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人形劇
正面をただ愛くるしい笑顔で見つめ窓から溢れる溢れ日を浴びるビスクドールやチャイナドールなどが、私の瞳に写る。
彼らは命がない代わりにこの世界に永遠に存在し続ける。
生き延びるために命をくらい血と骨と肉にして生きる人間としては、彼らの人生は窮屈に思えるだろう。形あるものいつか滅ぶ、と知ってはいても命尽きるときに求めた命を、我々人間は手に入れることは出来ない。
救われなくとも、愛されなくとも、命を尽きても私を生かそうと戦った彼女たちは、人形の姿になり果てても私を愛してくれただろう。
『未熟さを愛せば人である。完璧さを求めれば人にはほど遠い神と宣う壊れた人になる。自己犠牲も自責もしなくていい。自分の未熟さを愛してこそ人になれる完璧な答えだ』