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こんな青春でいいわけがない  作者: エルキングダム
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恋する乙女は最強なのかもしれない②

 「まずは、村上君が本当に自由時間を他の女子と回るのかどうか、というのを知りたいわね。」「確かに。内田の思い違いの可能性だってあるわけだしな。」「うーん。他の女子と回るのかどうかは別として、なんかクリーンシップの話を避けているのは本当なんだよね~。」こうして、図書館で三人で作戦会議をしているのが違和感でしかない。「とりあえず、まずはそこから探りを入れてみましょう。頼んだわ。三ツ島君。」「俺ですか?自慢じゃないけど、俺人に話しかけるとかしたことないぞ。」「これも、あなたの会話練習、ひいては社会勉強も兼ねているの。これもボランティア部としての活動の一環よ。頼んだわ。」「三ツ島からなら、陸人も意外と色々話してくれるかも!陸人には今日の部活終わりちょっと待っててって連絡してあるから。お願い!」まあ、周りからの俺の評価なんて悪いどころか何も無いから、これ以上評価が落ちるなんて心配もないし、少し嫌われてもこの先も関わらないといけないわけではないから別にいいか。「じゃあ、それとなくいろいろ聞いてくる。でも期待はしないでくれ。」「ええ、言われなくても期待しないで待っているわ。」「三ツ島ありがとう!」「じゃあ、行ってくる。」そう言うと俺は席を立ち第二グラウンドに足を運んだ。

 うちの学校のサッカー部は強豪校らしく、グラウンドが全面人工芝で出来ている。練習が終わったからか、ちらほらとサッカー部員の帰る姿が見えた。「三ツ島、いきなりどうした?」人と話す上で、しかも相手から情報を知りたい場合、様々な技術が必要であるだろう。内田の話が本当だとすれば、クリーンシップの話題を避けている。村上自身が話したくない内容なわけだ。尚更聞き出すことは困難である。そして、俺には情報を抜き出すための技術なんてものは無い。だからこそ、俺にしかできないやり方がある。「村上、内田から連絡があったってことは勘づいているんじゃないか?」「やはりか。三ツ島が言ったのか?」「ああ、さっき放課後に図書館にいたら内田が俺のところに来た。村上に最近そっけない態度を取られている、あの昼休みに何かあったのかと聞いてきた。」「真弓、そんなこと。」「だから、この間図書館で女子生徒から呼び出されて何やら大事そうな話をしていたぞって教えておいてやった。」「なんでそんなことを言った。言わないでおいてくれって言ったよな。」「あいにく、俺には秘密にしておく義理もないし、せっかくの女子と話せる機会だった。それとも、そんなに言ってほしくない理由でもあったのか。」「そんなことは何もない。あの子は何も関係ない。」「そうか。だったら隠す理由が見当たらないな。実はな、俺は今天美と一緒にボランティア部として活動している。要は人助けをする部活だ。」「桃音が、。それで?」「記念すべきボランティア部の依頼者の第一号が内田だ。村上にどうして避けられているのかが知りたいという依頼でな。」「なるほどな。」「村上、これ以上俺たちに詮索されたくなかったらお前も依頼を出すといい。」「どういうことだ。」「俺は別に好き好んでお前の聞かれたくないことを聞いているわけじゃないんだ。ぶっちゃけ今こうして話しているのさえめんどくさい。だったら、俺に依頼を出すといい。内田を俺から遠ざけてくれとな。」「な、そんなこと、、でき」「できるわけないか?どうしてだ。お前が今まで内田にしていたことだ。要は聞かれるとめんどくさいことになるから逃げていたんだよな。内田のこと避けていたんだよな。だったら俺に依頼を出してしまえばいい。内田を遠ざけてほしいと。期間はクリーンシップが終わるまででいいか?」「俺はそんな依頼は出すことができない。俺は今のこのグループが居心地がいい。それを壊したくない。だから余計なことはしないでくれ。」「そうか、分かった。また来る。」「何回来られても俺は何も話さないよ。」俺は話し終えると図書館に戻るため、歩き始めた。一つ分かったことがある。あの図書館の女子は本当にクリーンシップに関係が無い。あの女子の話題が出ても特になんの動揺もしていなかった。それなのに、内田にはあの事を黙っていて欲しかった。今のグループの関係性を保ちたいか。

「お帰りさない。何かわかったことは?」「図書館に一緒にいた子は特に関係がなさそうだってことぐらいだな。」「そう。他には?」「あとは、今のグループの居心地がいいとも言ってたな。」「陸人そんなこと言ってたんだ、、」「まあ、とにかく他の女の子と回る様子もなさそうだ。今のグループの居心地がいいってことなら自由時間も何か特別なことが無い限り、今のグループで回るつもりだろう。」「そっか~。二人きりにはなれないにしろ、陸人とは一緒にいられそうなのか!」「そのようね。内田さんの依頼は村上君と一緒に自由時間を過ごしたいとのことだったけれど、この後は何か手伝うことはあるかしら?」「うーん。欲を言えば二人きりで過ごしたいけど、陸人が今のグループの居心地がいいって言ってくれて、その関係性を壊したくないって言ってる以上二人きりにはなれなさそうだもんね。あとは自分で頑張ってみるし、あいちゃんにも協力してもらえるように頼んでみる!」「あいちゃん、、?」「三ツ島同じクラスなのにまだ覚えてないの?上田愛だよ~。いつも一緒にいる子!」「あー、あの子そんな名前だったのか。」「三ツ島も早くクラスメイトの名前覚えなよ~。」「はいはい。」「じゃあ、今日はありがとう!」「ええ、クリーンシップまでまだ一週間ぐらいあるから、頑張ってね。」「またね!」「さようなら。」「おつかれー。」内田は何かすっきりしたのか、図書館に入ってきた時とは全く違う表情で図書館から出ていった。「今の関係性を保ちたい、ね。」「なにか?またひとり言?」「いや、なんでもない。」「私たちもそろそろ帰りましょうか。」「そだな。」そう言うと俺と天美は図書館を後にした。

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