第6話「妖精たちの住まう島 VSグリフォン」(1)
第6話の1を公開しました。
若干巻き上げられました。
今回から新章、妖精島編に入ります。
色々と謎が明らかになる、はず。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(1)
梨深、智佳、セラミネは目の前で起こった事に思考がついていかず、呆然と見つめていた。
サリシスの必殺技で倒された、はずだった。
だが、フレイタルは最後の力で溶けていく体を使いサリシスを包み込むと、
消えた。
「莉紗絵、紗都美、、」
セラミネはあまりの衝撃で思考が停止し2人の名を呟く事しか出来なかった。
「そんな事ないっす。ないっすよ。。」
智佳は2人が消滅したのではない、と必死に思考を否定していた。
「どうゆ~ことなん?」
梨深は今、目の前で起こった事を何とか正しく認識しようと試みていた。
あれは溶かされ存在を消し去られたのか?
否。
そんな雰囲気ではなかった。
サリシスが取り込まれる時、一瞬穴が見えた気がした。
ならばそこに引き込まれたと考えるべき。
「どこかに~転移させられた~って事やな~。」
梨深は2人がどこか別の所に移動させられた、と結論付けた。
「智佳~、セラミネ~、しっかりしな。
2人は何処かに~移動させられただけや~。
説明は後でしたる~。だから~。」
梨深の言葉で現状を思い出した。
「そうですね、まだ。」
「魔獣が残ってたっすね。」
智佳とセラミネの目が主を失った事で無秩序に暴れ始めた魔獣を捉えた。
「智佳~戦える~?」
梨深が先ほどサリシスを助ける為、全力を出した智佳に確認の声を掛けた。
「回復魔法でだいぶ回復したっす。あの程度の魔獣やったら問題ないっすよ。」
智佳の返答に、
「あんま無理せんようにな~。
ほならちゃちゃっと~片付けてしまおか~。」
労いの声を掛け、指示を出した。
「うっす。召喚武装、寅!」
「獣変身!」
智佳とセラミネが戦闘モードになったのを確認した梨深は、
「ウィーディム~、ミックルス~、突撃や~!」
攻撃指示を出した。
そして掃討戦が始まった。
(2)
「相討ち、か。」
ランタルが呟いた。
「まさかここまで手こずるとわ思わなかったぞ。」
そう言いながらも楽しげな表情をしていた。
「だが、これで何の懸念も無い。
心置きなく”悪意”を頂くとしよう。」
そして再び眠りに就いた。
(3)
いつものように昼食後、外で遊ぶ子供たちの様子を眺めながらお茶の時間を楽しんでいた由維に、
「由維先生。」
リカーラが声を掛けてきた。
「何か?」
お茶の時間を邪魔され若干不機嫌気味に由維が返した。
そんな事は気にも止めず、
「今日の授業が終わったら時間を取って貰える?
例の件の話をするので。」
リカーラは端的に要件だけを伝えた。
その言葉で由維の表情が変わった。
「わかりました。空けときます。」
そんな由維の返事が当然とゆうように小さく頷くと、リカーラは足早に食堂から出ていった。
その姿を見送りながら、
「さて、どんな話が聞けるんやろ?
楽しみやわ。」
楽しげな表情で呟くと、お茶を啜り再び窓の外に目を向けた。
(4)
「なんや、これ!?」
叫び声を上げたサリシスをフレイタルが残った力を振り絞り、溶けゆく体を使って包み込んだ。
ランタルの体から産み出されたフレイタルはランタルと同じ次元の扉を開く力を持っていた。
だが残っていた”悪意”エネルギーは少なく出口を設定する事が出来なかった。
だが、それが幸いしサリシスを次元の狭間に捕らえる事になった。
「ここは、”次元の狭間”、なんか?」
サリシスの呟きに、
「その、とおり、だ。
それ、もそう、さかんのき、おくからか。。」
フレイタルが答えた。
だが、その声は途切れ途切れで何とか聞き取れるといった状態だった。
「ここで、くちは、てなさい。
これでら、んたるさまの、けねんはな、くなりました。
はは、ははは、はは。。」
力無い笑い声と共にフレイタルの存在が完全に消え去った。
『次元の狭間、か。』
『かなり、ヤバイで。』
2人はこれがかなり深刻な状況だと認識していた。
”次元の狭間”に出口は存在しない。
普通なら出る事は出来ないが、レリシスは”次元の扉”を開ける能力を持っていた。
なので脱出する事は出来る。
が、出口がポイントされていないので強制的に開いた先がどの世界に繋がるかは判らなかった。
その時、
『なぁ、あれ何やろ?』
莉紗絵が何か光っているのに気付いた。
『何か”糸”みたいな。。』
紗都美の呟きに、
『『ああ!!!』』
2人が同時に叫び声を上げた。
『これの事完全に忘れとった。』
『ほんまやで。レリ姐の努力無駄にするとこやったわ。
ランタルが逃げる時に付けてくれてた”追跡光糸”。』
『この先にランタルが居る。』
※詳細は第1話の2を読めば、わかる。
『これって変身しないと見えへんのやっけ?』
『そうみたいやな。
だいたい変身してる時って戦ってる時やから気にしてられんのよな。』
『変身せんでもレリ姐の能力使えたら便利やねんけど。。』
等と話していると”光糸”と次元の狭間が接触している辺りで小さな火花が弾けているのが見えた。
『って、あれ不味いんちゃうん!?』
『あのままやと切れてまう。急がな。』
『エネルギー足りるっけ?』
『放出せんかったから大丈夫、のはずや。
ほなやるで。』
そう言うと”追跡光糸”と次元の狭間が接触している所に近付いた。
両手の平を向け親指と人差し指で輪を作ると、中心を接触点に合わせ、
『”次元解放”!』
輪を左右に開くように間隔を広げていく。
その動きに合わせるように接触点を中心に穴が広がっていく。
体が通れる大きさになった所で、
『『うぉぉぉぉぉ!』』
叫びながら穴に突っ込んでいった。
その反動で”追跡光糸”が切れた。
そしてサリシスは次元の狭間から抜け出す事に成功した。
その時、”追跡光糸”が消えていくのが見えた。
その端が繋がっている場所も。
『『あそこにランタルが。。。』』
その場所を見詰めながら2人は意識を失った。
なんとか次元の狭間から抜け出した2人。
辿り着く先は。。
これからそれぞれのサイドで動きがあります。
3つの場所でそれぞれが知るこの世界の謎。
楽しみにして頂ければ嬉しいです。
次回も木〜金に公開予定。
よろしくお願い致します。




