第6話「妖精たちの住まう島 VSグリフォン」(4)
またも大変遅くなってしまいましたが、第6話の4を公開しました。
途中で納得のいく内容にならず思案モードに入ってしまいものすごく時間をロスってしまいました。
が、そのお陰で今後の展開にも関連付けられる展開に出来ました。
楽しんで頂けると嬉しいです。
(13)
食堂は朝食を取る教師や生徒たちで賑わっていた。
由維はモーニングセットの乗ったトレイを持ちながら食堂内を見回し、窓際のテーブルで食事をしているリカーラを見つけた。
そのテーブルに近付くと、
「ご一緒、いいですか?」
と声を掛けた。
リカーラは声を掛けてきた相手を見て少し不思議そうな顔をしつつも、
「あなたからなんて珍しいわね。どうぞ。」
快く返した。
「おおきに。」
お礼を告げ腰を下ろすと食事には手を付けず、
「リカーラさん、ちょっとお願いがあるんやけど。」
本題を切り出した。
「そんな事だと思ったわ。
で、何がお望み?」
昨日の件でこうゆう事もあろうと予想していたリカーラはさらっと返した。
「そう言ってくれると思てました。
短時間でいいので地上に降ろして貰えませんか?」
キャロンの申し出が予想外だったようで、
「地上へ、ですって!?」
驚きの声で答えた。
が、直ぐに気を取り直し、
「理由、聞かせてくれる?」
尋ねた。
由維はポケットからスマホを出してテーブルに置いた。
「それは何?」
言いながら触れようとするリカーラを、
「触らん方がいいですよ、これもアレと同じやから。」
制止しつつ、
「これはうちら”界渡り”同士で連絡出来る道具なんやけど、ここの結界に邪魔されて連絡出来ないんです。
あの本の事でどうしても梨深と話したいんやけど、何とかなりませんか?
結界が解除出来るんやったらそれでもええんやけど。」
頼み事の内容を伝えた。
「理由は納得したわ。」
リカーラは一言答えただけで黙り混んでしまった。
表情から思案していると感じとった由維は食事をしながら回答を待った。
「それじゃ、次のランデブーポイントで降りられるよう手配するわ。
その代わり・・・。」
リカーラの言葉を遮り、
「わかってますって。事が済んだらあの本の内容教えますから。
ほんま、ありがとう。」
言いながら頭を下げる由維に、
「こちらに有益だからよ。」
と言いながら席を立った。
「明日になるわね。時間とかは後で教えるわ。」
それだけ伝えると返事も聞かず食堂を出ていった。
そんなリカーラの背中に黙礼し、
「ほんま仲良くする気はないみたいやな。
さて、それならそれまでに準備しとかなな。」
苦笑混じりに呟くと残った朝食に手を付けた。
(14)
「今日こそ見つけてやるゾ、不死鳥の卵ヲ。」
目に狂気の光を宿らせたダークエルフの男・ラアビブが奇声を発した。
380歳とエルフとしては青年くらいの世代だが大いなる野望を持っていた。
「50年前眠りについた不死鳥がもうすぐ目覚めル。
その膨大な力を手に入れれば俺がこの島を支配出来ル。
そして、この世界をモ!」
老齢の島長に取って代わりこの島を、そして世界を我が物にしようとしていた。
しかし、老齢とはいえ島長の力は未だ衰えず、ラアビブの力では太刀打ちできそうになかった。
だが、5日前不死鳥の気配を察知した。
50年の眠りを経て復活する不死鳥の力を取り込めば島長を越えられる。
そう確信したラアビブは2日掛け結界に綻びを作り、近くを通り掛かったグリフォンを引き込んで不死鳥の卵を探させていた。
そして、ついに島の北端に熱量を上げている小さな山があるのを発見した。
「グリフォン、卵を取ってこイ!」
ラアビブの命令に、
キシャァァァァァァァァァァ!!!
叫び声を上げて答えると、グリフォンは山の火口に向かって飛んで行った。
(15)
キシャァァァァァァァァァァ!!!
響き渡る叫び声を聞き、
「アイツ、マタキた。。」
ポティロが表情を曇らせ、声を震わせながら呟いた。
見ると島長も表情を曇らせている。
「今の、」
「何の声なん?」
2人の問い掛けに、
「アレハ”グリフォン”ノコエよ。
ミッカマエニトツゼンアラワレタの。
ココハケッカイガハラレテルカラソトカラハイレナイハズナノに。。」
ポティロが沈んだ声で説明した。
「やっぱこれも、」
「アレが原因なんやろな。」
「で、そのグリフォンは、」
「ここに来て何してるん?」
2人の質問に、
「ヨクワカラナイの。ナニカヲサガシテルミタイナンダケど。。」
暗い表情で答えていたポティロが、
「デも、フタリナラタオセルヨね?
フタリハヨゲンノヒトナンダヨね?」
期待に目を輝かせ尋ねてきた。
「予言の人?」
「我らが?」
ポティロの問い掛けに首を傾げながら莉紗絵と紗都美が問い返した。
その疑問に、
「”2つの光より出でし者が炎を纏いて邪悪を滅する。”
そう伝えられておりましタ。
それが今日である事モ。」
島長が語った。
「それが我ら、」
「って事ですか?」
2人の問い掛けに、
「そう、確信しておりまス。」
島長の言葉に、
「アタシハミタよ。
フタリガアカトアオノヒカリカラデテキタノを。
ダカら、シンジテルよ。」
ポティロが思いを付け加えた。
そんな強い思いに、
「グリフォン、か。」
「たしか鷲の上半身とライオンの下半身の魔獣やな。」
「って事は空から、やな。」
「せやな。今回はサポートもいないし、かなり分が悪いで。」
「せやけど、」
「やらないとな。」
2人は決意を固め、外に出て行った。
空を見上げると、グリフォンが飛んで来るのが見えた。
「もういけるやろ。」
紗都美は呟きながら腕輪の宝石に手を当てて、
「収納物取り出し。」
と言いながらチャウダーを取り出した。
自己修復状態になってから約2日。
既に自己修復は終わっていた。
「チャウダー、ウェイク!」
と起動命令を発すると、
ワウッ!
と一吠えし動き出した。
問題なく起動している姿を目にした莉紗絵が、
「おお、直ってる。
あの時は無理させてすまんかったなぁ。
ほんま良かったわー。」
目にうっすら涙を浮かべながらチャウダーに抱きつき体を撫で回した。
「それくらいにしとき。」
紗都美に注意され莉紗絵が名残惜しそうにチャウダーから離れた。
その姿を苦笑混じりに見ながら、
「我に考えがあるねん。
あんな・・・。」
紗都美が莉紗絵に作戦を伝えた。
「結構賭けっぽいやん、それ。」
そう言いつつも迷いのなさそうな莉紗絵に、
「そうやろ。
けど、今の状況やとこれくらいしか出来んやろ?」
紗都美が問い掛けた。
「やな。
ほなら、一丁噛ましたろか。」
莉紗絵の同意を受け、
「チャウダー、モードF!」
飛行形態になったチャウダーの左右の翼に2人が乗り、持ち手を握るとグリフォン目掛けて飛び出した。
グリフォンを追い越したフライチャウダーは機種をグリフォンに向け、空中停止した。
突然の来訪者に驚き動きを止めるグリフォン。
「おお、近くで見ると結構大きいなぁ。」
「やな。
ほな、短期勝負行くで。」
「おっしゃぁ!」
言いながら2人は腕輪が付いている腕を前に突き出した。
「「我らのガッツでいてこましたる!」」
重なる2人の掛け声。
反応し腕輪の宝石が赤と青の光を放つ。
「「ハーツ、シンクロス!」」
叫びながら宝石を打ち合わせる。
キン!
澄んだ音が響き、2人は赤青斑の光球に包み込まれた。
そして光が弾けるとチャウダーを足場にして立つサリシスが姿を現した。
如何だったでしょうか?
変身しサリシスとなった2人はいよいよ空駆ける強敵とのバトルです。
ミミナの作戦が上手くいくのか?
楽しみにして頂けると嬉しいです。
次回はなんとかもうちょっと早められるよう頑張ります。
よろしくお願い致します。




