第33章 結果
その日の夜、金内が俺の家に遊びに来た。
「…先輩?」
「おう」
玄関で、金内を俺は出迎えた。
背中には皇女がいる。
王女は俺の部屋で待っていた。
「失礼します」
金内が、いつも通りに靴を脱いで家に入る。
部屋に入ると、ドアをゆっくりとパタンと金内が閉めた。
「それで、どうだったんだ」
俺は皇女をベッドに下ろし、その横に俺が座ってから、金内が俺がいつも使っている勉強用の椅子に座ったタイミングで聞いた。
王女は皇女を膝に座らして抱っこしている形で座っている。
「おじいちゃんには会えたよ」
「よかったじゃないか」
「うん、従姉妹たちもいたし、お母さんも嬉しそうだった」
でも、なにか不満と言うか、不安な表情を金内は浮かべている。
「でも…?」
俺はその先を促す。
「でも、おじいちゃんは、お母さんと会うのをためらっているみたいに見えたの」
「それは仕方ないことじゃないかしらね」
王女が金内に言う。
「数十年前に別れたきりの二人、今まで何事もなかった生活に、突然別れた人が現れた。普通ならためらいとか、いらだちとかを感じるでしょうね」
王女の言葉通りに、金内の祖父は行動したようだ。
「でも、無事だったんだな」
金内はうなづく。
「うん、それで、いつでも来てい言って。従姉妹たちとはメアド交換もしたし」
「ま、無事で何よりだ」
それから、本題に入る。
「それで、Z機関とか、人造人間とかの話は聞けたのか」
金内の顔が、一瞬曇った。