~プロローグ的~
超能力とかいうタグ付けましたが、まだそういうの出てきません。ていうか、この話は主人公が打ちのめされて(物理)終わるだけなので別に読む必要ないです。
「ハァ、ハァ、ハァ」
走る。
ひたすらに走って、夜の森を抜ける。止まることはできない。止まったら、アイツに捕まる。
キャンプファイヤーの輪の中に、いつの間にかいたアイツに。
「はぁ、はぁ、はぁ、オエッ」
吐き気を必死にこらえて前に進む。アイツに捕まったらすべてが終わる。肉を引き裂かれ、ぐちゃぐちゃになりながら食いちぎられるかもしれない。そうなった人を見た。みんな、必死で逃げた。私も例外ではない。自分が生き残れば、他のみんなが死んでもいいと思った。今も思っている。友情だなんだと着飾っても、結局自分が一番かわいいのだ。
10分走った。いい加減限界だった。足は棒で、心臓は今にも破裂しそうなくらいだ。
「はぁ、はぁ…」
たまらず木陰に身を寄せた。悠長にしている時間はない。体力が回復したらすぐに出発しなければ。他人のことなど後回しで…
「_______!」
今の、声は。まぎれもなく、アイツのだ。アイツが、獲物を捕らえた時の声。ここからは、ある程度距離がある。
いかなくては。アイツが食事をしている間に移動すれば、町へ出れる。家に帰りたい。とにかく____。
…獣が遠吠えをするのは、味方に獲物の位置を教えるため。どこかで読んだそんな知識が、ぐるぐると走馬灯のように頭の中を駆け巡っていく。逆にいえば、獣が遠吠えをしているのならば、仲間がいても何らおかしくはないのだろう。現に、私の後ろからは獣のような息遣いと、舌なめずりの音がする。
ああ、死にた_
こうして、私は死んだ。




