第8話「地底湖からの侵入者、巨大な蟹を料理しろ! VSジャイアントソォーンクラブ」(1)
第8話の1を公開しました。
まだ妖精島編続きます。
そしてついにあのキャラが再登場します。
出すタイミングをずっと考えてたんですよ。
やっと出せました。
そんなまた色々盛り盛りになりそうな8話。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(1)
ピッ!
扉の前に立つ女性が扉横の壁面に付属しているインターホンのパネルに指先で触れた。
パネルの色が赤から通話可能を示す緑に変わったのを確認し、
「メリシスです。」
マイクに向かって告げた。
スピーカーからの返事はなく、入室を促すように扉が開いた。
「失礼します。」
メリシスが一礼し、室内に入ると静かに扉が閉ざされた。
部屋の奥に設えられた格調のある机に近付き、
「メリシス研修生、参りました。」
緊張気味に声を掛けた。
そこに座っていた男、宇宙連邦警察の長官はゆっくり立ち上がると、応接用に置かれたソファの方に移動した。
ゆったりしたソファに腰を下ろした長官は、
「座りたまえ。」
対面のソファに座るよう促した。
「失礼します。」
メリシスは指図に従いソファに浅く腰掛け、
「今日はどのような、、」
質問しようとした言葉を打ち消すように、
「レリシス捜査官の宇宙船が戻ったのは?」
長官が問い掛けた。
「戻られたのですか?」
まだその事を知らなかったメリシスは問い返した。
長官は少し表情を曇らせながら、
「良くない、話だ。
心して聞いてくれ。」
言い難そうに声を掛けた。
「はい。」
長官の重い雰囲気に緊張しつつもメリシスは嫌な気持ちが溢れてくるのを感じていた。
「レリシス捜査官が、殉職した。」
長官の言葉に、
「そう、ですか。。」
メリシスは短く答えた。
雰囲気からそうであろう事は予想出来ていた。
それでも容易く受け入れられるものではなかった。
信じたくない事実に脳が受け入れるのを拒否している。
そんなメリシスに追い打ちを掛けるように、
「ソルがレリシス捜査官から預かった伝言がある。
聞くかね?」
長官が告げた。
それは姉から自分に贈られた最後の言葉だろう。
聞けば全てが終わってしまう。
聞きたくない、とゆう気持ちを押し込み、
「お願い、します。」
言葉を絞り出した。
長官は何も答えず右手を動かし、目の前の空間に淡く緑に光るモニターとキーボードを表示させ、キーを操作すると部屋の天井に埋め込まれいるスピーカーから小さなノイズが聞こえた。
そして、
「約束守れなくなった。
スマン。
私より優秀な捜査官になってくれ。
・・・じゃあな。」
姉、レリシスからのメッセージが流れた。
数日前、通信で会話して以来の姉の声が、心を揺らす。
『食事に行こう。』
そんな約束をしていた事を思い出す。
その姉とはもう会うことが出来ない。
そんな思いがじわじわと広がってきていた。
「それで、だ。」
重い雰囲気を払拭するように長官が話を始めた。
「メリシス研修生を本日付で捜査官に任命する。
そして最初の任務に就いてもらう。
第12118番辺境域を調べてきてくれ。」
それは異例の任命だった。
メリシスの研修期間はまだ一月程残っていた。
研修生の中では首席だったが基本、研修が切り上げられるのは極めて異例だった。
「レリシスが最後に訪れた場所を見てきなさい。
それが私に出来る唯一の事だからね。
けど、調査してくるだけだ。
無茶な事はするなよ、メリシス。」
それは長官としてではなく、叔父としての発言だった。
その言葉に堪えていた涙が溢れた。
「ありがとう、叔父様。」
メリシスは涙を流しながらも笑顔で告げた。
「しっかりな。
戻ったら正式にランタル捜査のチームに加えるつもりだ。
頼んだぞ、メリシス捜査官。」
叔父である長官の温情に答えるように、
「拝命致します。」
力強く受諾の言葉を発した。
そして立ち上がり、一礼してから、
「失礼します。」
と声を掛け長官室を後にした。
すでに涙は止まっていた。
その目には決意の光が宿っていた。
(2)
コンコン!
由維の部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「は~い!」
返事をし扉を開けるとリカーラが立っていた。
「リカーラさん、こんな時間にどうしはったんですか?」
由維の問いに答えるように、
「明日の下での定期作業にあなたの同行の許可が出たわ。
明日の10時頃に都市”プローラ”に下りて物資等の搬入を行うのであなたにも手伝ってもらいます。
空いてる時間は好きにすると良いわ。」
用件だけを伝えてきた。
「わかりました。
時間までに監視室に行ったらええですね?」
由維の問い掛けに、
「ええ。
遅れたら置いていくのでそのつもりで。」
答えると用件は終わったと言うようにさっさと部屋から離れて行ってしまった。
「ほんま、愛想のない人やな。」
独り言ちりながら扉を閉じた由維は、
「これで梨深と話が出来る。
色々準備しとかなあかんな。」
スマホを取り出すと、リカーラから受け取った本をカメラで撮り始めた。
「これはかなり時間かかりそうやな。
けど、これを梨深が読んだら良い意見出してくれるはずや。
さって、がんばろか!」
鼓舞するように強く言葉を発し作業に取りかかった。
そして由維の準備は深夜まで続くのだった。
途中、何度か挫けかけたのはナイショの話。
そして危うく寝過ごしそうになったのも。。
(3)
ぐぅぅぅぅぅ!
莉紗絵と紗都美とポトフーのお腹が盛大に鳴り響いた。
「「腹減った〜!」
「お腹すピたの〜。」
同じように空腹を訴えるポトフーの言葉を耳にして、
「おお、ポトフー、」
「喋れるんか。」
驚きながらも嬉しそうに2人が尋ねた。
「ママぁ、お腹すピたの〜。」
ポトフーは飛ぶ力もないようで地面にころがり羽をパタパタさせながら空腹を訴えている。
その姿に、
「ポトフーはほんま可愛いわ。」
「もう癒し以外の何者でもないわ。」
などと言いながらによによしつつ腕輪から顔サイズどら焼きを取り出した。
莉紗絵が少し千切って手のひらにのせてポトフーの前に差し出し、自身もかじりつく。
紗都美も同じようにかじりついた。
2人と1羽は、
「「うんま~!!」」
「うんま~なの!!」
心底美味しそうな表情で声を揃えて感想を述べた。
「もぐもぐ、今回はチョコクリームやな、もぐもぐ。」
「もぐもぐ、皮の甘さを抑える事でチョコクリームとの相性が良くなってるやん、もぐもぐ。
もぐもぐ、って、鳥にチョコ食べさせていいのか?、もぐもぐ。」
そんな事を思いつつポトフーを見ると、
「もっと、もっとなの~。」
莉紗絵の差し出したのを平らげ、おかわりを要求していた。
「もぐもぐ、何ともなさそやな、もぐもぐ。」
苦笑しながら今度は紗都美が自分のを千切って差し出した。
ポトフーはそれもあっと言う間に平らげ満足したようで、
「おピピかったよ~。
お腹ピっぱピなの~。」
言いながら飛び上がると2人の周りをぱたぱたと飛び回った。
そんなポトフーに、
「もぐもぐ、しゃべれるようになったんやな、もぐもぐ。」
莉紗絵が話し掛けた。
「成体化したからしゃべれるの。」
ポトフーが元気に答えた。
「もぐもぐ、たまに”ピ”って混じってるんは何でなん?、もぐもぐ。」
今度は紗都美が尋ねた。
「この体だとそうなっちゃうの。」
どうやら幼成体の時は”い段”が”ピ”になるようだが、本人は特に気にしてないようだ。
莉紗絵と紗都美も食事を終え、ほっと一息ついていた。
「そなんや。
可愛いから全然いいねんけど。」
「ところで何でまた小さくなったん?」
莉紗絵の問いに、
「あの大きさになるのはものすごピ”エネルギー”がピるの。
”炎エネルギー”をピっぱピ貰ったらなれるの。」
ポトフーがしっかり答えた。
喋り方は幼くなってはいるが知識そのものは成体の時と変わらないようだ。
そうやって話していると、
「お二方、グリフォンを倒して頂きありがとうございましタ。
これから晩餐の用意をさせて頂きますのデ、屋敷の方にお戻り下さイ。」
島長が割って入ってきた。
そんな申し出に、
「晩餐ですか。」
「おお、何かリッチ感あるやん。」
2人の目が輝いた。
「コノシマノリョウリハスゴクオイシインダよ。
タノシミニシテテよ。」
ポティロが付け加えた。
「島独特の美味しい料理かぁ。」
「めっちゃ楽しみや。」
「楽しピなの~。」
「おお、ポトフーもか。」
「ええやん、ええやん。皆で楽しも。」
ワイワイ喋りながら4人と1羽に、
ワゥッ!
存在を主張するようにチャウダーか一吠えして付いていった。
如何だったでしょうか?
双子と融合したレリシスの妹、メリシス再登場です。
と言っても1話の1でちょこっと会話してただけですが。。
今後の展開に必要なキャラだったので出すタイミング調整してました。
双子達と絡むのはもうちょい先やけど。
そして由維も動き始めました。
なので今話は。
これからの展開も楽しんで頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。




