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こんな青春でいいわけがない  作者: エルキングダム
10/23

仲間が増えるとイベントが多くなるのかもしれない①

ピコピコ。俺のiPhoneから聞きなれない通知音がする。俺のLINEは家族のみが友達登録されているのみであった。しかし今日一日で「3人」増えたのだ。まず今日のクリーンシップでバスが隣になった下田さん。そして、今日の部活終わりのときになぜか天美と内田もLINEを交換しようと言ってきたのだった。しかもLINEを交換しようと言ってきた天美がなぜか恥ずかしそうに俺にiPhoneを差し出してきた。LINE交換なんてぼっちの俺からしてみればお正月・クリスマスに次ぐビックイベントであるが、天美ほどになると日常茶飯事であるはずなんだが、、。それで今通知がきているのは天美から「ボランティア部」というLINEのグループに招待されたからだ。LINEのグループになんて招待されたのは初めてだったため参加するをタップできずにいたが、覚悟を決めて俺は参加するを押すことにした。すると、グループに参加して間もなく内田から「みっつ参加するの遅い笑」と連絡が来ていた。天美も「どうせ、グループに招待されたことが無い三ツ島君のことだから参加するのを躊躇していたんでしょう。」と返信をし、俺はなんでこいつ分かったんだと思いながらも、「悪い、携帯見てなかった。」と返信しておいた。天美は「部活のことで何か連絡事項があったらここに連絡するように」とのことであった。俺はベッドの上に寝転がり、高校入学してから天美と出会い、勝手に部活に入部されられ、知らないやつと二人きりで観覧車に乗り、女子三人のLINEを手に入れたことを思い返していた。なんだか、思い描いていた高校生活ではないにしろ、今までとは違う学校生活になったことを実感していた。

 俺は朝、少し早い電車に乗って登校している。なぜかというと、人混みがあまり得意ではないし友達同士で登校している様子を見るとそれだけでなんだか朝から体力を吸い取られるような気がするからだ。家で軽く朝ご飯を済ませ、学校最寄りのコンビニでその日の飲み物を買う。そしてまだ数人しかいない教室に入りイヤホンをして読書をする。それが俺の朝のルーティンだった。それから少し経つと教室がだんだんとにぎやかになり、にぎやかになると読書に集中できなくなるため携帯をいじる。だが今日の朝はいつもの朝とは違うことがあった。いつも通りにぎやかになってきたなと思い携帯をいじろうとすると俺の耳からイヤホンが離れた。どうやら誰かにとられたらしい。前を見るとチェックの制服が見えた。恐る恐る顔を上げると内田が立っていた。「もー、さっきから何回も挨拶してるのに無視する!おはよ!」俺は挨拶をされているのが本当に俺なのか確認するために後ろを向いたが人はいない。どうやら俺に挨拶をしているらしい。

「いやいや、どう考えてもみっつに挨拶してるでしょ!」

「悪い。小学生の頃のトラウマがよみがえってきた。隣の女子が挨拶をしてくれたと思って挨拶を返したら実際に挨拶をしていた相手は俺じゃなくて俺の奥の子にしていたことがあってな。それから俺は挨拶をされたらまず周囲を確認することにしてるんだ。」

おっと、内田の顔がなんだか慰めの表情になっている。挨拶しただけでこんな黒歴史が暴露されたんだもんだ。そりゃそうだ。

「みっつ、大変だったんだね。これからは毎日私が挨拶しに来るからね?」

「俺は毎日イヤホンを付けてるし、挨拶をされていると気づいてもまずは周囲の確認から入る。もうあんな思いはしたくないからな。それでもいいならどうぞ。」

なぜか内田は「私の仕事が増えちゃったな~」と嬉しそうにしている。仕事が増えて嬉しいなんて、さすがボランティア部だ。

「あと、俺のことみっつって呼ぶな。恥ずかしいだろ。」

「えー。なんて呼ぶのかなんて呼ぶ方の勝手でしょ?みっつ気に入ってるからいいの!」

これは俺が何と言おうとみっつと呼ばれると思い俺は好きにしろと言ってまた携帯をいじり始めた。内田はまた部活でね!と言いながら村上グループに入っていった。あれから気まずくならずに村上たちと仲良くしているのを見ると内田の努力が垣間見える気がした。そして目線を上げると今度は下田さんが「おはよ~。三ツ島君昨日はお疲れさま~」と声をかけてきた。これはさすがに三ツ島君って言ってるから俺のことだよな。

「おはよ。お疲れ様。」

「LINE交換したから三ツ島君から昨日連絡くるかなーって思ってたんだけどこなかったな~。女の子とLINE交換したら普通の男の子だったら連絡してくるものだよ~?」

「俺は普通の男の子じゃなくてスペシャルな男の子だからな。」

下田さんは「さすが三ツ島君」と言いながらくしゃっとした朝から強烈に甘い笑顔を向けてきた。

「三ツ島君にはお姉さんからLINEしないとだったね?」

「お姉さんって。同い年だろ。」

そういうと下田さんは今日の夜はお姉さんから連絡するね~と言いながら自分の席に向かっていった。えーと、あの笑顔は朝から心臓に悪いですね。ふと前の方から視線を感じたため目線を前の方に移すとなぜか内田がむっとした顔でこちらを見ていた。そういえば、入学したばかりだったころ内田に何度か鋭い視線を向けられていたことがあったな。今度あれ何だったか聞いてみようかな。でも直接悪口とか言われた日には立ち直れないからやっぱりやめとこう。

 朝から人と会話をしたことでなんだか疲れたのか、午前中の授業はぼーっとしていたら終わっていた。俺は購買でパンと紙パックのオレンジジュースを購入し図書館のいつものベランダに来ていた。季節は五月中旬。気持ちいい風が吹き抜けいていた。使われていない古びた椅子に腰を掛けオレンジジュースを飲もうとすると頭上から「やっぱりいた。」と声が聞こえてきた。上を見ると天美が「こんにちわ。」と言いながら俺の横の椅子に腰を掛けた。

「うっす。なんでここにいるんだ?」

「あなたがまた一人で寂しそうにご飯を食べているのかと思ってきてあげたの。私優しいから。」

「そりゃどーも。お前も購買でパンとか買うんだな。」

「私だってパンぐらい食べるわよ?」

「いや、なんかお前ちゃんと弁当作ってそうなイメージだったから。ちょっと意外だった。」

天美は少しだけ怒ったような表情をして、ぽつりとあなたと同じものを食べてみたかっただけとつぶやいた。俺はよく聞き取れなかったため、聞き返したが何でもないとはぐらかされてしまった。天美は携帯を取るとなぜか外の写真を撮り始めた。

「なんで写真?」

「女子は思い出になりそうなもの、いえ、思い出にしたいものを写真に収めるものよ。」

「へー、よくわからん。」

「あなたにもこの写真送ってあげる。」

そういうと天美は俺とのトーク画面を開き写真を送信した。その時一瞬天美の俺とのトーク画面にまた図書館にいるの?というまだ送信されていない文が打たれているのが見えた。どういうことだ。俺を探していたのか、、?

「では私は次の授業の準備があるから先に行くわ。また放課後。」

そういうと天美は図書館を去っていった。なんであいつ俺のこと探していたんだ。なんか用でもあったのか?こんなことを考えていたら午後の授業も早く過ぎあっという間に放課後になっていった。

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