第7話「空に挑め、炎の復活! VSグリフォン再戦」(4)
第7話の4を公開しました。
ちょい時間掛かってしまいました。
梨深側の方が上手く纏まらず、結構悩まされてしまいました。
いろいろ盛り込めたと思います。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
※セリフ抜け修正しました。
修正し忘れてた誤字も修正しました。
(13)
ぐぅぁぁぁぁァ!!!
ラアビブの苦痛に満ちた叫び声が響き渡った。
その痛みの奥から何かが膨れ上がってくる。
それは黒く、強い、強い、強い、力。
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉォ!!!!!
叫び声が歓喜の雄叫びに変わった。
「これが俺の力カ!」
ラアビブは己の内から溢れ、みなぎってくる力に酔いしれた。
これなら。
この力ならこの島を、そして世界をも支配できる。
「ついにこの俺が世界を統べる時が来たのダ。
手始めにこの島を手に入れてやル。
島長を始末すれば俺が島長ダ!」
ラアビブは思いのままに叫び声を上げ、
ハーッハッハッハ!!!
高らかに笑うと、乗っていたグリフォンの首の後ろ側に掌で触れ、自身の高まったエナジーを注ぎ込んだ。
そのエナジーでグリフォンの体がひと回り大きくなり、
キシャァァァァァァァァァァ!!!
凶暴性が増し、目が赤く染った。
そして島を破壊するかの様に火球を吐き散らしながら暴れ始めた。
(14)
「オサぁ、オソイよ!」
ポティロがのろのろと飛んでいる島長を急かすように声を掛けた。
「こんな、長距離移動は、久しぶりなんじャ。
そんなに、急かすナ。
ポティロ、そこを抜けたら、右じャ。」
少し呼吸が荒く、途切れ途切れながらもポティロに行き先を指示しながらゆっくり移動する島長。
その時、
キシャァァァァァァァァァァ!!!
上空からグリフォンの激しい鳴き声が聞こえてきた。
島長とポティロはその声に驚き、上空を見上げると火球を吐き散らすグリフォンが見えた。
ドーン、ドドーン!
グリフォンの吐き出す火球が地面を、森の木々を破壊している音が振動として伝わってくる。
そのあまりに悲劇的な状況に直面しポティロが、
「アアぁ、シマガコワサレチャう。。」
悲痛な声を発した。
「どうしてこんな事二。。」
これまでグリフォンは行動を邪魔さえしなければ攻撃してくる事はなかった。
なのに何故、急に暴れ始めたのか?
まさかあの2人の行動がグリフォンの怒りを買ったのか?
等と考えていた島長が、
「あ、あれはラアビブ。
あやつがグリフォンを操っているのカ!?」
グリフォンの背に乗っているラアビブの姿を目にした。
「ま、まさか。
この島を乗っ取るつもりか!?」
以前から島長の座を狙ったいたラアビブ。
だが島長は彼の野心に気付いていた。
なので彼に継がせるつもりはなかった。
そう伝えた時の彼の怒りの表情が思い浮かんだ。
だが、ここまでの行動を起こすとは思っていなかった。
島長は、
「ポティロ、急ぐゾ!」
ポティロに声を掛け2人の元へと急いだ。
我に帰ったポティロは、
「マッテヨぉ。」
慌てて島長を追いかけた。
そして追い越し右に進んだ先に居た2人を目にし、
「オーい、ホクスぅ、ミミナぁ!」
歓喜の声を上げながら近付いて行った。
(15)
そこには「箱」状の物体があった。
それは莉紗絵と紗都美が入学する前、梨深と由維が2年生、智佳が1年生の時、「異世界探検部」が人数不足で「同好会」だった頃の事。
智佳が入部して初めての夏休みにそのイベントは発生した。
そのダンジョン攻略イベントのラスボス、それがこの「箱」だった。
「箱」の名前は”悪夢映写機”。
その名の通り、人の脳内に悪夢を投影する機械。
精神攻撃を仕掛けてくる敵に当時レベルが低かった3人は苦戦を強いられるも辛うじて攻略出来た。
その時の「箱」がそこにあった。
「あれって~どう見ても”悪夢映写機”やな~?」
梨深の問い掛けに、
「間違いないっす。
あれ倒して最初の十二支獣を手に入れたんっす。
忘れる訳ないっすよ。」
智佳が返した。
「やっぱ~そうやんな~。
って事は集められた人達は~悪夢見せられて”悪意の種”を~成長させられてるって事やな~。」
そんな梨深の言葉に、
「察シガイイネェ。」
女性の機械音声のような声が口を挟んだ。
その声に、
「誰っすか?」
智佳が反応した。
だがその問い掛けには答えず、
「ヤット来タネ、”界渡り”ノオ嬢チャン達。
待チカネタヨ。」
声を掛けてきた。
「誰や?って~聞いてるんやけどな~。」
梨深が再度問い掛けた。
「常識ガナッテナイネェ。
人二名前ヲ尋ネル時ハ先二名乗レッテ習ワナカッタノカイ。
マァ、アンタラノ名前二興味ナイノデイイケドネ。
私ハ殺戮人造人間ノ”クォリュシュ”。
アンタ達ヲ試ス者サ。」
能面の様に変化のない表情で殺戮人造人間”クォリュシュ”が答えた。
(16)
「だぁ!」
「終わったぁ!」
火山の横穴から外に出た莉紗絵と紗都美は地面に大の字になって寝転がっていた。
巨大蜂はかなりの大きさ(全長50cmくらい)と数で苦戦を強いられた。
巣の近くにいたのを巣毎”捕縛結界”で捕え、残った10匹程度の蜂と戦闘に突入。
ツイン・ブレードを振り回して斬り落としながらも、針攻撃は激しくかなり突っつかれた。
物理加護はあるものの、かなり痛かった。。。
そして半数倒したあたりで隙を見て出口にダッシュし、今に至る。
そんな2人の上を、
ピピィ、ピピィ!
ポトフーが鳴きながらクルクル飛び回っていた。
2人が巨人になり巨大蜂と戦う姿を目にし、かなり興奮しているようだ。
そんなポトフーを見ていると、
ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。。。
盛大にお腹が鳴った。
「「だぁ、腹減った~!」」
同時に声を上げ、体を起こすと腕輪からいつもの顔サイズどら焼きを取り出した。
今回のはさつま芋っぽい野菜の餡がたっぷり詰まっている。
それを、
「「あ~む。」」
同時に食べ始め、
「「う~ん、これも旨い!」」
感想を漏らした。
ピピピィ!
それにポトフーが反応した。
モグモグしている莉紗絵の肩に乗り、
ピィィ、ピィィ
と鳴いて食べたいアピールを始めた。
「ん、ポトフーも食べたいんか?」
言いながら莉紗絵が小さく千切ったのを手の平に乗せてポトフーの前に差し出した。
それを嬉しそうに啄むと、
ピピピィィ!
”美味しい”と言っているように鳴き、あっという間に平らげた。
今度は紗都美が差し出したのを平らげ満足したようだ。
2人も食べ終え、ひと息ついていると、
キシャァァァァァァァァァァ!!!
鳴き声が響き渡り、
ドーン、ドドーン!
振動が伝わってきた。
「今の鳴き声、」
「グリフォンか!?」
慌てて立ち上がり状況を確認しようとした時、
「オーい、ホクスぅ、ミミナぁ!」
ポティロの声が聞こえた。
声の方に目を向けるとポティロと島長がこちらに向かって来るのが見えた。
2人の側まで来たポティロは、
「フタリトモブジダッタンダね。
ヨカッタぁ。」
涙を流しながら喜びの声を上げた。
「心配させてもたみたいやな。」
「ごめんな、ポティロ。」
2人は謝罪の言葉を述べた。
そんなやり取りをしている間もグリフォンの猛攻は続いていて、地響きが続いていた。
「ゆっくり話してる時間はなさそやな。」
「せやな。早くしないとこの島が壊されてしまうわ。」
決意を固める2人。
そして莉紗絵が、
「この子頼みます。」
そう言って島長にポトフーを預けた。
ポトフーは聞き分けよく島長の肩に乗ると、
ピッピッピピ!
”がんばってね”と言っているように鳴いた。
島長は肩に乗ったポトフーをちらっと見てから2人に、
「うム、預かったゾ。
2人には感謝していル。
この島を守って下さレ。」
声を掛け、深く頭を下げた。
「任せといて下さい。」
「今度こそグリフォン倒します。」
2人は決意表明し、島長とポティロに背を向け歩き出した。
そんな2人の背中をポティロは手を組んで祈りを捧げるように見つめていた。
その時、ポトフーに目を向けていた島長が、
「こ、この鳥はまさか不死鳥の幼生態!?」
呟いた言葉は2人は届いていなかった。
「チャウダー、モードF!」
紗都美の指令に、
ワウッ!
とひと鳴きし、飛行形態に変形した。
複座になっているコックピットの前の席に莉紗絵が座り、後ろの席に紗都美が座り操縦桿を握った。
「フライチャウダー、テイクオフ!」
紗都美の指示で上空に飛び上がって行く。
「(ホ)こんな間あけんと、」
「(ミ)変身すんの初めてやな。」
「(ホ)体、持つかな?」
「(ミ)キツイやろな。
それより何も対策出来へんかったな。」
「(ホ)どないするん?」
「(ミ)ツイン・ブレードで特攻。」
「(ホ)やっぱりかぁ。」
「(ミ)翼狙いで、何とか落とす。
地上戦やったら、」
「(ホ)勝てる!」
作戦会議が終わるとフライチャウダーをホバリングさせてキャノピー(コックピットの覆い)を開き、
「(ミ)ほな行こか!」
「(ホ)再戦や!」
声を掛け合い、
「「我らのガッツでいてこましたる!」」
いつもの言葉を叫んだ。
腕輪の宝石が輝きを増す。
莉紗絵は後ろ向きになると紗都美に腕輪の宝石を見せた。
紗都美も同じように莉紗絵に腕輪の宝石を見せ、
「「ハーツ・シンクロス!!」」
叫びながら、
キン!
打ち合わせた。
そしてシートを蹴って空に飛び出した。
2人の体が赤青斑の光に包まれる。
そして膨れ上がり、弾けた。
サリシスはフライチャウダーの上に着地すると、
「「おりゃぁぁぁぁぁ!!!」」
叫びながらグリフォンに向かって行った。
如何だったでしょうか?
双子側、梨深側それぞれバトルが始まりました。
次回7話完結回はバトル成分多めになります。
そしてポトフーが。。。
サリシスが。。。
オーニオが。。。
楽しみにして頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。




