もくひょう?
「先輩!あの人おかしいですよ。絶対!いくらなんでも早すぎますし、めっちゃ嘘くさい。先輩あの人はやめた方がいいです。」
「確かに、私もさっきの感じが彼の素じゃないって思った。だけど彼のことが知りたい。もっと会話をして、仲を深めて、素を見てみたいって思う。なんだか私じゃないみたい。」
「何を言っても無駄みたいですね。でもあの人が悪いやつで先輩を傷つけるかもしれないって思ったら、全力で止めますから。」
「ふふ、ありがとう。」
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2日目納品の儀であります。採取依頼を完了しているんですがね。なんと今母国ですらない国の説明をしています。
「アメリカガッシューコクはすごく大きい国でしたね。」
「そうなんですね。貴方みたいな黒髪の人が多い国なんですか?」
「比率的にはそう多くはないと思いますよ。」
「ここから遠いんですか?」
「ものすごく遠いですね。」
「私たちの国とどっちが豊かですか?豊かさには自信があります!」
「正直に言うとアメリカガッシューコクの方が豊かだと思います。」
アメリカに豊かさでは勝てん。
「そうですか...。自身あったんですけどね。」
「セレンさんはこの国が好きなんですね。」
「もちろん生まれ育った国ですから。」
「僕もこの国好きですよ。活気があって。」
「どこもかしこもそうではないですが、この街は王都に並ぶと言っても過言ではないですからね。」
「面白いですね。セレンさんは。今日のところは帰ります。お話ありがとうございます。」
「はい!また来てください。」
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4日目ランクがEに上がった。それで、ふと思ったことがある。家が欲しい。というか、でかい屋敷なのに、幽霊が出るとかなんとかで、底値切って安くなってる定番の屋敷欲しい。そんなの都合よくあるわけがないか。いやまあそれは冗談としても、家買うのにどれくらいお金が必要か知りたい。今日のセレンさんとの雑談はそれで行くか。
「E級おめでとうございます。討伐依頼が受けられるようになりますよ。」
「明日は受けてみようかな。あ、そうだ。少し気が早いとは思うんですが、将来的にここに家が欲しいんです。いい家ありませんかね?」
「私が知ってることなら教えられますよ。希望はありますか?」
「土地が広いとかですかね?」
「ここから北西にある屋敷とか目指してみてはどうですか?あの屋敷についてくる土地はかなり多いと思います。屋敷の地下には死体安置室まであるらしいですよ。」
「卑劣な人体実験をするつもりはないですよ。」
卑劣な人体実験する奴は安置なんてしないか。え?なんでセレンさんは普通に、そんなこと喋ってるの?この世界の文化なのだろうか?
「ですよね。クスッ死体安置室ってなんか怖いですよね。」
よかった普通だ。
「どれくらいのお金を貯めればいいんですかね?」
「あの屋敷の詳しい価格は知らないですが。白金貨一枚あれば足りると思いますよ。」
「目標が決まりました。ありがとうございます。」
「はい!頑張ってくださいね♪」
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Eになってからは、Dの討伐依頼を受けまくった。帰りが遅くなった日なんかはギルドに他に冒険者がいて俺が依頼報告したらその冒険たちが一斉にセレンさんをギョッとした目で見たり、アイテムボックス閣下の分解で綺麗に解体したボーンウルフを卸したら、毛皮に金貨一枚の値がついたり。気づいたらDに上がっていて、白金貨一枚にたどり着いていた。それから不動産屋行くのめんどくさくねってなって、いつも通りの生活やって、白金貨一枚より貯めたお金が金貨30枚オーバーした。まあいいさ。明日こそは不動産に行く。あの屋敷を買って、同居人ができたら、死体安置室でバ◯オハザードのドキドキゾンビガチャするんだ。夢がキモいな。明日で、宿暮らしじゃなくなるのかな?
ちょっと寂し...くはないな。うん、飯不味すぎ。技術面じゃないんだけどな。香辛料とかほぼ使ってないんだよ。現代人殺しやね。まあ、俺食には拘らないから、それでもいいけど。荷物まとめるか。
冒険者達「セレンちゃんが雑談!?」