第10話「魔獣の森決戦ー序章ー、サリシス絶体絶命! VSラアビブ&魔獣軍団」(3)
第10話の3を公開します。
かなり遅くなってしまい、申し訳ありません。
話の方はちょっと説明が多くなってる感じ。
でも、ちょこっと進んでもいる、はずです。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(7)
「島長、お世話になりました。」
「長居してもうて、すいません。」
2人の言葉に、
「こちらこソ。
お会い出来てよかっタ。
島の外はかなり危険な状態のようですナ。
道中お気を付けテ。」
島長が返した。
「名残惜しいですけど、これで。」
「今度は仲間みんなで遊びに来ます。」
「「ランタル倒して、必ず。」」
「楽しみにしておりまス。
結界は外へ出る時は反応しませン。
ご武運ヲ。」
「「おおきに。」」
島長との別れを済ませ外に出ると、
「マッテタよ。
アタシハズット、ココヲデテ、ソトノセカイヲミタイトオモッテタの。
シマオサニオネガイシタラ、フタリガイイッテイッテクレタラ、ッて。
ダカラオネガイ、ツイテイカセて。」
ポティロが頭を下げ、思いの籠もった声で問い掛けた。
「紗都美、どうする?」
「莉紗絵はどうしたいん?」
「ま、そうやろな。」
「やろな。」
2人は話を纏めると、
「ポティロは何が出来るんや?」
莉紗絵がポティロに尋ねた。
「アタシ?
アタシハ、ヨウセイダカラ、ゲンワクケイガツカエルよ。
アト、カイフクケイモトクイダよ。」
ポティロの回答に、
「これは中々の優良物件やないですか、紗都美さん。」
「そのようですな、莉紗絵さん。」
おどけ口調で言葉を交わし、
「ポティロの同行を許可します。」
莉紗絵が同行許可の声を掛け、
「ちょろちょろして迷子にならないように。」
紗都美が釘を刺した。
「ホクス、ミミナ、アリガトう。
メイワクカケナイヨウニスルよ、、タブん。」
「多分は余計や。」
「けど、よろしゅうな。」
2人が差し出した指を小さな手で握り、握手を交わした。
「ほんなら、出発しよか。
チャウダー、モードF!」
紗都美が指示を発すると、
「イエス、紗都美様。」
レディチャウダーが受諾の言葉を返し、
ワォーーーン!
吠えながら飛行形態に変形した。
「そこは、吠えるんや。」
「ま、ベースは犬やからな。」
「いぬのちゃうちゃんも、かわいかった、です。」
「もふもふ気持ピ良かったの。」
「ちょっと、残念、です。。」
悲しげに呟くチャウダー。
「ええぇ、犬型人気やん。。」
そして、ちょっと不満気味に零しながら、まず紗都美が乗り込んだ。
みぃみゅ を莉紗絵が腰あたりを掴んで持ち上げ、紗都美が引き上げる。
莉紗絵も乗り込み座ると、その膝の上に みぃみゅ を座らせた。
ポトフーとポティロが莉紗絵の肩に乗り、全員の搭乗を確認すると、紗都美がキャノピーを閉じた。
「それじゃ、行くで!」
言うや、フライチャウダーを発進させ、島を見渡すように1度大きく旋回してから結界を、抜けた。
久しぶりの世界は、雨天だった。
雨の時期には少し早いようだが小雨が降り、少し強めの風も吹いていた。
「ちょい荒れてんな。」
「やな。まぁ、これくらいやったら支障ないけど。」
2人が話していると、
「梨深様達の位置を確認しました。
”ストファム”に居られます。」
チャウダーからの報告が入った。
「ほんなら無事な事知らせとこか。」
連絡しようと莉紗絵がスマホを取り出そうとした時、
「莉紗絵、あれ!」
紗都美の焦り気味の声が響いた。
見ると外を指差していたので、莉紗絵も目を向けた。
「あそこって、あの時見たランタルの。」
「せや。あそこに居るんや。」
それは次元の狭間から抜け出した時に見たランタルの潜伏先だった。
「我らだけでどうにか出来るとは思えへん。
けど、調査はしといた方がええやろ。」
「せやな。
ほんならとりあえず梨深さんに無事な事と調査の事メールしとくわ。」
「頼むわ。」
莉紗絵はメールを送る準備をし、紗都美は眼下に広がる森の奥の洞窟に進路を向けた。
「ねえさま、どうされた、です?」
「何かあったの?」
「ドウシタの?」
2人の様子に何かを感じた みぃみゅ とポトフー、ポティロの問い掛けに、
「あいつが、”ランタル”があの森の奥に居るんや。」
紗都美が答えた。
「ソレッテ、コノセカイヲヘンニシタヤツダヨね?」
「ねえさまたちがさがしてる、わるいやつ、です。」
「そこに居るの?」
不安げな声に、
「ごめんな、不安にさせて。
ちょっと様子調べたら、、、。」
安心させようと紗都美が声を掛けていた時、突然フライチャウダーが制御出来なくなった。
「報告します。
強大な”悪意”エネルギーに引き寄せられています。」
「逃げれるか?」
「駄目です。このままでは墜落します。」
「くっそ。
バーナー下に向けて噴射!
墜落だけでも回避するんや!」
慌ててメールを送った莉紗絵が みぃみゅ とポトフー、ポティロを抱え込み、衝撃に備えた。
紗都美は機体をブラさないよう必死に操縦桿を押さえ込んだ。
甲斐あって何とか墜落は免れたものの、森の中に引きずり込まれてしまった。
(8)
「これで50体か。
巨大魔獣も大分増えたな。」
ラアビブが不敵な笑みを浮かべながら、ひとり言ちていると、
「ラアビブ、犬を捕らえた。
森に落としてやるから遊んでやれ。」
突然、ランタルの声が頭の中に響いた。
空を見上げると乗り物のような物が黒い霧に引っ張られているのが見えた。
ラアビブは、
「はっ。
仰せのままに。」
頭を下げながら承服した。
「あの乗り物は捜査官とやらが使っていたものだな。
ならば、あの巨人が現れるはず。
丁度良い、この魔獣達で遊んでやろうじゃないか。
あの時の借り、返してやるわ。」
その時、乗り物が森に引きずり込まれたのが見えた。
「行くぞ!」
ラアビブの号令に従い、50体の巨大魔獣が移動を開始した。
(9)
「はっ。
仰せのままに。」
ラアビブの返事を聞きながら、”悪意”の闇で捕らえたフライチャウダーを森に引き落とした。
墜落させる事が出来なかったのは残念だが、後はラアビブが何とかするだろう。
そんな事を考えていた時、足元に物凄く微細な光が見えた気がした。
気になり自身の足を確認してみた。
特に変わった所はなさそうだ、と思い掛けた時、右の足首の所が光ったように見えた。
よくよく見てみると、細い気の糸が括りついているのに気付いた。
「これは捜査官どもが使っている追跡光糸か。
あの女捜査官め、やってくれたわ。
ならば、ここも安全ではないな。
場所を変えるとするか。」
言いながら足に絡まった光糸を取り払うと、闇の中へと消えていった。
(10)
「おはようございます〜。」
梨深、智佳、セラミネはテトゥの店を訪れていた。
「おや、戻ってたんだ二。
”キタノコウベ”での事は聞いてる二。
色々、世話になった二。
で、今日はどうした二?
何か聞きたそうな顔だ二。」
心を見透かしたようなテトゥの問い掛けに、
「ちょっとセラミネ~、とゆうか獣人系の~亜人について~聞きたい事があるんです~。」
梨深が切り出した。
「それは一昨日の夜の事と関係してるだ二?」
聞きたい事が解っているような口振りのテトゥに、
「もしかして~聞きに来るの~解ってたんやろか~?
その一昨日の夜の~”月並び”についてなんです~。」
梨深が返した。
「亜人のお嬢ちゃんの事で聞きたいってんならその事だ二。
もしかして、巨獣化しただ二?」
「そうなんです。あれって何なんですか?」
たまらずセラミネが声を上げた。
「やっぱりそうだった二。
”月並びの日”は月光波が2乗になると言われている二。
その時、狼人間にだけが反応する特殊なエネルギーが発生する二。
その影響で、希に巨獣化する者がいるらしい二。
けど、まだ見た事はないだ二。
そのお嬢ちゃんが巨獣化したのか二?」
テトゥの言葉に、
「はい、大きくなっちゃいました。
でも、その後、熱は出るし、体は動かなくなるしで、大変だったんです。」
セラミネが答えた。
「なるほど二。
どうやらあんたの先祖は特殊だったみたいだ二。
体の異常は仕様がない二。
突然大きくなったら当然反動も大きい二。
ま、何度か変わったら体が慣れる二。
なら、”月光丸”が要る二。
たしか倉庫に、、。」
ピリリン♪
テトゥの話の途中で梨深のスマホのメール着信音が鳴った。
ポケットから取り出し、画面を見て、
「莉紗絵からや。」
驚きの声で告げた。
慌てて内容を確認すると、
ーーー
連絡遅なってすんません。
我らは元気です。
今、ランタルが潜んでると思われる森の所に居ます。
これから調査をし
ーーー
書かれていたのは途中までだった。
スマホで2人の位置を探したが見つからない。
「なんか~嫌な予感がするわ~。
とりあえず戻って~出掛ける準備せんとな~。」
「わかったっす。」
「そうだね。」
梨深の提案に2人が同意した。
「テトゥさん、すいませ~ん。
何か~緊急事態みたいやから~戻ります~。
色々おおきに~。」
戻ろうとする梨深達に、
「不吉な予感がする二。
気を付けて行くんだ二。」
声を掛けた。
3人は返事を頷きで返すと、店を後にした。
如何だったでしょうか?
ついにあの男が強大な力を持って戻ってきました。
魔獣の森に引き込まれた莉紗絵たちはどうなるのか?
梨深たちはどう動くのか?
10話、そろそろ動き出しました。
そんな次回は月曜更新、出来るように頑張ります。
よろしくお願い致します。




