第6話「妖精たちの住まう島 VSグリフォン」(2)
第6話の2を公開しました。
お待ち頂いていた方々、遅くなってしまい申し訳ありません。
ちょっと本業で大きなトラブルがあって時間を取られてしまって、ちょっと頭が回らなくなってまして。。
そんな状態でしたが何とか書き上がりました。
重要な内容が含まれている今話。
楽しんで頂けると嬉しいです。
※7月18日:一部修正
(5)
「入って。」
リカーラに招かれた由維が入ったのはリカーラの私室だった。
「なんでここに?」
由維の問い掛けに、
「とても重要な話なの。
なので他の人には聞かれたくなかったのよ。」
そう言いながら由維にテーブルの所の椅子に座るよう促すと部屋の奥へと入って行った。
しばらく待っているとリカーラが1冊の本を持って現れた。
自身も椅子に座ると本を膝の上に置いて見えないようにしてから話し出した。
「この事は三柱も知らない事よ。
私が”界渡り《トラベラー》”の子孫だとゆう事は?」
リカーラの問い掛けに、
「聞いてます。」
由維が短く答えた。
その返答に頷くと、
「私の先祖がここに来たのは何百年も前らしいわ。
その縁で50年前に来た”界渡り《トラベラー》”が私の親を訪ねて来たのよ。
その時、託されたのがこの本。
50年後に来る”界渡り《トラベラー》”に渡すようにって。」
そう言いながらリカーラが本を差し出した。
その表紙を見て由維が驚きの表情で、
「日本語!?」
呟いた。
その表紙には、
「”界渡り《トラベラー》”の少女たちへ」
と書かれていた。
(6)
空から赤青斑の球体がゆっくりと地上に向かって降りてくるのが見えた。
「アレガヨゲンの!?」
見ていると光球は赤と青の2つの小さな光になって着地し、人の形になった。
そこまで確認し、
「マチガイナい、ヨゲンノトオリね。」
確信すると光が落ちた場所に近付いて行った。
そこには2人の人間が倒れていた。
「ヒトシュヲミルノモヒサシブリダわ。」
そんな事を呟きながら倒れている2人の少女を観察していた。
しばらく観察してから起こそうと、
「アナタタチオキナサイよ。」
言いながら揺すったり、つついたりしてみた。
が、まったく反応がなかった。
「コマッタナぁ。
アタシダケジャハコ・・・」
と言いかけた所で背後からの視線を感じ取った。
そして振り返りながら相手に聞こえるよう強めの声で、
「ベナイし!」
言い切った。
背後から様子を伺っていた者と目が合う。
時間が止まったかのような沈黙。
が数秒。
「はぁ。。。」
ため息をつきながら近付いて来て、
「ソレデドウスルの?」
問い掛けられたので、
「オサノトコロ二ハコンデホシイの。
アタシジャムリダカら。」
お願いした。
「ジャアナンデイルンダよ?」
ぶつぶつと問い掛けながら2人の少女を左右の肩に担ぎ上げた。
「オモシロソウダカラニキマッテルデしょ。
ホライクよ!」
答え、急ぐよう促す。
「ハぁ。。。
ホントキミハコウキシンガアリアマッテルね。。」
愚痴りながら長の家に向かって歩き出した。
「フふ。ヨゲンドオリナラオモシロイコトニナルワよ。」
楽しそうに呟きながら後に付いて行った。
(7)
”ストファム”競技場での魔獣掃討戦の翌日。
梨深、智佳、セラミネの3人はテトゥのお店を訪れていた。
あの後。
暴れ出した魔獣を掃討すべく奮闘していた。
が、しばらくすると残っていた魔獣が急に苦しみだし、黒い霧になって消滅した。
それを見た梨深は、
「あかん~数が多すぎた~。
あの感じやと~結構ランタルに~エネルギー与えてもたわ~。」
ため息混じりに呟いた。
「梨深さん、今のが2人が言ってたやつっすね?」
智佳が確認するように梨深に尋ねた。
「そうや~。
”悪意の種”が~完全に開花したら~貯まった”悪意”が~ランタルの所にに行ってまうんや~。」
梨深の説明に、
「結構な数、開花させちゃった、って事ですね。
私がもっと上手く戦えてたら、もっと減らせたのに。。」
セラミネが落ち込み気味に言葉を漏らした。
「仕様が無いっすよ。
まだ特訓始めたばかりっすからね。」
「せやで~。
これからまだまだ~戦わんとあかんねんし~。
今回の反省点を~次に生かさんと~。」
智佳と梨深が声を掛けた。
そんな2人の言葉に励まされ、
「うん、がんばるよ!」
セラミネが力強く答えた。
「さて~。
色々と~面倒になりそうやし~一旦ホテルに戻ろか~。」
梨深の提案に、
「そうっすね!」
「うん!」
智佳とセラミネが同意し、3人は急いでホテルに戻った。
食事を済ませ、お風呂に入った後、疲れから直ぐに寝てしまった。
熟睡したお陰ですっかり体力が回復した3人が朝食を取っていると、テトゥの使いのハムスターの様な小動物系の魔獣から店に来るよう伝えられた。
で、今に至る。
「おはようございます~!」
店に入ると梨深が挨拶の声を掛けた。
「朝から元気だ二。
これが若さか二。」
3人から溢れ出る元気オーラに中てられ苦言を呈した。
「お店来るように~って事ですけど~どうしたんですか~?」
代表して梨深が尋ねた。
「そうそう、それなんだが二。
大事な頼まれ事を忘れてただ二。」
テトゥが切り出した。
「頼まれ事ですか~?」
梨深が不思議そうに尋ねると、
「あんたら”界渡り”だった二。
実は50年前に来た”界渡り”からこれを預かってた二。
50年後に”界渡り”が来るはずだから渡して欲しい二。
って言われて預かってたのをすっかり忘れてた二。
はぁ、ほんと年か二。最近物忘れが酷い二。。。」
テトゥがため息混じりに答えながら1冊の本を差し出した。
梨深が受け取り、表紙を見た。
智佳とセラミネも覗き込んできた。
「なんか見た事ない字が書かれてるね。」
セラミネが感想を述べながら2人の顔を見ると目を見開き驚いていた。
「どうし、たの?」
セラミネがおそるおそる尋ねると、
「これ日本語っすよね?」
「せやな~。
って事は~前の”界渡り《トラベラー》”も日本人なんか~!?」
梨深と智佳は驚きの声を発した。
その本の表紙には、
「”界渡り《トラベラー》”の少女たちへ」
と書かれていた。
(8)
「ここは。。」
「どこや。。」
莉紗絵と紗都美がゆっくり目を開きながら呟いた。
エネルギーの消費が激しく、なんとか体を起こすと腕輪の収納空間からいつもの顔サイズどら焼き風(今回はバナナクリームのようなものが挟まれてる)を取り出し、食べ始めた。
食べながら周りを見回す。
見慣れない部屋。
自分達は床に寝かされ毛布のような布製のものを掛けられていた。
「えっと(もぐもぐ)、どうなったんやっけ(もぐもぐ)?」
莉紗絵が切り出した。
「たしか(もぐもぐ)、空間の狭間から(もぐもぐ)戻って来れたんよな(もぐもぐ)?」
紗都美が答えた。
「いや、それはそうやねんけど(もぐもぐ)。その後どうなったんやっけ(もぐもぐ)?」
「(もぐもぐ)???その辺覚えてへんわ(もぐもぐ)。」
等と話していると、
「ソレオイシソウね。」
なんとか聞き取れるくらいの小さな声が聞こえた。
驚き周りを見回す。
が、2人以外に誰も居なかった。
「今ぁ(もぐもぐ)、何か聞こえた(もぐもぐ)?」
「やんな(もぐもぐ)。聞こえたやんな(もぐもぐ)。」
幻聴ではない事は確認出来たが、声の主は見当たらない。
食べ終え、体が動くようになった2人は立ち上がると、
「誰や!」
「出てこい!」
怒声を上げた。
そんな2人の目の前をキラキラした光が通過していった。
その光は2人の周りを数回廻ると目の前で止まった。
それは揚羽蝶のような羽を生やした妖精だった。
「ハジメマシて。アタシハ”ポティロ”よ。
カイワタリノオフタリサん。
ヨウコそ、ヨウセイジマへ!」
いよいよこの世界の秘密に近付いた。
梨深達と由維。
そして妖精と出会った2人は。。
これから色々仕掛けるつもりです。
次回は出来る限り木~金には公開したいです。
楽しみにして頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。




