討伐ミッション1
美女が1人、海岸で潮風にあたりながら、、
黒髪をはためかせる。
朝日が昇る。
その海流に流れて、それはくる。
『来たわね。』
アーミーはそれを拾いあげる。
『これは、、、』
朝日を背にしてキャンプへ戻ることにした。
『ほよよー、アーミーちゃん、海に行ってたのかな??』
『うん。あれが届いたわ。』
『リーダー、まさか、、、』
レンが緊張の面持ちで尋ねる。
『あれ?あれってなんだ?』
『がははは!リュウは、はじめてか?あ、いや記憶喪失なんだよな。』
ガータが肩を叩く。
『これよ。』
アーミーが手のひらを開く。
小瓶だ。
小瓶の中には、一枚の紙が入っている。
コルクを開ける。
『い、いったい、なんだというのだっ!?』
思わず顔を手で塞ぐ。
『ほよよー、今回はこれかあ。』
『・・・っ。』
『リュウ、ビビりすぎ。』
紙を開く。
ーケルベロスの肉を手に入れろ。ー
『け、ケルベロス?』
聞いたことのあるような名前だ。
『今回もまたあ、大変なミッションだな。』
ガータは上腕二頭筋に力を入れて筋肉を見せつける。
『ケルベロスは戦った経験はあるけど、、なかなか大変だったよ。』
レンが前髪をかきあげて、目を細める。
なんだか、いつもと少し雰囲気が違う。
『このパーティーでも難しいの?』
『うーん。いや、多分大丈夫だけど、、、』
レンがこちらを見てくる。
『リュウくんは、どのスキルが強いんだろうか?ここに流れ着くということは頭数的には5人で出向かないといけないはずだけど、、』
『確かに。リュウは何が得意なのかしら?』
『何がって、、、それは何の話だ??』
『ほよよー、その記憶も無くなってしまったのかな??』
『おい、リュウ。いくら設定とはいえ、いい加減スキルくらい明かしてくれてもいいんじゃないか?ミッションの成功にかかっているんだ。』
『え?何を言って・・・。』
4人の視線が痛い。まるで、、
記憶喪失のせいにするなと言わんばかりの。
しかし何の話をしているかもわからないのだ。
『明かさない・・・という事だな。まあ良い。4人で戦うからリュウには戦闘時は下がってもらおう。探索には協力してもらう。』
アーミーは毅然とした視線でこちらを見る。
『まあ、だとしたらとりあえず向かうか。』
レンも金髪の隙間からこちらを一瞥し、
通り過ぎていく。
ガータは視線すら寄越さない。
『リュウくん?早く行こう?』
プリュは首を傾げて、腕を引っ張る。
不穏な空気を感じながらミッション?に向かうのだった。