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第30章 これから
小母さんが部屋から出ると、王女は続けて言った。
「それで、他には?」
「政府からの通達で、君らの留学ビザが延ばされたということ。それと、国王陛下から、勉学に務めよという勅語を賜っております。それで……」
ジハール・キアが小母さんが出て行ったドアをチラリと見る。
「あの人は私のお母さん。私よりも、ずっとずっと力が強いから、あなた方でも負けるわよ」
「なるほど。貴女よりも強いというのは、ちょっと感覚が分かりませんが……」
ジハールがよく分からないような顔つきをしている。
「前は、10人ばかりいる完全武装のテロ集団を1人で全滅させたという話をしていたから、ものすごく強いでしょうね」
ジハールが一瞬静かになり、それから後ろにいたフィールとカールの色が変わった。
「では、これにて失礼します。王女殿下、皇女殿下、今後とも、よろしくお願い致します」
「いーえ、こちらこそ。よろしく」
皇女がひらひらと手を振りながら、キアたちを見送った。
「さて、私たちは今日はどうする?」
皇女が、俺たちに言った。