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殺害動機
『なんでやったんだ?』
刑事が私を問い詰める。
話をしてやってもいいが、この高圧的な刑事に
話すのはなんだかムカつく。
今時、デスクライトを顔面に近づけて
恫喝するなんて時代錯誤も甚だしい。
思わずため息をつく。
『なんだっ!貴様!ため息なんぞつきおって!』
『ため息くらいつかせてくださいよ。』
『な、なんだと貴様ああっ!』
下っ端の刑事なんだろう。もしくは仕事の
できない奴。
『まあまあ、〇〇君、キミは下がってなさい。』
出たベテラン刑事。
先程の怒鳴る刑事は退場させられる。
『お腹減ってないか?』
『腹は減ってないですが、そのタバコを貰えると嬉しいですね。』
タバコを渡されて、ライターをつける。
煙を燻らせる。
煙を見つめる。
『はあ、美味しい。』
『キミは穏やかそうだけど、なかなか猟奇的な犯行でしたね。そのくらいの激情にキミを駆り立てたのはいったい、なんだったんだろうね?』
『・・・。あなたならお話してもいいですかね。』
燻らせながら、焦点が定まらず話をぽつぽつ
話始めることにした。
私の殺意の原点を。