第三話 =悪夢のような(後編=)
「(誰か、誰か助けてよ!)だれかあーーー!」
ガチャ、、、玄関のドアノブが開く音がする・・・・。
「誰だー・・・?ああん?・・・・」
そう言った瞬間に「ただいまー!!」という声がした。弟の声だった・・・。
「(・・・・歩の声だ!)」
期待感を持ったが、弟にはこないで欲しい、、、。出来ることなら。
「おお、歩が・・・帰って・・きたか!これから・・殺る予定の!!」
いかれ狂った声でそう言う。
「な、何でこんな事するんだよ!!・・」
「そんなこと関係ないだろうが!!・・・・・それより自分の命を心配した方がいいんじゃない??お前も・・・俺がたっぷり楽しんだあとに・・・・・・」
次の瞬間、茶の間へと繋がる扉が「ガチャ!!」と音を立てて開いた・・。
「ただいまー!ママー、今日遊んでもいい?」
ついに、弟の歩が帰ってきてしまった・・・。弟は、異変に気づかないまま俺と母さん・・・・そして、父さんがいる場所へと引きずり込まれるように近づいてくる。
「クソッ!!お前!歩にまで何かしてみろ!!俺が、俺が、許さないからな!!」
弟の足音はどんどん近づいてくる。・・・そしてすぐ近くまで近づいてきた。
「ママー!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ま・・・・ま・・・?」
沈黙が数秒流れる・・・。歩の目に一気に涙があふれ出す。
「まま・・・・・まーーま!!!!・・・・・・シクッ・・・・・しくっ・・・・」
そして一気に涙が滝のように流れ出す。11歳の歩にも分かるのだろう・・。母さんがもう死んでいると言うことが・・・。
「はははっははっっはははっ!!!泣いてるぜ!!こいつよーう!!いい、いい!!いいショットだぜ!!ははははっっはははっはははっはは!!!」
笑い、笑い、笑い、続ける・・・。いつ止まるのか分からないぐらいにまで、わらい続ける・・。どんどんこみ上げてくる憎しみ。悲しみ。苦しみ。・・・そして戦慄。どうしていいか分からない・・・。このままだと、殺される。最初は脅し程度に聞こえていたが、だんだんと話をしていく内に、「こいつは、本気だ!」そんな感情が100%にまで達していた。
そんな時、一瞬いつも肌身離さず身につけている「ペンダント」が目に入った。
ー小学三年の時の夏ー
「おかあさーんっ!」
ケイが甲高い声でそう呼ぶと優しい顔をしたケイの母、美智世が振り返る。
「どうしたの?ケイちゃんっ。」
美智世がそう言うと、ケイはすぐさま応答する。
「ボクがいつも掛けてる、ペンダントがね!さっき赤く光ったんだよ!!ピカーン!てね」
何故か自慢げに子供なりの精一杯の説明を美智世が微笑みながら聞く。
「なにしてるときに、光ったの・・・・?」
「うーん・・・・。ゆうじ君とね喧嘩してるときにね、ピカーンって光ったの。」
美智世が考えているふりをして、「うーん・・」と促すがその後、話し出した。
「ケイ、今から聞くことは誰にも言っちゃ駄目よ。お父さんにも、歩にも、裕二君にもよ!・・・それを約束できるなら教えてあげてもいいわよ?わかった?」
美智世の声が真剣になるが、ケイは無邪気に言う。
「うん!いいよ!秘密だね!」
「よし!いい子ね、うーん何から説明しようかな。・・・・・・まずね、そのペンダントには、名前があるの。・・・・・・・・・・名前は、アビリティー。」
「あびりてぃー?何それ?」
かなり疑問系で聞くが、美智世は黙々と話していく。
「アビリティー・・・・それは、人間が持っている能力を最大限にまで引き出すことが出来る能力の一つ。その中でも、あなたは特別な存在なの。・・・・・ここまで、わかるよね?」
「うん!!だいたいわかるヨ!・・・・でも、特別な存在ってどういう事なの・・・?」
長い沈黙が流れた・・・・。美智世は何度も「どうしよっかなー?」と口ずさむ。
「ママ?・・・どうしたの?何かボク、変なこと言った?」
「ううん・・・なんでもない!で、特別な存在って言うのは・・・・・・・」
そこで記憶がとぎれてしまった・・・・・・。
「なーにボーッとしてやがる!!!ああん?・・・っむかっつく奴だな!!お前はよー!」
ドンッ!!そう言ったとたんに、ケイに一発殴りつけた・・・。歩は泣いている。
「アビリティー、人間が持っている能力を最大限にまで引き出すことが出来る能力の一つ・・・・。特別な存在・・・・・・・・・それは、・・・・・・それは。」
そこからが思い出せない・・・。何故だか思い出せない・・・・・・。そんな時、いきなりケイのペンダントが光り出す!!部屋が光に包まれるかのように・・・・。赤い光が燃えるように・・・・。
「はん??な、なんなんだよ!!この光はよ!!!てめえ!!何かしやがったな!クソが!」
父がおびえたような口調で出来る限り脅すように話すのが伝わった。
「光ってる・・・。前と同じだ!でも・・・・(わからない・・・。どうすればいいのかも!)」
光の強さがいきなり増し、とても甲高い声が聞こえてきた・・・。
「力を・・・力を解放するんだ!!この、炎の力を!!!」
とても小さくて、とても可愛げな動物のようなものが語りかけてきたのである・・・。
「う、うん!!・・・・でもどうしたらいいだ!?」
了解したものの、やり方さえ分からない・・・!「マニュアルぐらいくれ!!」と言わんばかり
である・・・・・・・・・・・。
「じゃあ、ケイ!!ボクの後に続いて!!いくよ!!=聖なる炎の力よ、ここに!!=」
少しため息をしながら小動物は言った!ケイも後に続く。
「=聖なる炎の力よ、ここに!!= いっけー!!!!!!!」
第三話 終・・・
ここまで、どうでしたか・・・?
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dairi-