第8話「地底湖からの侵入者、巨大な蟹を料理しろ! VSジャイアントソォーンクラブ」(6)
第8話の6を公開します。
何とか1週間で公開出来ましたが、巻き上げは、無理でした。。
今回で8話は完結です。
サリシスVS巨大蟹のバトルの結末は!?
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(23)
赤青斑の光球が消え、サリシスが飛び蹴りの体勢で姿を現した。
でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
そして雄叫びを上げながら、そのまま巨大針蟹の目と目の間に左足の蹴りを炸裂させた。
が、
『『硬!!』』
巨大針蟹の外殻は金属で出来ており、蹴りの衝撃はそのままサリシスの足に跳ね返ってきた。
バランスが崩れ落下しそうになるのを体を反らせて両手で地面に着地するや、その反動を利用して後方転回して右足だけで着地し、直ぐ様後ろに飛び退った。
少し離れた位置で左足の痺れが治まるのを待ちながら、
『やっぱ硬いわぁ。』
『だからなんで物理攻撃から入るんや!
学習せえって言ってるやろ!』
『せやかて、蹴りはロマン、やから。。』
『ロマンで勝てるかぁ!』
とか脳内漫才をやっていると巨大針蟹の目がギョロリとサリシスを見据え、まっすぐ向かってきた。
すごい速さで近付いてくる巨大針蟹から、
『『のわぁぁぁぁぁ!!!』』
脳内で素っ頓狂な叫び声をあげながら慌てて横に飛び、前転して体勢を立て直すと、全力で走り出した。
それを巨大針蟹が前後左右にカクカク移動しながら、凄い速さで追い掛けてくる。
『だいたい、何で蟹のくせに前後に動くんやぁ。』
『そうゆう仕様やねんから、仕様がないやろぉ!』
『しゃれかぁい!』
などと脳内漫才かましながら必死で逃げ回りながらも、反撃の準備は整えていた。
左右の手にエネルギーが貯まったのを感じとると、
「ツイン、ブレード!!」
左右の手の先に薄刃の光剣を発現させて、
「おおっりゃぁぁぁぁぁ!!」
雄叫びながら横移動で近付いて来る巨大針蟹を迎え、斬った。
巨大針蟹の動きが止まり、サリシスの1番近い位置にあった脚の1本が、
ズーン!
地響きを伴い、倒れた。
そのまま次の脚を斬ろうとしたが、それに気付いた巨大針蟹が素早く横に移動し、サリシスから距離を取った。
そしてゆっくりした動きで正面をサリシスに向けると、ギョロリと睨みつけた。
『この間。あれが来るで。』
『やな。』
この蟹とは1度ゲーム内で戦った事のある2人は行動パターンを知っていた。
次に来る攻め手を予想し、身構えていると、
ぷわぁ
と巨大針蟹の口から泡がひとつ出て来て、風船のように膨らんだ。
『あれ?』
『なんで?』
巨大針蟹の予想と違う行動に戸惑っていると、
パン!
と破裂音を発して、風船が弾けた。
虚を突かれ、音に驚いたサリシスが瞬間、硬直した。
その瞬間を狙っていたかのように巨大針蟹の右鋏が飛んだ。
胴体と細い鎖で繋がれた巨大な鋏が猛スピードで近付き、
『『しまった!!』』
サリシスを挟んで捕らえた。
この攻撃を警戒していたのだが、どうやら巨大針蟹の方が上手だった。
とゆうか、単に真行路が細工してただけなんだけど。。
そんな事は知る由もなく、まんまと挟まれたサリシスが、
『あんなんゲームの時なかったやん。』
『あんなしょっぼいフェイントに引っ掛かるなんて。。』
なんてやってると、
『『いだだだだだぁ!!』』
巨大針蟹が鋏を締め付けてきた。
『ちょ、あかんて。中身出てまうって。』
『このままやと体もげてまうっ。』
2人が脳内で悲鳴を上げていると巨大針蟹は鋏を体に引き戻し、サリシスを挟んだまま湖の方に移動を始めた。
『あかん。水中はめっちゃ不利や。』
『はよ逃げな!』
焦り、なんとか鋏から逃れようと必死に暴れたが、振りほどく事は出来なかった。
そして巨大針蟹に水中へと連れ込まれてしまった。
(24)
「ねえさま、すごい、です。」
2人の変身した姿をみぃみゅは羨望の眼差しで見つめていた。
巨大な蟹に怯む事なく立ち向かう姿はとても格好良かった。
手に汗握りながら、
「ねえさま、しっかり、です!
がんばって、です!」
声援を送っていると、蟹が、
ぷわぁ
っと泡を膨らませた。
「う、なんか、かわいい、です。」
蟹の奇妙な行動に目を奪われていると、
パン!
と破裂音を発して、風船が弾けた。
「きゃぅ、びっくりした、です。。」
破裂音に驚き目をパチクリしていると、
「ああ、ねえさまが。。」
サリシスが蟹の鋏に捕らわれていた。
そして湖に連れ去られてしまった。
このままでは2人が危ない。
あの蟹は水中でも速く動く。
みぃみゅはその事を知っていた。
「どうしたらいい、です?」
悩んでいると先程2人に頭を撫でてもらった時の事が思い出された。
あの時、2人が触れた時に脳裏を過った何か。
それが何故か重要だと感じられ、目を閉じ、その時の事を思い出そうとした。
頭の隅に残った何か、それは。
「ねえさまをたすける、です。」
今、2人を助けられるのは自分だけだと理解したみぃみゅは湖に向かおうとした。
けれど蟹から離れる為、かなり湖から遠ざかっていた。
走って行っては時間が掛かり過ぎてしまう。
どうすれば、と悩んでいるとチャウダーと目が合った。
「ちゃうちゃん、おねがい、です。
あたしをあそこまでつれていってほしい、です。
ねえさまをたすけたい、です。」
湖を指差し、チャウダーに思いを伝えた。
それを聞いたチャウダーの思考回路が状況分析を始めた。
・マスターの指示はみぃみゅの守護
・マスターが危機的状況
・最優先事項、マスター援護
みぃみゅの申し出を実行する事が緊急措置に該当すると判断したチャウダーは、
ワゥーーー!
とひと吠えし、モードBに変形した。
突然姿を変えたチャウダーに怯んだみぃみゅだったが、直ぐにそれが乗り物らしいと気付いた。
みぃみゅが急いで側車に乗り込むと、猛スピードで湖に向かって走って行った。
あっと言う間に湖岸に辿り着くと、みぃみゅは着ていた服を脱ぎ捨て湖に飛び込んだ。
(25)
『あかん、びくともしない。』
『仕様がない、ちょっと強引な手やけど。』
『お、なんか手ぇあるんや。』
『ちょい、痺れるで。』
『へ、それって!?』
気付いた莉紗絵が苦言を発しようとしたが時すでに遅く、
『猛き雷よ、縛鎖となりて、絡み付け。
サンダー・チェーン!』
『やっぱりかぁ!』
莉紗絵の予感は的中し、紗都美が雷系の魔法を使った。
魔法の効果を自身を挟んでいる鋏に向けて放つと、雷鎖が絡み付き、金属で出来ている鋏から本体の方に電撃が流れ、さらに水からも伝わり、瞬間、バチっと弾けた。
『『いたっ!!』』
『お、おお?』
『やっぱこれくらいか。』
サリシスは加護のお陰でちょっと強めの静電気くらいの痛さを感じただけだったが、巨大針蟹にはかなり強めの電気が帯電した。
そして、
『お、緩んだ。』
『今や。』
電撃に怯み緩んだ鋏から抜け出した。
電気は一瞬で大量の水に拡散して消えてしまった。
『ま、ざっとこんなもんや。』
『やるやん。』
とか脳話してると、怒り狂った巨大針蟹が鋏で殴り掛かってきた。
サリシスは避けようとしたが水中では上手く動けず、モロに攻撃をくらってしまった。
湖底に向かって勢いよく沈んでいくサリシスを巨大針蟹が追っていく。
『『がぁっ!!』』
サリシスが湖底に激突した。
加護で守られてはいたが、かなりの衝撃で立ち上がるのがやっとだった。
その状態を見逃さず巨大針蟹が追い討ちをかけてきた。
小さい方の鋏を閉じた状態でガガガガとマシンガンのように連続で細かく打ち当ててくる。
その攻撃は弾き飛ばさないギリギリの強さのため、すべての攻撃がサリシスに衝撃を与え続けた。
顔への攻撃は腕で防御しているものの、かなりの衝撃がサリシスを襲っていた。
『『ぐっ、がっ、ぐはぁ。』』
いつ果てるともしれぬ攻撃に耐えていると、
「ねえさまぁ!」
水を伝って声が聞こえてきた。
『この声。』
『みぃみゅか。』
声に気付き見上げた頭上に小さな人魚、足がヒレになった”みぃみゅ”の姿があった。
みぃみゅは、
「ぴゅらぴゅらぴゅぴゅら、ぴゅらららら~」
と魔法の呪文を発し、渦巻きを発生させた。
それは小さなものだったが巨大針蟹の目を巻き込むように渦巻き、動きを止めさせた。
「ねえさま、たすけにきました、です。」
言いながらみぃみゅがサリシスの顔に触れた。
その時、2人の脳裏にポトフーの時と同じビジョンが浮かんだ。
『まさか、みぃみゅが人魚やったとは、』
『思わんかったわ。』
『守るとか言っといて、』
『ざまやないけど、』
『『その力、使わせてもらうで!』』
サリシスの思いに、
「はい!、です。」
力強く答えたみぃみゅはくるっと大きく旋回して、サリシスの胸に向かっていった。
そして体内に吸い込まれ、
『『融合変身!』』
叫び声を上げたサリシスの足が赤青斑模様の足ヒレに変化した。
「サリシス、マーメイドフォーム!!」
叫び水中を体の動きを確かめるように凄いスピードで旋回してから、巨大針蟹と対峙した。
渦巻きの効果が消え動けるようになった巨大針蟹が怒りも露に鋏攻撃を仕掛けてきたが、水中を自由に動けるようになったサリシスには届かなかった。
『ほなら、』
『いっちょ、』
『やってやる、です。』
3人の気持ちがひとつとなり、
『ぴゅらぴゅらぴゅぴゅら、ぴゅらららら~』
みぃみゅの呪文で発生した渦巻きに、
『風よ、渦となりて、巻き上げろ!
ウィンド・スパイラル!』
風魔法で効果を増大させ、巨大針蟹を渦巻きに巻き込んだ。
強力な渦の力に巻き込まれクルクルと回りだした、巨大針蟹を、サリシスは渦巻きの方向を調整し、湖面に向かわせた。
激しい渦巻きの力に翻弄されながら、巨大針蟹が湖面から飛び出し、クルクル回りながら背中から地面に落下した。
それを追ってサリシスが湖面から跳ね上がると、
「融合解除!」
マーメイドフォームを解除した。
サリシスの胸から飛び出したみぃみゅは湖に向かって落ちていき、湖面に吸い込まれるように入水すると、無事を知らせるように湖面から顔を出して小さな手を振った。
元の姿に戻ったサリシスはそれを確認すると、
「ポトフー、融合や!」
叫んでポトフーを呼んだ。
「はピ、なのぉ!」
元気に返事したポトフーがサリシスに向かって飛んでくる。
のを、針が地面に刺さり身動き出来なくなった巨大針蟹の腹部に着地して、
「激しき炎よ、火球となりて、焼き尽くせ。
ファイヤー・ボール!」
火球をポトフーに向かって投げつけると、フルパワーで飛び上がった。
火球に突っ込んだポトフーが炎エネルギーを吸収して不死鳥の本来の姿に戻ると、飛び上がってきたサリシスの胸に突っ込んでいった。
「融合変身、サリシス・フェニックスフォーム!」
炎の翼をはためかせたサリシスが滞空しながら、
「走査!」
巨大針蟹のコアの位置を走査し、
『これで終わりや。』
『あの蟹こんがり、』
『焼き上げます!』
サリシスは両手にエネルギーを集中させ、それを合わせて光の槍を作り出す。
その槍に炎を纏わせると、
「断罪の炎槍・放射!」
巨大針蟹のコア目掛けて投げ落とした。
炎槍は狙い違わず巨大針蟹のコアを粉砕し、炎が全身を焼き付くした。
そして、見た目は美味しそうな”焼き蟹”が出来上がった。
(26)
「オヤ、蟹ガヤラレタヨウダネ。
中々(ナカナカ)ヤルジャナイカ。
ケド、本当ノ試練ハコレカラダヨ。
楽シミニシテナ。」
ひとり言ちながらほくそ笑んでいる存在が居る事に2人が気付く由もなかった。
(27)
焼けた蟹から美味しそうな匂いが漂ってきている。
元の姿に戻った莉紗絵と紗都美が変身後の空腹をいつもの顔サイズどら焼き(栗っぽい実が入ったつぶ餡)を食べながら、
「もぐもぐ、なぁ、いい匂いしてるけど、もぐもぐ、これ食べれるんかな?」
「もぐもぐ、どやろ?これって、もぐもぐ、中身ってあるんやろか?」
そんな事を言いながら蟹に近づくと、かなりの熱量が感られた。
「もぐもぐ、まだ熱々(あつあつ)やな、もぐもぐ。」
「もぐもぐ、ちょっと触られないなぁ、もぐもぐ。」
などと話していると、島長が近付いてきた。
「これは我々で何とかしますのデ、お2人は温泉で疲れを癒してきてくださレ。」
そんな島長の申し出に食べ終えた莉紗絵が、
「おおきに、ほならそうさせて貰います。」
答え、
「ほんなら、皆で行こか。」
紗都美が声を掛けた。
2人とポトフー、戻ってきたみぃみゅとチャウダーが、
「コッチダヨ。」
ポティロに案内されて温泉に向かって行った。
(28)
「おお、めっちゃ凄いやん。」
「絶景やな。」
温泉から眼下に広がる景色は森、そして海が見える素晴らしい景観だった。
お湯に浸かり、リラックスしていると、
「温泉、暖かくて気持ちいい、です。」
お湯に浸かって足がヒレになっているみぃみゅは初めての暖かい水にほっこりしていた。
ポトフーは湯船に浮かべた湯桶にお湯を入れて貰い、
「お湯、気持ちピピのぉ。」
羽をぱちゃぱちゃ動かしながら楽しんでいた。
「今度は先輩らと、一緒に入りたいなぁ。」
「せやな。全部終わったら皆でまた来ようや。」
3人と1羽は存分に温泉を堪能し、ほくほくしながら宴席に向かった。
その時出された巨大針蟹の味は。。
如何だったでしょうか?
まさか連続で新フォーム出す展開になってしまうとは、自分でも驚きですが、新キャラの人魚のみぃみゅは気に入ってるので良し、です。
って事で第8話完結です。
が、最後にちょこっとアレが登場しています。
次話はこいつが。。
の前に次回はいつもの閑話、あの人の話になります。
楽しみにして頂けると嬉しいです。
次回、なんとか少しでも巻き上げられるよう頑張ります。
よろしくお願い致します。




