素潜りの心得!ペンギンで女の子を悶させよ!
『いいですか、モリというのはゴムをこう引っ張って掴み、そしたらピタっと、バチンとぶっさすんです。そうすると、奴らはよがり狂い、逝きますから。』
『アーミーさん、ちょっともう少し対象年齢を考えてしゃべってください。』
『なんですか?移住者さん。私はあなたにモリを使った魚の捕まえ方を教えてるだけですよ・・・。えっち。』
黒髪の美女が目を細めながら罵ってくる。
口元がニヤけているから確信犯なのは間違いないが、まあ悪くはない。
『あー、お2人さん、だからなろうの運営に怒られるからやめてくれよ。』
レンは金髪をサラサラさせながら、微笑み忠告してくる。
『なんだよ、なろうって。』
『はは、まあボケはここまでにしてさ。キミは魚を素潜りで捕まえたことはあるかい?』
『いや、、、』
『リーダーは得意なんだよ。後、素潜りは楽しいからぜひがっつりやってみるといいよ。』
シュノーケルをはいてみる。
前に歩こうとすると転んでしまう。
『そうやって女子の気を引こうなんて、移住ほやほやであざといですね。』
『ほよよー!移住者くん、ペンギンみたいよー!くあわいいっ!』
プリュはくるくる回りながら、目をキラキラさせている。
『いや、そんなつもりは・・・。』
『・・・軽蔑するっ!』
レンはなぜか、涙を流してどこかへ走り去っていった。
『・・・俺、なんかしたか?』
『がーはっはっは!移住者よ!罪深いなあ!』
ガータは今日も全身黒光りでしかも上裸で、ふんどしのようなものを巻いている。
『ところで、移住者よ!まだ、名前を聞いてなかったなあ!』
『・・・。』
『ふむ?どうした?』
『ないんだ。』
『何がだ?』
『記憶がない。何者なのか、何をしに来たのか、覚えていないんだ。』
場が静まりかえる。
なんか、空気を読まない発言だったか?
一同は顔を見合わせて文字通り爆笑し始める。
『移住者よ!お前さんの設定は面白いなあ!』
『えらく厨二病。乙。』
『そんな設定もくあわいいよお!ほよよー!』
『いや、、本当なんだよ、、、。』
『まあいいさ。仲良くなってからでいいよ。別に困りはしないさ。移住者よ。』
全く信じてくれない。
記憶がないんだぞ?
しかしこの人たちがどうもふざけているようには見えない。
何というか、会話が噛み合ってない感覚ーー
『いっつ!』
頭痛がする。
『ほよ?記憶が!頭があああ!ってやつかな?』
『そういう時期もあるのだと思う。まあ、ここはどんな人でも受け入れるから気にするな、移住者よ。』
淡々と話す、アーミー。
なんなんだろうか。
記憶が無いのに。しかしこの人たちは悪い人じゃ無い気がする。だから、記憶が無い事をこの人たちに八つ当たりをしても仕方ない事だ。
『とりあえず素潜りしよう。楽しいよ、移住者。』
アーミーに誘われるままー
『いたっ!』
シュノーケルは慣れない。
派手にコケた。