13.2015年8月②(ドバイ秋風)
藤原秋風 22才 2011年高校三年生に転生し、大学卒業し就職へ。
田中・ベアトリス・アンナ 20才 農家の家庭に育ち、叔父との争続が終わった後、秋風に会い貿易に携わる
マアムーン・ビン・ムスタファー・アル・マクトゥーム 秋風の会社のドバイ所長
「ヨットみたいな建物ですね」
ブルジュ・アル・アラブはドバイ首長家が建てた高級ホテルである。海に飛び出た人工島の上に建てており、名前を直訳するとアラブの塔となる。
「せっかくなのでここに宿泊ください。マクトゥーム家は安く泊まれるのでご安心ください」
「ありがとうございます。家にご迷惑おかけしなければ、ご厚意に感謝します。不動産事業もおかげさまで順調だし首長にはお世話になりっぱなしで感謝しかありません。少しでもお役に立てればと、今回はハワイの農家との貿易の協議です。」
「UAEの食料は完全に輸入に依存しているので、安定供給はありがたいです」
車を降り、ホテルマンに案内され、ロビーにあるソファーで受付を行った。ホテルの従業員はマクトゥームの顔を見て緊張しているようである。
「請求は会社じゃなくて、個人宛にしてください。仕事で来てはいますが、観光もしたいので」
「相変わらず法人の負担にしないのですね」
「将来この会社とのつながりで利益が得られると思っているので、大丈夫なんです。会社の利益の半分は基本はこちらのスタッフに還元する事に変わりはありません」
「貴方のその考えのおかげで当社の求人倍率は恐ろしい数字ですよ。まあ、新入社員の年収が20万ドル以上ですから当たり前と思います」
ドバイホールディングスとの合弁企業を行い、民間賃貸不動産業として有名になっている会社名は「نسيم الخريف(秋風)」である。発音は「ナシムアカリフィ」に聞こえるが何度聞いても正確にはよくわからない。
翌日の朝、ロビーで待つマクトゥームと会う。
アンナも来たので出発する事に。
ドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センターに向かう。ドバイの金融特区で、多くの外国金融機関の事務所がある。ファンドとしての登録もしたのでここに事務所を紹介されたこともあり、
利用している。
事務所に着くと、事務所の広さに驚いた。
20人ほどの人員だが300平米ほどある。
「ゆったりとした事務所で安心です」
「ええ、5倍までの人員までは収容可能です」
「貿易を始めるとしたら5名ほど増やせば十分だと思っていますがどうですか?」
「今まで通り状況を見ながらで良いですか?」
「もちろん今まで通りの方針に変更はありません」
「貿易英語がネイティブ並みに話せる人が良いので、人選はお任せします」
基本は所長に任せることで今まで通り安泰である。
「それと、肩書きは所長のままでよいですか?実質の社長なので、気にしています」
「ありがとうございます。今のままの方が対外的に楽なので大丈夫です。従業員も私の上に社長がいると思う方が、不満を話しやすくて運営し易いのです。まあ、十分な給料と勤労環境なので不満を言う人がいないのが実情ですが、相談し易いという環境が一番良いですね」
「私が社長とは言ってないですよね?こんな若輩者が社長だなんて」
「誰にも貴方の事を教えていません。先を見通せる事は誰にも分かりませんから」
「秋風さんの先を見通す力って?」アンナが不思議そうに言う
リアクションもしてねん!




