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私のお姉ちゃん

『今日は彼、来ないのね。』


『・・・・。』


『姉御も3連休だからなあ。少し寂しいよなあ。』


『店長、仕事してください。オムライスのオーダーが入っています。』


私に金魚のフンのようについてくる店長。

お客はたまにあることだからって無視している。

愛されているお店で何よりだ。

新規のお客も、この暗い過去を持つメイドカフェというミステリアスな雰囲気に惹かれながらも、

実はこの名物店長を観に来る客もいるのだ。


『姉御がいないのいやあーうえええん!』


泣きつく店長。宥める店員。写メの音があちらこちら。


SNSでお店のエゴサをすると



『店長のバブみが萌える。』

『店長、赤ちゃんプレー乙。』

『店長にはおしゃぶりが必要。』


店長のことばかり出てくる。

こうなると、キッチンにメイドが立つという奇妙な構造が出来上がる。


『ふえええん!』


店が回らないのがたまに傷。

来店数は普段より増える。


なので、『店長赤ちゃんシフト』が発動する。


私がキッチン、バックヤード。それ以外が接客。

店長赤ちゃんグッズを店頭に出す。


前掛けをつけてあげたり、

おしゃぶりを加えさせたり、

ミルクをあげたり。


そんな感じ。



『みんなこういうプレーに飢えてるのかしら。』


メイドカフェが一気に変態感が増す店になるのだ。



店長が泣き疲れて、特注ベビーベッドで寝息を立てる頃、珍しい来客があった。



青みがかかったロングヘア。

服はゴスロリ。

日傘をたたみ、ウィンクしてくる。



『お姉ちゃん・・・。』


私の姉。瑠璃が、珍しく来店したのだ。




♦︎♦︎♦︎

『リュウちゃん、久しぶりね。元気かしら?』


『お姉ちゃんも元気そうね。』


『リュウちゃん、このお店は禁煙?』


『ごめんね、禁煙なんだ。』


『まあ、いいわ。』


お姉ちゃんを席に通す。

『今、何をやってるの?』


『あら知ってるでしょう?』


『ああ、、2回目の大学生だっけ?』


『そうそう。退屈だけどね。』


綺麗に手入れをされた爪を見ながら、

お姉ちゃんは興味無さそうに返事する。


『リュウちゃんは立派に働いていて何よりよ。でも辛くなったらいつでもいらっしゃい。歓迎するわ。』


『あ、ありがとう。』


じとっと見てくるお姉ちゃん。悪い人じゃないが

苦手だ。


お姉ちゃんは、パパ活やギャラ飲みといったもので生計を立てていて、普段はこんなゴスロリではない。


『ああ、久々にリュウちゃんのあれ聞きたいわっ!オムライス作ってちょうだい!』


『は、はい。』


お姉ちゃんは苦手だ。しかし、今はお客様だ。何よりこのメイドカフェにきた時の散財ぶりはすごい。1ヶ月の売上分をお店に落としてくれるからだ。


こんなに私はお姉ちゃんに、未だに愛されている。




キモチワルイ。

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