第10話「魔獣の森決戦ー序章ー、サリシス絶体絶命! VSラアビブ&魔獣軍団」(4)
第10話の4を公開します。
巻き上げられんかった。。
そんな今回は嵐の前って感じになってます。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(11)
地面に叩き付けられる事を免れ、最小限の衝撃でフライチャウダーが胴体着陸した。
「っつぅ。。
みんな、大丈夫か?」
紗都美の声掛けに、
「大丈夫や。」
「だいじょうぶ、です。」
「大丈夫なの。」
「ダイジョウブダよ。」
全員が無事を知らせた。
「ほな、降りんで。」
言って、紗都美が最初に地上に飛び降り、莉紗絵が みぃみゅ の脇の下に手を入れて持ち上げ、下の紗都美に預けた後、軽やかに飛び降りた。
ポトフーは地上に降りた莉紗絵の肩に乗り、ポティロはふわふわ宙に浮いている。
全員が降りたのを確認した紗都美が、
「チャウダー、モードL!」
命令を発した。
ワォォォォォン!
一吠えし、女性態になったチャウダーに、
「状態は?」
紗都美が尋ねた。
「負荷で噴射口が損傷。
修復に入りますが、Fモードはしばらく使用出来ません。
他のモードへの影響はありません。」
レディチャウダーの報告に、
「しばらく飛べんのか。
仕様がないな、ほんならこの辺の調査しよか。」
紗都美の提案に、
「せやな。
けど、なんか嫌な雰囲気せえへんか?」
莉紗絵が返した。
「我もそう感じるわ。
あんま長居せん方が良さそうやな。」
そんな話をしていると、
「ねえさま、あのぉ、ですぅ。」
みぃみゅ がもじもじしながら話し掛けてきた。
「どしたん?」
莉紗絵の問い掛けに、
「おといれ、ですぅ。。」
みぃみゅ が切迫した表情で答えた。
緊張から解放された安堵感が切迫していた事を気付かせたようだ。
雰囲気から余裕がなさそうなのを察した莉紗絵が、
「大変や、急がんと。
何があるか分からへんから付いて行くわ。」
紗都美に声を掛けた。
「頼むわ。
我は梨深さんに連絡入れとく。」
「わかった。」
答えた莉紗絵が、みぃみゅ と一緒に草陰の奥に入って行った。
見送った紗都美はスマホを出して梨深に連絡しようとしたが、通信不可状態になっているのに気付き、
「チャウダー、広域走査!」
レディチャウダーに命令を発した。
「イエス、紗都美様。」
命令に従い近辺(半径10キロ、高さ20キロ程の円内)の走査を開始した。
程無く、
「報告します。
上空に20体の巨大生物が飛翔中。
その生物が発する電磁波で電波がかく乱されています。」
そこまで答えた後、
「緊急警報。
人型生命体が1体、巨大生命体が80体、こちらに接近中です。」
レディチャウダーが警告を発した。
「なんやて!?」
紗都美が驚きの声を上げた。
「巨大なのが80体?
そんなんが近付いてたら足音とかするはずや。
どないなってんねん?」
動揺し、困惑していると、多数の近付いてくる足音が聞こえてきた。
それ程大きくもなく、地響きもほとんど感じられない。
なので、まだ遠いのか?と思っていたが、
「距離、10メートルまで接近。」
レディチャウダーが再度、警告を発した。
「な!?」
その報告に最大級の危うさを感じ、
「チャウダー、姿消して莉紗絵のとこへ。
そんで、みぃみゅ つれて離脱。
梨深さんに救援要請。
みぃみゅ の守護を最優先。
後の判断は任せる。
その事伝えて即刻離脱。
急ぎ!」
早口でレディチャウダーに命令した。
「イエス、紗都美様。」
承諾し、レディチャウダーが姿を消した。
足音と地響きが徐々に強く感じられるようになり、複数の巨大魔獣が眼前に現れた。
そして、
「見つけたぞ、小娘!」
巨大魔獣の肩の上からラアビブの勝ち誇った声が轟いた。
(12)
空を飛翔し、監視している20体の有翼魔獣から敵が胴体着陸し、無傷のようだとの報告が入った。
その報告で慎重さが必要と感じたラアビブは、
「気付かれたくない。
お前ら、音出さないようにしろ!」
巨大魔獣に命令した。
その命令に従い、巨大魔獣がスピードを落とし、極力音を出さないよう慎重な動きになった。
「流石にこの数なら大丈夫だと思うが。。」
ラアビブは少し思案し、
「たしかランタル様が”特殊な連絡手段”を持っている、と言ってたな。
電磁波が有効だ、とも。
仲間を呼ばれると面倒だ。」
思案しながらひとり言ちると空の魔獣に、
『電磁波を放射しろ。』
脳波で命令した。
そのまま、ゆっくり進軍を続けた。
じわじわと引き落とされ場所に迫って行く。
目的地まで近付いた時、眼下に少女が1人居るが見えた。
こちらを見上げているのに気付き、
「見つけたぞ、小娘!」
居丈高に言葉を投げつけた。
「お前があの捜査官とやら、なのだな小娘。」
相手が脆弱な人間の子供と見て、強い口調で発するラアビブ。
その時、
「もう1人居るで。」
言いながら莉紗絵が草陰から姿を現した。
(13)
「おわった、です。」
みぃみゅ が用を足し終え、莉紗絵に声を掛けた。
そんな みぃみゅ に、
「しっ。」
と言って口に人差し指を当て、声を出さないように、と合図した。
それに気付き静かに莉紗絵に寄り添った。
「どうした、です?」
みぃみゅ が囁き声で尋ねた。
「何か、変や。」
莉紗絵が呟いた時、
ガサッ
と音がし、
「莉紗絵様。」
と呼び掛けられた。
びくっ
となり声に驚くも声を出さなかった みぃみゅ の頭を優しく撫で、
「大丈夫やで。」
と囁きかけ、声の主に、
「チャウダーか。
何があったんや?」
問い掛けた。
レディチャウダーが非視認状態を解除し、
「緊急事態です、莉紗絵様。」
莉紗絵に声を掛けた。
「ちゃうちゃんが、でてきた、です。
びっくり、です。」
驚きながらも小声で話す みぃみゅ に、
「チャウダーは見えないようになれんねん。
凄いやろ。」
説明すると、コクコクと みぃみゅ が頷いた。
みぃみゅ に笑顔を見せてからチャウダーに目線を向け、
「で、紗都美は何て?」
問い掛けた。
「現在、巨大魔獣、空20、陸80、指揮官1名が接近中です。
紗都美様から伝言は、
私が”みぃみゅ を連れて梨深様の所へ行き、救援要請をしろ”
と指示された事を伝えるように、です。」
レディチャウダーの言葉=紗都美の考えを聞き、
「かなりヤバい状況やな。
う~ん、、。
せや、ちょい待ってな。」
そう言って莉紗絵はスマホを取り出し操作すると、マイクに向かって話しかけた。
伝言を録音したスマホを みぃみゅ に、
「みぃみゅ、これを梨深って人に渡して、我からの伝言って言うんや。
頼んだで。」
手渡した。
「ひとりでいくのや、です。
ねえさまたちもいく、です。」
悲しそうな表情で訴えかける みぃみゅ に、
「この状況やと皆で逃げるんは無理や。
せやから助け呼んできて。
出来るんは みぃみゅ だけなんや。」
真剣な表情で莉紗絵が思いを伝えた。
自分の役目が重大だと認識した みぃみゅ が、
「わかった、です。
ねえさま、し、、。」
言い掛けた言葉を指を口に当てて遮り、
「それは言ったらあかんやつや。」
莉紗絵が笑顔で声を掛けた。
その時、
「見つけたぞ、小娘!」
居丈高な男の声が響き、多数の巨大魔獣の重圧が感じられた。
「来たんか。
みぃみゅ、チャウダー、行くんや。」
莉紗絵の言葉に、
「イエス、莉紗絵様。」
レディチャウダーが了承の返事をし、
「ねえさま、すぐもどる、です。
まってて、です。」
みぃみゅ が思いを伝えた。
レディチャウダーは みぃみゅ を抱き上げると、姿を消した。
「お前があの捜査官とやら、なのだな小娘。」
そんな声が聞こえてきた。
莉紗絵は草陰から出て行きながら、
「もう1人居るで。」
挑発するように声を掛け、紗都美の横に並び立った。
「なるほど、ラアビブ様の言われた通りだな。
お前らが、あの捜査官とやら、なんだな。
あの時の恨み、晴らさせてもらうぞ。」
ラアビブの恨みの籠った言葉に、
「なんや、あん時のおっさんか。」
「生きとったんか。」
「仕様がないな、」
「相手したるわ。」
挑発するような言葉を発した後、
『どないするん?』
『数減らしたいし、マックスで。』
『了解や。』
小声で相談し、腕輪を回して、それぞれ橙色と水色の宝石を手の甲側に向けた。
そして、
「「我らのガッツでいてこましたる!!」」
言いながら腕輪の嵌まった腕を突きだした。
腕輪の宝石が輝きを増し、
「「ハーツ、シンクロス!!」」
叫びながら宝石を打ち合わせる。
キン!
と澄んだ音が響き、橙色と水色の斑な球体が莉紗絵と紗都美を包み込んだ。
如何だったでしょうか?
大群と接触した2人はどうなるのか?
脱出組は間に合わせられるのか?
次回はとりあえず火曜更新予定にしておきます。
が、早められるよう頑張ります。
楽しみにして頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。




