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こんな青春でいいわけがない  作者: エルキングダム
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大人は身勝手なのかもしれない

昼休みを終え図書館から教室に戻り席に着くと、間もなくして村上も席に着いた。村上が席に着くなり、村上の側近の女子がすぐに村上に声をかけていた。「陸人おそーい!なにしてたの?」「ごめんごめん。少し先生に用があってね。」俺は、あまりにも村上が自然に嘘をつくものだから、驚いて顔を上げると、村上と目が合ってしまった。まずいまずい。いつもの防御態勢に入らなくては。顔を机に伏せると教室に先生が入ってきた。「じゃあ今日は小テストから始めるぞー。」クラスメイト達が先生にブーイングを浴びせる中、村上はこっそり俺に「図書館でのことは、真弓には黙っておいてくれ。」というとすぐ前を向いた。また、鋭い視線を感じる気がした。側近がこちらをにらんでいる、気がする。そっか。あの側近は真弓と言うのか。

 午後の授業を終え、今日は委員会が無いため帰り支度をしていると、担任から声をかけられた。「おい、三ツ島。篠崎先生が呼んでいたぞ。職員室によってから帰るように。」篠崎先生とは、図書委員の先生であり、図書委員を二人体制にした張本人である。俺は嫌な顔をすると、すかさず「必ず行くように。」と担任から念を押された。まあ、帰ってからやることも無いからいいか、と思いつつ何やら嫌な予感がすると思いながら職員室につくと天美が職員室前に立っていた。「やっと来たわね。」「なんでお前がいるんだ?」「あら、聞いていないの?図書委員のことで篠崎先生からお話があるのよ。」「そっか。なら他の図書委員の人たちはもう職員室の中か?」「私たちだけよ。」「なんで俺たちだけなんだ?」俺の問いかけに答えることは無く天美は職員室に入っていった。俺も天美の後についていくと篠崎先生の姿が見えた。「お前たち。わざわざ呼び出してすまなかったな!」そういうと篠崎先生は立ち上がり、俺たちを職員室の中にある応接室に呼び出した。「どうぞ、座ってくれ。」と言われたため、二人で失礼しますと言い腰を掛けると「今日は大事な話があってな。まあ、なんだ。簡単に言うと図書委員がお前たち二人だけになった。」どういうことだ。「すいません。先生のおっしゃっている意味が理解できないのですけれど。」「天美、私は簡潔に伝えたつもりだったんだがな。お前たち二人以外図書委員をやめた。」「え、委員会にやめるとかあるんですか?辞められるなら俺もやめよっかなー、なんて。」天美が俺をにらんでいるのが分かった。なんか、最近女の子ににらまれることが多い気がする。あんまりにらみつけられると俺の防御力下がるからやめてほしいな。天美が咳ばらいをすると「私たちの二人だけになったということは、私たちの担当以外の曜日は図書館を開放しないということですか?」「いや、そういうわけにもいかなくてだな。図書委員がみんな仕事しないから、私が怒りに身を任せて、お前ら二人以外の図書委員をクビにして他の委員会に移籍させたから、図書委員に人材が不足して、図書委員が開けられなくなりました、なんて上に絶対に言えない。」おお、大人っていうのはなんて身勝手なんだろう。「そこでだ、天美。お前部活やってみないか?」「部活ですか?私は部活に入る気はありませんよ。」「まあまあ、そう言わず。特に大したことをする部活ではない。要は部活動という名目で図書館にいてくれればいい。」そうか、この人は自分で委員会から人を追い出したが、さすがに毎日俺たちに仕事を押し付けることもできず、だったら部活動という形にして、社会的体裁を守っているのか。大人っていうのはなんて身勝手なんだろう。「えっと、一ついいですか?」「どうした三ツ島?」「この学校は委員会に必ず入らなくてはならないですよね?これを部活動にしたら、俺らの委員会は何になるんですか?」「その辺は適当な理由つけておくから、全然大丈夫だ!部活動は平日放課後、部活動内容は図書委員の時と同じことをしてくれたらいい。どうか頼む!」なかなか大人から頭を下げられる経験なんてない俺は、一瞬戸惑い、まあ、部活動とは言いつつも今までと同じことをすれば良いわけだから、引き受けてあげることも無いか、とも思ったが、いや、毎日放課後こいつといなくてはならないのかと思い直し、断ろうとすると、「いいですよ。それぐらいなら引き受けます。ただし、毎月部費で私が読みたい本を購入して良いという条件付きです。」と天美が言った。「本当か!本ぐらいなら全然かまわない!ありがとう!じゃあ二人とも明日からよろしくな!」「あの、すいません。僕まだやるって言ってな、、」「三ツ島は強制だ。」あれれ、俺はもう決まっていたのか。だから先生はずっと天美に向かって話をしていたのか。大人っていうのはなんて身勝手なんだろう。

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