第9話「海底神殿の試練、人魚の王とレアアイテム VSクラーケンズ」(3)
第9話の3を公開します。
そして今日は連載開始から1周年になります。
ほんとに1年続けられるとは。。
感慨深いです。
まだまだ先の長い話なので2周年に向けてこれからも書いていきます。
よろしくお願い致します。
さて、本編。
やっとバトルモードに入る、ってとこまでになってしまいました。
始まる2つのバトル。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(7)
「さて、湖についたんやけど、どうやって神殿まで行くんや?」
湖の水際まで来たものの みぃみゅ 以外は水中で呼吸出来る訳もなく、莉紗絵が思案顔で思いを口にした。
「おピず、ダメなのぉ。。」
ポトフーが悲しげな声を漏らした。
「紗都美、なんかいい案ないん?」
莉紗絵が声を掛けると、
「ふっ、ふっ、ふははははー!
ついに、この時が来たんや!」
おかしな子になってた。。
「紗都美、何変な笑い声上げてんねん。」
そんな紗都美に莉紗絵が問い掛けると、
「前に言ったやろ。
ついにチャウダーの新モードお披露目や。
いくでチャウダー、”モードM”や!”」
ワォーン!
チャウダーは一吠えすると湖に向かって、飛んだ。
そして変形し、マリンチャウダー(潜水艇型)に変形した。
「おおお、それ”潜水艇”なんか?めっちゃスゴいやん。」
「すごい、です。」
「すごピの!」
莉紗絵と みぃみゅ とポトフーが感嘆の声を上げた。
「そうやろ。
ほんま、やっとこの機能使えるわ。
ほんなら みぃみゅ 案内してくれるか。」
紗都美に声を掛けられ、
「はい、です。」
みぃみゅ が了承の返事を返した。
みぃみゅ は服を脱ぐと湖に飛び込んだ。
水中で人魚の姿に戻ると水面に顔を出し、
「よういできた、です。」
2人に声を掛けた。
「ほな、行こか。」
紗都美の号令で、2人と1羽がマリンチャウダーに乗り込んだ。
それを確認した みぃみゅ が先導するように潜ると、それを追ってマリンチャウダーも水中へと潜って行った。
しばらく みぃみゅ に付いて水中深く潜って行く。
と湖底に建物らしきものがあるのが見えてきた。
「お、あれが”神殿”かな?」
「ほんまや。そうっぽいな。」
「くらくてピえなピの。。」
ポトフーは鳥目なので、薄暗くなっている湖底は見えていないようだった。
その時、黒い影が前を通り過ぎた。
「なぁ、今なんか通らんかった?」
「やな。なんか黒っぽいのが通ったような。」
とか話してると、みぃみゅ が近付いてきた。
「ねえさま、たいへん、です。
”くらーけん”が出た、です。」
焦り気味の みぃみゅ の思念派が脳内に聞こえてきた。
「やっぱ素通りさせてくれへんか。」
「しゃーないな、ほんなら予定通りに。」
「はい、です。」
みぃみゅ の返事を確認して、
「ほなポトフー、ちょっと行ってくるわ。」
「ええ子で留守番しとってな。」
「はピなの。
ママ、がんばってなの。」
「まかしとき。」
「ちゃちゃっとやっつけたるわ。」
言いながら莉紗絵がポトフーの頭を撫でる。
嬉しそうなポトフーを前表示板の上にある少し高さのある円形の台の上に下ろした。
すると透明なドームがポトフーを閉じ込めた。
これでポトフーが水に濡れる事はない。
台座には空調が付いているので呼吸の心配もない。
ポトフーの安全を確保し、2人は、
「「我らの”ガッツ”でいてこましたる!」」
声を揃えていつもの掛け声を発した。
2人の腕輪の宝石が赤と青の光を放つ。
顔を見合わせ頷き合うと、
「「ハーツ、シンクロス!!」」
声を重ねて変身の掛け声を発しながら、
キン!
宝石を打ち鳴らし、息を止めた。
すると、
パシュ!
と音がして椅子の下が開き、着座している部分が下に落ちた。
そのまま2人は湖に入水させられた。
水中の2人が腕輪から溢れだした赤青の光に包まれる。
2人を包んだ赤青斑の光球は膨れあがり、弾けた。
中からサリシスが姿を現し、その胸に向かって みぃみゅ が突っ込み、そのまま体内に取り込まれていった。
するとサリシスの足がヒレになり、水中の機動性が向上した。
『サリシス、マーメイドフォーム!』
人魚スタイルになったサリシスが”クラーケン”に向かって行った。
(8)
『皆、行っちゃった。。
また何も出来ないよ、私、、。』
セラミネは薄れゆく意識の中でそんな事を考えていた。
強くなりたい、そしてみんなの手助けがしたい。
そんな思いから智佳に特訓して貰っている。
のに、また何も出来ずただ凍っていく自分が嫌になっていた。
その時、
トクン!
っと心臓が脈打った。
そして体の奥底に小さな火が点ったような熱を感じた。
『何、これ?胸の奥が、あつ、い。』
それは徐々に膨れ上がり、体全体に広がっていく。
『何だろ、強い、力を、感じる。』
何かが自分に力を与えてくれている。
『そうか、これ月の光だ。
あのザワってする感じ。』
それは半年に1度起こる”月並びの日”にいつも感じていた気持ち。
”月並びの日”、それは空に見える大小2つの月が重なる日。
大月と小月が前後に重なり、地上に降り注ぐ月の力が通常の二乗になる日の事。
何故か”月並びの日”の夜はいつも体の奥から熱さを感じて、落ち着かなくなる。
ずっとその事が気になっていた。
それは”狼人間”として覚醒した事で発動した”野生の本能”を増大させる力を秘めていた。
『あつい、あついよー!』
熱は全身に広がり、さらに外側へと溢れ出していった。
その熱でセラミネの凍った体が徐々に溶け出し、水蒸気が立ち上ぼる。
凍った体は程なく溶けきり、やっと動けるようになった。
空を見上げると大小2つの月が並んでいるのが見えた。
月から降り注ぐ力を全身で浴びようと”大の字”の形で体を月と正対するように向けて、
「獣変身!」
叫び、獣化した。
そんなセラミネの体を月の光が更に変化させた。
覚醒していた”亜人遺伝子”が月の光と融合する事でセラミネを巨大化させたのだ。
ワォォォォォォォォォォン!!!
いつもより力強く遠吠えし、
「これなら2人の力になれる!」
力の籠った言葉を発すると、
ドン!!
一蹴りで武闘場に飛び込んで行った。
(9)
「召喚複合武装、丑、寅、辰、午、亥!」
智佳はクォリュシュとの戦闘を経験していたので、躊躇いなく索敵も含めた今現在の最強モードで武装した。
だが5重武装は消耗が激しく、そう長くは保たない。
それが判っている智佳は直ぐ様クォリュシュに攻撃を仕掛けた。
その頃”雪男”はミックルスと激しい攻防を繰り広げていた。
しかし互角に戦っていると思われたが、10mの身長差は大きかった。
”雪男”の連続殴打でミックルスの体力どんどん減ってきている。
このままではミックルスがやられてしまう。
そう感じた梨深は腰の箱からドールを取り出して右腕の発車装置にセットすると、
「アギュリ~、リリ~ス!」
”雪男”に向けて射出した。
だが2対1になっても”雪男”を動じる様子もなかった。
肉弾戦のミックルス、魔法攻撃系のアギュリー、の攻撃を物ともせず、逆に押していた。
「このままやったら~あかんわ~。」
梨深はひとり言ちながらも頭をフル回転させていた。
「やっぱりうちが~もう1体出して~限界を越えなあかんねやろな~。
3体同時は~脳の負担が~。。」
なんて事を考えていると遠くから、
ワォォォォォォォォォォン!
遠吠えが聞こえてきた。
「へ?この声って~セラミネなん?」
あまりの力強い遠吠えに聞き間違ったかな?と思っていると、
ドーーーーーン!!
地響きを上げて巨大な”狼人間”が飛び込んできた。
”狼人間”は”雪男”を見据えると、
ワォォォォォォォォォォン!
一吠えし、突っ込んでいった。
如何だったでしょうか?
2サイドでバトルが始まりました。
そしてセラミネが。。。
セラミネは当初の予定では2話分くらい出演するだけのゲストキャラの予定だったのに、気に入ってしまって仲間になった挙げ句、こんな事になってしまいました。
これからもガンガン活躍させる予定なので応援して頂けると嬉しいです。
よろしくお願い致します。




