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第8話「地底湖からの侵入者、巨大な蟹を料理しろ! VSジャイアントソォーンクラブ」(3)

第8話の3公開です。

ちょっと遅くなってしまいました。

が、色々盛り込んでます。

楽しんで頂けたら嬉しいです。

(8)


「ここが交易都市”プローラ”か。

 こないな中世風の街並み見ると異世界やなぁ、って感じするわ。」


由維キャロンは楽しそうにきょろきょろと街並みをながめながら感嘆かんたんの声を上げた。

1回目の搬入が終わり、次の荷物が届くまでのあいだに昼食を済ませる為、”プローラ”に来ていた。

そんな由維キャロン達を遠巻きに見ている者が居る事に気付いていなかった。


美味おいしかったぁ。」


店を出た由維キャロンはお腹をさすりながら感想を口にした。

食事を終えた一行いっこうはそれぞれ単独だったり、数人のグループだったりに別れて街中に消えていった。


「今、13時半ね。

 あと1時間半くらいは自由時間よ。

 15時までに戻りなさい。」


リカーラがこのあとの予定を伝えた。


「その時間までにさっきの場所(んとこ)に行けばいい(ええ)んやね。」


由維キャロンの返答に、


「そうよ。

 それと、これを渡しておくわ。」


そう言いながらリカーラが数枚の紙幣を由維キャロンに手渡した。


「これは?」


不思議そうに手元の紙幣を見ながらたずねる由維キャロンに、


「それは給料として渡す予定だったものよ。

 お金がないと何も出来ないでしょ?

 残りは支給日に渡すわ。」


リカーラが答えた。

それは教師として働いた由維キャロンへの給料の一部いちぶだった。


「おおきに。」


礼を言う由維キャロンに、


「それじゃ。」


と返し、仲間と話ながら街中に消えていった。


「ほなら、どうする(どうしょっ)かな?」


思いがけずふちころが暖かくなり、由維キャロンは心弾ませながら街をぶらぶらし始めた。

いかにも"異世界"っぽい中世風の街並みなのに、入口が自動ドア(横開き)だったりしている。

ガラスの技術も発達しているようで、店によってはショーウィンドウがあり、商品が外から見えるようになっていた。

しばらくウインドウショッピングを楽しんでいると、素敵なオープンカフェが目にまった。


「何かめっちゃオシャレな店があるやん。」


そのお店に入りケーキセットを注文し、テラス席を確保した。

陽射しがポカポカ暖かく、時折ときおり優しい涼しさの風が通り過ぎていく。


「のどかやなぁ。。」


のんびり感を味わいながら、ケーキに目を移した。

見た目は普通のショートケーキのようだが土台のスポンジはまっ白で、周りに塗られた生クリームらしきものは濃い紫色と、色目は日本のものとかなり違っている。

スポンジの間には何もはさまれておらず、上に丸い果物くだものの皮をいて半分に切られたものが、中心にドームのように置かれていた。

この果物くだものが真っ黒だったりするので色のバランスが悪く全然美味しそうに見えないが、これが1番”マシ”だったのだ。

そんなケーキを切り分け、恐る恐るひと口食べてみた。


ぱくっ。


「う、、う、、美味しい(うまぁ)!」


それは今までに食べたどのケーキより美味おいしかった。

使われている材料の違いからなのか、ふんわりした甘さが口の中に広がった。

そして、あっと言う間に食べ尽くてしまった。


由維キャロンは残ったお茶を啜りつつ、地上に下りてきた目的である電話をかける為の準備を始めた。

カバン(ストレージに仕舞っている)から出してポケットに入れていたBluetoothヘッドセットを取り出し、視線の影になっている左耳に装着してからスマホを操作して梨深パプリに発信し、ポケットにしのばせた。

耳に装着したイヤホンから接続音が聞こえ、程なく呼び出し音が聞こえてきた。

そして、


由維キャロンか?』


懐かしい親友の声が聞こえた。


(9)


工房都市”キタノコウベ”に喧騒けんそうが戻っていた。

朝早くから色々な工房が動き始め、物造りの音を響かせている。


昨日、クォリュシュから話を聞き終えたあたりから眠っていた人々が次々起き始め、”何故こんな場所に?”と困惑した表情を見せつつも、自宅や目的の場所へと移動していった。

程なくセラミネも目を覚ました。

智佳オーニオの腕枕で寝ていた理由を説明され、盛大に頭を下げて謝っていた。


それから一夜いちやが明けていた。

3人は街を散策さんさくし、食事が出来る場所を見つけてくつろいでいた。


「ほんまに~昨日は大変やったわ~。」

「そうっすね。セラミネは駅に降りて直ぐに操られてもたっすからね。」

「もう、それは言わないでよう。」


食後のたわいない話をしている時、不意にマナーモードに設定していたスマホが震えだした。

いぶかししく思いながらスマホをポケットから出して着信表示を見た梨深パプリ一瞬いっしゅんおどろき、すぐに笑顔に変わった。

焦り気味に通話アイコンをクリックし、


由維キャロンか?」


嬉々(きき)とした声で応答した。


(10)


2人はスマホ越しに互いの持つ情報の交換を始めた。


梨深パプリ、久しぶりやな。」

『ほんまに~。それで~今何処(どこ)な~ん?』

「”プローラ”に居る(おん)ねん。めっちゃ異世界っぽいで。」

『そこ~うちらが最初に~泊まったとこや~。』

梨深パプリらも来てたんや。」

『ところで~”バアルス”では~どうしてんの~?』

「なんと音楽の先生やってんねん。子供()可愛いで。」

『そうなんや~。楽しそうやな~。』

「めっちゃ充実してんで。それでや、あんま時間ないし本題やねんけど。」

『ええタイミングやわ~。うちも話したかったんよ~。』

「ほならこっちから。こっちで調べてたら本が手に入った。日本語で書かれてる。」

『そっちもか~。うちらも~日本語で書かれた本~手に入れてる~。その事で~話したかったんよ~。』

「うちもや。その本は撮ってあるから後で送る。それでやなぁ・・・。」


そしてしばらく互いの情報を擦り合わせた後、


『それと~”真行路しんぎょうじ反太はんた”知ってるやろ~?』

「”真行路しんぎょうじ反太はんたうたら、あのゲームの制作者やろ。それがどしたん?」

『この世界の基盤ベースを~つくったらしいんよ~。』

「え、それっておかしない?何年前の話なんよ。」

『千年前らしいんよ~。』

「千年前、やて?」

『でや~そいつの手下みたいのが~うちらを狙ってんのやわ~。”殺戮人造人間マーダロイドうんが〜そこいらにるみたいやから〜気を付(きぃつ)け時や〜。』

「それって、」


言いかけた時、


パーン!


とゆう小さな爆発音が聞こえた。

音の方を見ると、赤い煙が見える。

それは”バアルス”関係者からの非常呼集の合図だった。


「こっちで何かあったみたいや。近い内にまた連絡するわ。メール送っとくから見といて。」

『わかった。気を付(きぃつ)けや〜。』

「おおきに。ほなな。」


言って、由維キャロンは電話を切ると集合場所に向かって走り出した。


(11)


「アソコダよ。」


ポティロに先導され島長アスクオ莉紗絵ホクス紗都美ミミナとポトフー、チャウダーが地底湖のほとりに到着した。

そこには裸の少女が倒れていた。

年の頃は10歳くらい、淡い水色の髪色で肌は透き通るように白い。

息があるので気を失っているだけのようだが、頭に大きな傷があり血溜まりが出来ていた。

水際みずぎわに寝転がっているので、ちていこから打ち上げられたのは間違いなさそうだ。


「ポティロ、治療ヲ。」


島長アスクオの指示でポティロが妖精語で呪文を唱え羽をひとはたきすると、光る粉が現れ少女の体に振り掛けられた。

すると少女の体が淡く光だし、傷が消えていった。


その間に島長アスクオちていこに近付き結界の状況を調べた。


可笑おかしいですナ。結界はやぶられていなイ。

 ならばこの少女何処どこかラ。。」


つぶやききながら戻って来た島長アスクオは少女に触れて生体情報を読み取った。


「この少女はに。。」


何かに気付きそれを伝えようとした時、


ドーン!!!


と衝突音が響いた。

見ると巨大な何かがちていこの結界に体当たりしたようだった。

地面をも揺すった衝撃で少女が意識を取り戻すと近くに居る者たちを見回した。

そして、


「あたくしはなぜこのような。。」


そこまで口にして表情が変わった。

しばらく困惑こんわくした表情で考え込んでいたが、


「うぇ、、うぇっ、、うぇーーーん!!!」


突然、泣き出した。

少女の姿が妹の姿と重なりいとおしさが爆裂ばくれつした莉紗絵ホクス紗都美ミミナが、


「大丈夫やで。」

「なんも怖いことないで。」


言いながら莉紗絵ホクスは頭をで、紗都美ミミナは背中をさすった。

しばらくそうしていると、


「ひっく、、あいがと、、ひっく、、れすぅ。

 もう、ひっく、だいじょぶ、ですっ。」


少し嗚咽は残るものの落ち着いてきたようだ。

莉紗絵ホクスがポケットからハンカチを出して少女の涙をぬぐっている間に紗都美ミミナ腕輪ブレスから部屋着として使っているTシャツを取りだした。

少女に着せてあげると、


「あいがと、です。」


可愛らしい声でお礼を言い、笑顔を見せた。

その愛らしい笑顔に莉紗絵ホクス紗都美ミミナが、


「あかん、」

「めっちゃ、」

「「かわええ!!!」」


メロメロになった。

ようやく落ち着いてきた少女は、


「あの、あたくしはだれ、なのですぅ?」


自身の状況を言葉にした。

その言葉に島長アスクオ莉紗絵ホクス紗都美ミミナすぐに状況を理解した。


「これは、」

「あれやな。」

「記憶を喪失しているようですナ。」


どうやら頭に強い衝撃を受けた影響で記憶を喪失しているようだ。

何も思い出せないとゆう恐怖感から泣き出してしまったらしい。


「頭打ってたみたいやから、」

「それが原因や思うわ。」

「やったら、しばらくしたら思い出すやろ。」

「心配せんと、我らと。。」


莉紗絵ホクス紗都美ミミナが声を掛けていると、


ドドーン!!!


と、さっきよりも強い衝撃音が響いた。

ちていこの方を見ると結界が激しく明滅めいめつしていた。


「まずいですゾ、このまま攻撃されたら結界が破られてしまウ。」


島長アスクオあせり声で告げた。

見ると少女の顔が蒼白になりガタガタと震え出した。


「どうやら振動の主と、」

「何かあったみたいやな。」


少女の様子で莉紗絵ホクス紗都美ミミナがそう結論付けた。


ちていこから離れた方が良いでしょウ。」


島長アスクオの指示で少女をチャウダーの背に座らせ、湖岸からかなりの距離を取った。

その時、


パキーーーーーン!!!


とゆうガラスが割れたような音が響いた。


「結界がッ。。」


島長アスクオが苦渋の声でつぶやいた。

ちていこの方を見ると巨大な生物が岸に上がって来るのが見えた。


「「あ、あれは!」」


それを見た莉紗絵ホクス紗都美ミミナ驚愕きょうがくの表情でつぶやいた。

如何だったでしょうか?

新キャラ登場だったり、情報交換だったり。

あの電話のところはちょっと構成に悩んだりしました。

文字ばっかりやけど大丈夫なのか。。

あと由維のデザートのとこも。

そして次回からはバトル突入。

今回は由維が。

双子も頑張ります。

水〜木曜更新予定。

楽しみにして頂けると嬉しいです。

よろしくお願い致します。

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