キミは誰?
『そう・・・。』
『そんなものが必要だとは知らなくてね、、
僕は現状だとキミの望む就職は難しい、、、』
『そう・・・・。』
『キミは結婚に際して、就職が必須だったよね??』
『そうね・・・。』
リュウは歯を噛む。目を伏し目がちに何かに耐えるように少し震えているように見える。
『この前のその、心ない一言は本当に、その、俺の失言だった。ごめん。』
『うん・・・。』
何を話しても、薄い反応。何を考えているかわからない。コミュニケーションを拒絶しているのであろうか。
自分が、少し苛立ちを感じているのがわかる。
『リュウはお店のために頑張っていて、それをただ遊んでいるだけだって俺は勘違いして・・・。』
『うん・・・。』
『だから、許して欲しい。ごめんなさい。』
『・・・。』
頭を下げながら、リュウの表情を一瞥する。
困ったような表情。
相変わらず何も言ってくれない。
そして。
『か、帰っていただけますか?』
『な・・・。』
『忙しいのです。ごめんなさい。』
『お、おれはっ!リュウとっ!!』
肩を掴む。
『いやっ!!やめて!そうやって男は!いつも暴力で!』
リュウは泣いている。自らの肩を抱きしめるように。胸元を隠すかのように。その赦しを乞うような表情とブラウスから見え隠れする胸元に俺は、欲情した。
『ほよお、リュウちゃーん!』
『・・・こんにちは。』
『何か今日は元気がなさそう・・・。』
『何かあったのか?』
アーミーが尋ねる。
『嫌なことがね、、まあ、よくあることなんだけどさ、、、』
『まさかっ!あのタマキってやつに報復されたかっ!?』
『・・・。』
リュウは泣いているように見えた。VRでそんなことがわかるかって?わかるさ。だって俺がさっきまであいつを泣かしていたんだからな。
俺は嘲笑いたくなる。これで、、ふふふ。
金髪をかき分けながら、つとめてこの険悪なムードを一緒に楽しむことにしよう。