愛する妹
『ふふふ、、、』
リュウちゃん。
あなたが私に対して嫌悪感を持っていることなんてわかっているのよ。ふふふ。
VR上でも頑張っているじゃない。なんとかしてあなたのパーティーに加わったわ。私だってことがわかった時のあなたの表情を想像すると。
『ふふ、濡れちゃうわね。』
ログアウトし、一服する。
『ははは!!あなたがね、何をしようと所詮私の支援が無ければ生きていけないのよ!その事実を突きつけられた時、あなたはそう。昔のように。』
私とリュウはそう、早くに両親を亡くしある男に引き取られた。
男はなんでも私らに買い与えてくれた。
『パパー!あのお人形さん買って!』
『ああいいよ、ケイ。リュウはどれが欲しい?』
『私はあれ。』
お父さんはお休みの度におもちゃを買ってくれた。おもちゃを買いに行った日は、必ず都心の高級ホテルに泊まった。
男は私らに見返りを求めた。幼い私達はそれがどういうことかわからないまま、指示通りに動いた。その指示は男が満足するまで続き、私達が眠りにつくのは朝日が登る少し前の時間まで続いた。
男には感謝している。だからこそ、今の私のシノギのベースになっている。リュウは嫌がっているみたいだ。
私は嫌がるリュウをいじめるのが好きだ。
男はいい反応をするリュウをとかくいじめ、虐げるのが好きなようで私はそれをそばで見ていた。
だから私は、自我を持った今のリュウを辱めるのが大好きだ。
アタシ無しでは結局あなたなんて生きていくのは無理。
それを何度も何度も植え付けた。
メイドカフェに金をドカンと落とすのもそれが目的だ。
げんに店長は私を太客として扱う。
誰も不幸にならない良いことをして、
リュウの身も心も組み伏せる。
次はVR上であなたを組み伏せる。
ピンポーン。
『誰かしら?宅急便か、何か?』
ドアを開ける。
『はい、、、ああ。ちょっと待っててください。』
ブン!
視界が揺れた。
目の前が赤くなる。
『え、、、?』
血だ。
なぜ、、、?
ゴルフクラブを振り上げる。
『な、な、んで??』
振り下ろされた。
頭蓋骨が割れ、ぐにゃりと頭から何か噴き出るのが見えたところで意識は途絶えた。