第9話「海底神殿の試練、人魚の王とレアアイテム VSクラーケンズ」(5)
第9話の5を公開します。
だいぶ巻き上げられました。
いつもより多く時間がとれたので、結構がっつり書く事が出来ました。
そんな今回は水中戦の顛末から梨深側のバトルです。
それなりに動いてる、かな?って感じです。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(14)
『しっかし、イカタコ、』
『あっさり、やったな。』
『ちょっと拍子抜けやったわ。』
『あれ?なんか忘れてる気が。。』
『・・・、です。。』
『『ん、どしたんや、みぃみゅ?』』
『イカさん、タコさん、ごめんなさい、です。
まえは”しんでん”をまもってくれてた、です。
でも、きゅうに”きょうぼう”になった、です。』
みいみゅ が泣きそうな声で2人に思いを伝えた。
『これも、ランタルの、』
『”悪意の種”が原因って事やな。』
『ほんま腹立つわ!』
2人は怒り露に言葉を発しはしたが、すぐに気持ちを落ち着かせ、
『ごめんな、みぃみゅ。』
『倒すしかなかったんよ。。』
みぃみゅ に詫びた。
『だいじょうぶ、です。
あんなにこわくなったらダメ、です。
さぁ、ねえさま、”しんでん”にいく、です。』
少し寂しそうではあるものの、気持ちを切り替えた みぃみゅ の言葉を受け、
『ほな行こか。』
『やな。
チャウダー、我らこのまま潜るから付いて来て。』
紗都美が脳波で指示し、サリシスとマリンチャウダーは海底にある神殿へと潜っていった。
その時、海底から何かが近付いてきて、眼前で止まった。
それは再生して小さくなったイカタコだった。
イカタコはサリシスの眼前でお礼を伝えるように1回くるっと回ると揃って海底に消えて行った。
『あれってさっきのイカタコ、なん?』
『ああ、思い出した!』
『紗都美、どしたん?』
『コア、斬ってなかったやん!?』
『そ、そや、な。』
『どうゆうこと、です?』
『魔獣は”コア”を壊さんと、』
『再生能力のある奴は、』
『復活してしまうんや。』
2人の説明に みぃみゅ が、
『それじゃ、あのちっちゃなイカさんとタコさんは生き返った、です?』
嬉しそうに問い掛けた。
どうやらバラバラにされると”悪意の種”は消滅するようだ。
『そうゆうことになるな。』
『結果オーライ、やな。』
『よかった、です。』
なんてほっこり話していると3人の脳内に、
ワウッ、ワウッ、ワウッ!
チャウダーの鳴き声が響いた。
それは警戒モードで索敵していたチャウダーが”危険状態”を察知し、発したものだった。
その事にいち早く気付いた紗都美がチャウダーの索敵をチェックした。
『攻撃、下からや!
チャウダー、回避や!』
言いながらサリシスとマリンチャウダーがその場を離れた。
その元居た所を神殿から一直線に細い光が通り過ぎていった。
『新手、』
『やな。』
『がんばる、です。』
少し声を震わせてはいるもののしっかり決意を表した みぃみゅ に、
『ええ娘や。』
『もうちょい力貸してな。』
2人が優しく声を掛けた。
その思いに みぃみゅ が、
『はい、です!』
力強く答えた。
『ほな、』
『行こか!』
『です!』
サリシスは気を引き締めると、マリンチャウダーと共に警戒しながら”神殿”へと向かって行った。
(15)
あたりが真っ白な光に包まれた。
その光は”雪男”の全身から放射された冷気光だった。
光を浴びた狼人間、梨深、智佳、ミックルス、アギュリィの全身がじわじわ凍結し始めた。
「あかん~加護の上から凍るぅ~。」
梨深の声が驚愕と寒さで震えている。
すでに体は動かせなくなっていた。
その時、
ワォォォォォォォォォォン!!!
狼人間の雄叫び響き渡り、その全身は赤く光っていた。
全身から発している熱気はスノーマンの凍らせる力を上回っているようで、溶けた氷が水蒸気となって立ち昇っていく。
その姿を目にした梨深は、
「セラ、ミネ~任し、たで~。。」
なんとか声を掛け、凍りついた。
その微かな声は狼人間に届いていた。
『梨深、任されたよ。
すぐ助けるから!』
そして”雪男”に向かって、
うぅ~っ!!!
と可愛い唸り声で威嚇した。
”雪男”は必殺の”冷気放射”が効かない上に、怒気?の籠った威嚇を受け”恐怖”を感じていた。
恐怖感から1歩、2歩とじりじりと後じさる”雪男”の顔が青ざめているように見える。
相手が自分に気圧されていると感じた狼人間は、気力を上げて全身から炎を立ち上がらせ”雪男”にゆっくり近付いて行った。
このままでは殺られると感じた”雪男”は両手の拳を握ると、そこに”氷の息吹”を吹き掛け、強固に固め、
オッホォォォォォ!!!
と雄叫びながら狼人間に殴り掛かった。
(16)
「冷気光ヲ使ッタカ。
サテ、コレデ終ワルカシラネェ?」
呟きながらクォリュシュは智佳の方に目を向けた。
智佳は体が凍結しつつあったが、
「余裕っすね。
けど、油断してたら痛い目に合うっすよ。」
しっかりと挑発の言葉を発した。
「ソノ状態デ何ヲシテクレルノカシラ?
楽シミダワ。」
クォリュシュが挑発で返す。
智佳は不適な笑みを浮かべながら、
「こうするっすよ。
龍息吹!」
技名を叫ぶと胸部アーマーの龍の顔の口から炎が漏れだした。
それは龍の口を固めていた氷を溶かし、前に立っていたクォリュシュに向かって吹き出した。
そしてクォリュシュの全身を炎が包んだ。
けれど、
「コンナコトダロウト思ッタワ。
ケド、コノ程度ノ炎ジャ焼ケナイワヨ。」
クォリュシュは炎を全身に纏わせながらもダメージは無く、
「残念ダッタワネ、オ嬢チャン。」
小馬鹿にしているような雰囲気の音声を浴びせた。
だが智佳は、
「これでいいんっすよ。
あんたを燃やすのが目的じゃないっすから。
ほんと”良い暑さ”になったっすね。」
にんまり微笑みながら、ゆっくり体を動かした。
目的は温度を上げて凍った体を溶かす事だった。
普通なら骨も残さず燃やし尽くすくらいの高温だがクォリュシュには効かない事を想定し、その体を超高温の松明にするのが目的だった。
そして思惑通り凍っていた体が動くようになった、のでクォリュシュの体に抱きついた。
「シマッタ!」
智佳の目的に気付けず、クォリュシュから後悔の言葉が漏れた。
そして、
ジュッ!
とゆう音がして一気に智佳の体が氷解した。
完全に動ける状態になった智佳は、
「逃さないっすよ。」
言いながらクォリュシュの体にしっかりと抱きつき、巻き付けた両腕に力を込めた。
グァァァァァ!
智佳の丑の力で締め付けられクォリュシュの体がミシミシと軋み、苦しげな叫び声が響き渡る。
「今回は楽勝だったっすね。
これで、終わりっすよ。」
智佳は最後通告を告げると同時に、
「豪腕締壞!」
力強く発しながらフルパワーで締め、腰部を破壊し、クォリュシュの体を分断した。
「ミゴトヨ。
後ハ”雪男”ガ。。」
クォリュシュが言い掛けた時、
ドドオーーーーーン!!!
と地響きが起こった。
(17)
『遅い。』
”雪男”が繰り出した右のパンチはすごく遅く見えた。
いつも特訓してくれている智佳の方が断然早かった。
狼人間はスッと体を右に動かして拳をかわすと、その腕を左手で掴んだ。
突っ込んできた勢いを利用しながら左肩を後ろに下げて右方向に捻る。
回転の勢いを”雪男”の勢いに合わせると右腕を相手の右脇下に突っ込みながら巻き取り、お辞儀するように体を曲げた。
勢いに引っ張られた”雪男”の体が宙を舞いながら、吹っ飛んで行く。
半回転し、背中から地面に落ちた”雪男”が、
ドドオーーーーーン!!!
と地響きを轟かせた。
狼人間は起き上がり体をふらつかせている”雪男”との間合いを一瞬で詰めると、両手の爪で上から斜めに斬りつけた。
グアアアアア!!
”雪男”が絶叫し、胸に付けられたXの形の引っ掻き傷から大量の血を吹き出した。
かなりのダメージながらも狼人間に怒りに満ちた目を向け、敵意をぶつけてくる。
だが、すでに足元はふらついていた。
『これで決める。』
決意し、腰を落とし両足に力を溜めいく。
そして両腕を後ろに引き、
「必殺、回転炎爪撃!」
技名をしっかり叫びながら”雪男”に向かって飛び出した。
そして下げていた手をウサギの耳のように頭の横に添えて、体を丸めて全身に炎を纏いながら高速で回転すると、そのまま”雪男”にぶち当たった。
回転の勢いで頭の横に添えた手爪が相手を削っていく。
その勢いに耐えきれず”雪男”が背中から大の字に倒れ、勢いの残った狼人間は、
にゃぁぁぁぁぁ。。。
※狼娘の叫び声ですよ
地面を勢いよくゴロゴロ転がって行った。
そして、
ドーン!
と大岩に激突して、止まった。
『きゅぅぅぅぅぅ。。。』
くるくる目を回し、
「やったよ、智佳。
でも、この技、、、む、り。。」
呟きながら気を失った。
如何だったでしょうか?
梨深は限界突破、しませんでした。
その代わり、しっかりセラミネに活躍してもらいました。
ある意味、セラミネのパワーアップ回だな、と。
なんやかやでセラミネが気に入ってたりします。
これからも活躍させるぞ。
次回は双子側の話になります。
今の感じだとあと2回くらいかかりそう。
なんとか少しでも早く更新出来るようがんばります。
次回も楽しんで頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。




