんどである。
「そうだ。休憩室と手洗いの場所をお教えしておきます。こちらへどうぞ」
着いていき、手洗い、休憩所を案内された。
休憩所でコーヒーを入れている時のこと。
「あの、変なこと聞いていいでしょうか」豊本嬢が聞いてきた。
「なんでしょうか」
「以前にお会いしたことがあると思うのですが、詳細を思い出せなくて、私の勘違いならいいのですが、すみません。変ですよね」
「変じゃないですよ」秋風の返答に驚く豊本千尋。
「やはりお会いしていますよね。よかった」
「2年前に、パリで。」
「あっ」豊本嬢の顔が変わった。
思い出したようだ。
「朝食の時と、エレベーターで話した日本人の方ですね」
「はい。その日本人です。」
「流暢にフランス語を話される日本人の方に少し見とれてたんです」言って赤くなる。
「フランス語は片言ですよ」それにほとんどが英語でしたから。
「そうなんですか。フランス語で話されているかと」
「ウェイトレスがフランス語なまりの英語でしたからね」
「あの時の忘れ物は見つかったのですか?」
「はい。イヤホンを忘れてて。ちゃんとありました」
「しかし、あれだけなのに良く覚えていただいていたとは、恥ずかしいです」
「可愛らしい人なので、ドキドキしていましたからね」思わず言ってしまい、失敗した顔をする秋風。
「えっ」
ちょうどメンター弁護士が来た。
「豊本さん、彼が修習生の藤原さんかな?」
「はい。丁度休憩所をご案内していました」
「ご苦労さん。メンターとなる北川です。では、詳細を説明するので、僕の部屋で」
説明後、署名した秘密契約書を豊本さんの机に持っていったが、丁度いなかった。
書類を置いていくが、少し残念な秋風である。
手元現金 94万ドル
日本秋風 41億円
(運用利益) 247億円
ハワイ秋風 60万ドル
ドバイ秋風 70,000万ドル
ドバイ秋風 (ビットコイン)448,713万ドル




