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ふぁーすとこんたくと

屋敷にミュラを迎える準備をする。うーんベッドを召喚しといて。まあこんな感じ?ミュラがどの部屋使いたいかわからんから全部の部屋寝室になったけどまあいいか。めっちゃ緊張するな。


後も俺はソワソワして過ごした。

約束の時間

いや嘘です夕方というにはまだ45分ぐらい早いけど、まあ夕方って言い張れる時間ではある。よし迎えに行こう。


「少しお早いような気がしますが、用意はできていますよ。ミュラこっちに。」

「はい」

「ミュラのこの紋に貴方の血をつけてください。」

館長がナイフを渡してくる。


うぇー。いやー。自傷ダメ絶対。痛いの嫌い〜。というかそのナイフ殺菌してるよね?加熱殺菌してる?井戸水で洗っただけとか許さないよ?

「どうされましたか?」

はい、すみません。


ナイフを受け取り、人差し指に刃を当てる。イテッ。血が溢れてくる。この血を奴隷紋にっと。

するとミュラが輝き出した。

「これで契約完了です。今からミュラは貴方のものです。」

人差し指痛い〜うぇーん。

女神の息吹(ゴッドブレス)

「すごい魔力を感じます。何かなされたんですか?」

「そうですか?」

あっぶねえー初めて使ったから、どうなるのか知らなかった。危うくバレるところだった。

「勘違いですかね。」

「それじゃあ、ミュラ行こうか。」

「はい。ご主人様。」

むず痒いな。


奴隷商館を2人で出た。

「あのさ、ミュラにやってほしいこと今から説明するよ?」

「はい。ご主人様。」

(え?この人誰?この人、さっきの好青年そうな柔和な笑みが似合う人?まるで、今は無邪気な子供みたいだ。なんというか不思議?な人。)

「やってほしいのは、洗濯と料理と掃除。あと俺を朝起こしてほしい。っていう家事部分と、冒険者の仕事を一緒にしてほしい。家事はミュラ1人に押し付けるつもりはないから、手伝ってほしいことがあるなら言ってね。」

うんダメ人間だな俺。


「かしこまりました。ご主人様。ご主人様の手を煩わせたりはしません。安心してください!」

「へ?あ、そう?ありがと。」

まあ俺家事とかできないし、それはありがたいな。一人暮らし3年もやったから料理はそこそこできる方だけど、他はダメダメだからな。任せとこ。暇な時は手伝えばいいか。その時々の判断でいいよね?任せっきりは良くないし。


「ほしいものとかあったら、言ってね。給料とか渡せないし。」

「では、明日これからの生活に必要なものを買っていただいてもいいですか?」

「うん、わかった。」

硬いな。バイト先の店長みたいな接し方でいいのに。いや、俺バイト先の店長とは極力喋らないようにしてたわ。今のなし!なし!そんな接し方やめて!死んじゃう。


「今日は、外で食べようか。冒険者ギルドの中の食事どころでいい?ついでにパーティーも作っとこう」

「わかりました。ご主人様」



冒険者ギルドに入って2人で、カウンター前に立った。セレンさんがペンを落とした。


「大丈夫ですか?セレンさん。」

「クジョー君!そ、その女のひ、人は?」

「僕、朝起きると家事が苦手で、そういうの諸々任せられて、戦力になる人が欲しかったんですけど、雇うには高すぎる気がして...。だから奴隷の彼女を買ったんです。」

(そんな理由で奴隷を?言ってくれれば、私が毎日料理を作ってあげて、冒険者ギルドなんてやめて、一生貴方についていくのに。ああああ私何言っちゃってるんだろう。ううぅ)


「彼女、ミュラとパーティー作れますか?」

「は、はぃ。こ、こちらで、登録しておきます。お二人とも冒険者カードを、冒険者ランクDのクジョーユーキさんと冒険者ランクCのミュラさんですね。」

え?俺負けてんの?お恥ずかしい。


「登録完了です。最後にパーティーのお名前は?」

「どうしようか?」

「ご主人様がお決めになればいいかと。」

「うーん。キャベツ団とか?」

「流石にそれは...私の考えたのでよければですが、ご主人様が黒い目をしてるので、ブラックアイなんてどうですか?いや、私も大概のネーミングセンスですね。」

「じゃ、それで。」

「ブラックアイですね。分かりました。」

こういう重要そうな名前を決めるときは、こういう終わってる名前出すと、他の誰かがまともな名前を出してくれるよ。覚えておこうね。

「本当によかったんですか?」

「いいよ。別に。キャベツ団なんて嫌だろ?」

「そうですが...私なんかが。」

「そう卑屈にならなくてもいいよ。気にしない気にしない。名前決めてくれて、俺は感謝してるよ?席についてなんか食べよ。ほら。」


(せんぱーい失恋ですか?まあ忘れましょうよ。あんな男。)

(失恋じゃない。まだ、そういう目的で買った奴隷じゃないかもしれないし。)

(今は、そうかもしれませんけど。いずれそうなるんです。一つ屋根の下で若い男女が暮らすんですから。下半身に脳がある男が耐えられるわけないですよ先輩。)

(そういう現実をつきつけること言わないでよ。ん〜。まあでも最初から若い子には勝てないってわかってたから。ほらでも、相手は奴隷なんでしょ?クジョー君だって正妻が欲しいはずよ!)

(正妻って先輩、妻になるつもりなんですか?あは〜先輩顔真っ赤にしちゃって可愛い〜。でもまあ、そう簡単に諦められませんよね。先輩がどうしても、泣きたい時が来たら、胸ぐらい貸しますよ。)

(ありがとう。でも、貴方から借りるのは悪いわ。逆に貸してあげる。)

(なー!今私の先輩より少しばかり慎ましやかな胸を見て言いましたねー。ふん、先輩が振られたら一生笑いものにしてやりますぅ。)


「たべたね。うんギルドのご飯がこんなに美味しいなんて、初めて食べたんだけど、これは失敗したな。」

「ありがとうございます。ご主人様。この後の予定の程は?」

「家に帰るだけだよ。暗くなっちゃったしね。いこっか。」


「着いたね。ここだよ、俺の家。」

ガチャ

「鍵はどうされたんですか?」

「ああ、鍵かけてないんだ。だって家の中ベットしかないし。ええーとこれが鍵。ミュラが持ってくれない?鍵かけ忘れたりとかたまにあるし。」

「は、はい。分かりました。」

(この人は大丈夫なんだろうか?鍵をかけ忘れる?)

「一番奥の部屋が俺の部屋だから、他はどの部屋使ってもいいよ。屋敷は光の魔道具すらないけど、入っちゃいけない部屋はないから、自分で屋敷のことは把握してね。強いて言うなら地下は不気味だから入らない方がいいよ。はい光の魔道具。」

「あ、どうもありがとうございます。」

「俺は部屋にいるから、なにかあったら来てね。明日は買い物をするし、無理して朝起きなくてもいいよ。」

よし、相手を気遣うフリをして、明日は早く起きませんアピール成功。


―――――――――――――


ミュラ視点

ご主人様が、部屋に入っていった。靴脱ぐんですか!?そこらへんの説明が圧倒的に足りてませんよご主人様。前途多難だなあと1日目で思う。

覚悟はできています。今日、私はご主人様に初めてを捧げます。全力であの人に気に入ってもらうんです。彼女のために。


ものすごく扇情的な下着も奴隷館から支給されていますし。あの〜私これ着るんですかね?もはや下着の意味をなしてないじゃないですか。男性はこういうのがお好きなんですか?女には一生わかりませんね。


汚いままではいけないので湯浴みをしないと。


屋敷中を探したのですが、水を溜めているところも、薪もありません。ご主人様はどうやって生活しているのでしょうか?湯浴みの場所にそろっているのですしょうか?


湯浴みの場所はここだと思うんですけど、これは、大きな釜?いやお風呂ですね。ご主人様はもしかして上級貴族?ただどうやって沸かすんでしょう。この浴槽には金属でできた、穴が二つ、側面と底にあるだけで他私も知らない材質ですし?魔道具でしょうか?それはもう革命では?

あと隣のこの台とレバーのついた金属の管とみたいなやつなんでしょうか?管の先は小さな穴がたくさん空いた何かですね。レバーを捻ってみますか。

「冷たいっ!」

ああ服がびしょびしょに。寒い。でも仕方ないので、今日は水で体を洗いましょう。それでこの服は着れないので、あの下着で、ご主人様の部屋まで行くんです。服を着ていて、脱いだら、あの下着を着ているというのが、男にはウケると教えられましたが。仕方ありません。

「さ、寒い。」

もっと暖かければよかったんですが。

さあ覚悟を決めなさいミュラ。ご主人様の部屋の前です。はあ少し怖いですね。男性は、乱暴だと聞きましたから。

トントン

「はーい。どうぞぉ。」

―――――――――――――


布団にくるまってる俺。風呂はどうしたかって?いや服は着替えたし、風呂は寝る前にするって決めてるんだ。風呂じゃなくて、シャワーみたいなもんやけど。電気使えないから風呂が張れん。

トントン

「はーい。どうぞぉ。」

ミュラか。ミュラじゃなかったらどうしよう?ミュラだよな?

ミュラが入ってくる。

「え?」

俺はベットから降りる。


そ、そんなか、格好で入ってくるなんて、な、なんで?

いやそこまで鈍くない。そういう行為をしに来たのだ。そういえばそこの話はあんまりしてなかった。奴隷館にそうやるように教えられたんだろうな。ミュラは若いんだからもっと自分を大切にして欲しい。


「ミュラ、俺はそういう行為は恋愛の中であるべきだと思ってる。お互いに愛を囁きながらの方が幸せに決まってる。今日初めて喋った女の子に、欲望のまま迫ったりしないよ。」

びっくりしたみたいな顔をする。なるほど確かに、そういう心理面の話をされても納得しないよな。それっぽい理由があればいいのか。

「今子供ができたら、お金的にやばい。」

少しガッカリされた気がする。今日は休んでもらおう。ん?

「ミュラ、なんか震えてないか?」

「ご主人様と、夜を共にしよう思ったのですが、湯浴みをしないと汚いだろうと、湯浴みをしようと思ったのです。なのですが、薪が見つからなくて、水で体を洗うしかなくて...」

(手のかかる奴隷だと思われたかもしれない。ああどうしよう。)

ああああ!失念していた。俺はいつもめんどくさくて、湯を召喚している。寝る前に入るために。そうだミュラだって湯浴みをする。倫理を持って接するから奴隷を持っていいって自分を騙したはずなのに。最低限の思いやりが欠如していたなんて。俺はサイテーだ。

「すみませんでした!」

土下座をした。額を床に擦り付けた。

「あ、あの、ご主人様!?」

(え?え?なに?なにがどうして?)

ミュラがオロオロする。

いやこんなことをしてる場合じゃない。

「ミュラ、俺のベットまだ温かいと思うから、申し訳ないけどそこで温まってくれ。」

「あの、ご主人様私大丈夫ですよ?」

「大丈夫なわけないよ。」

早く温まってもらわないと。しょうがないか。奴隷紋を触る。

「俺のベットで温まってくれ。」

「あ、あの。は、はい。」

ガサッ


「そこで温まってくれ。ミュラ服は?」

「レバーを引くと、いきなり水が出て、濡れてしまいました。」

ああ!もう。説明不足にも程があるだろ俺。

あったかそうなパジャマとミュラの下着を背中で隠して召喚する。

「私そびれてたんだけど、これ着て温まって。」

「可愛い服ですね。ありがとうございます。下着まで?」

(どっから現れた?)

「うん、俺外出て温かい飲み物でも作ってくるよ。」

「お供します。」

「いいよ。服着替えて、温まってて。」


―――――――――――――


ミュラ視点

ご主人様が出て行った。服を貰ってしまった。私が水で、体を洗ったと言った時、ご主人様、顔の血の気がひいて、しまった!って顔になったなあ。私がみたことのない、ものすごく真剣な反省の顔だった。


私は奴隷の身でありながら、1人の女の子のように、大切に扱われてしまった。もう二度と君を傷つけてなるものかと、一歩一歩踏みしめて確かめながら、言葉を繊細に紡いで貰った。


最初は好青年だと思っていた。


それから、会って2人きりなった時は、無邪気な子供みたいに、ふざけたこと言ったり、説明不足で抜けてたり、何というか、これから支えてあげなきゃいけない人なんだなあ。と思った。


そして、さっき私のことを心配して、土下座までしたあの人。1人の人して、生活を共にする人として、大切に扱って貰った。そこに無邪気な子供もふざけたことを言いそうな気配も微塵も感じることは出来なかった。本当に、そんな顔を見せるなんて、ずるい。


私は頬が熱を帯びて、心臓の脈動が速く大きくなるのを感じた。


「え?下着ぴったりなんですが!?」


―――――――――――――


トントン

「はい。」

ガチャ

「ほんとごめん。これでも飲んで。今日はここで寝て。おやすみ。ほんとごめん。」

ガチャ

「あ、あのご主人様...」

行ってしまった。落ち込んでたな。明日からどうしよう。

ふーふー。スゥー。

「これ、甘い。牛の乳はわかるんだけど、茶色いのはなんだろう?牛の乳なんて高級なもの頂いちゃった。ふふ。」

ご主人様にも言われたし、今日のところは寝て、明日ゆっくり話そう。

補足

主人公はセレンの恋心には気づいていません。なぜかというと、主人公は人を楽しませるのが得意だという自負があります。それだけで、ドロドロの高校生活を生き抜いてきたそうなので。その高校生活に問題があります。彼の高校生活は、強者を楽しませる代わりに、立場を保障してもらえるという利害のみの関係で、成り立っていたと彼は考えています。なので、彼が相手を楽しませて、生まれた関係は真の関係ではないと彼は思っています。ほんとはセレンは一目惚れに近く、いつも会ったら、必ず世間話をしてくれて、楽しい会話になるよう心がけてくれてる主人公の人柄に惚れているのだと気づいていません。ただ、彼自身いつもギルドでセレンに会う前に、必ずなにを話そうか考えていたり、ミュラについて聞かれてもないことを答えて勘違いされないようにしたり、知らないうちに惹かれていることに気づいていません。

7話で3人とフラグを立てた主人公。超展開ですね。

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