第3話「天空(そら)に響く歌声 VS狼人間(ワーウルフ)」(3)
少し遅くなってしまいましたが第3話の3公開しました。
やっとストファムに舞台が移ります。
そこで!?
とゆう事で話が動き出します。
楽しんで頂けると嬉しいです。
よろしくお願い致します。
(8)
コンコンコン!
リカーラは市長室の扉をノックし、
「リカーラです。例の件で緊急の報告があって参りました。」
声を掛けた。
「お入りなさい。」
室内のジリンダ市長から入室を促す声が聞こえ、扉のロックが外された。
リカーラは扉を開くと会釈し、室内に入って行った。
入室すると3人の厳しい視線が向けられていた。
「それで、緊急の報告とは何ですか?」
ディブラが切り出した。
リカーラは封筒から写真を取り出し、
「この写真をご覧下さい。」
と言いながらディブラに手渡した。
それを見たディブラの表情がいっそう険しくなった。
写真を渡されたジリンダとグレイアも同様に険しい表情を見せた。
「これが界渡りと関係があると?」
とゆうディブラの問い掛けに、
「ご説明致します。」
答えると監視室での顛末を伝えた。
「・・・とゆう様な状況です。」
リカーラの話に、
「たしかにその巨人、が界渡りと関係があるかは判らないわね。
けれど、このタイミングで、となると関係があると判断するべきね。」
そんなディブラの言葉に、
「(ジリンダ)そう考えるしかなさそうね。」
「(グレイア)そのようね。あまり考えたくはないけれど保護している少女が災いの種にならないか心配になるわ。」
「(ディブラ)けれど下に降ろしたからといってこちらの責が無くなる訳でもないし。寧ろ監視出来る状況にある方がいいのかもしれないわ。」
「(ジリンダ)まさか私達の代でこんな大事件が起きるなんて。やっぱりあの予言は正しかったのね。」
「(グレイア)良くない事って当たってしまうのね。。」
3人は沈痛な面持ちで話していたが、ディブラが、
「それであなたはどう考えていますか?」
リカーラに問い掛けた。
「はい。下に降りようと思っています。
明日には”ストファム”近郊のランデブーポイントに着きますので数名で調査に当たります。
現在”ストファム”では武闘大会が行われていますので”プローラ”からも観戦に来ていると思われます。
少しは情報が得られるのではと思っています。」
答えを聞いた3人を代表するように、
「判りました。地上に降りるのを許可します。
降りるのは魔法教師3人までで。選抜は一任します。
可能な限り隠密に行動を。」
ジリンダが指示を出すと、
「了解しました。準備を始めます。」
リカーラは了承の意を示すと会釈し、市長室を後にした。
リカーラが退室すると扉をロックし3人は引き続き今後の方針を話し出した。
そして天空浮遊都市バアルスは順路を進み、翌日”ストファム”近郊のランデブーポイントに到着し、停留した。
(9)
「おおーい!梨深さん~、こっちっす~!」
こちらに向かってくる3人に気付いた智佳が手を振りながら声を上げた。
その声で智佳に気付いた3人が駆け寄ってきた。
「おまたせ~遅なってごめんな~。」
申し訳なさそうに梨深が謝罪した。
「梨深さんが謝る事ないです。」
「そうですよ。原因は我らなんですから。」
莉紗絵と紗都美が口々に擁護の声を上げた。
「遅なってしもたんは食事してたからなんです。」
「あれやるとエネルギー消費してもて動かれへんようになるくらいお腹空くんですよ。」
「それで~ちょっと食事させとったから~遅なってもたんよ~。」
3人の弁明に智佳が、
「そうゆう事やったんならいいんっす。
迷子になってもたかな、ってちょっと心配やっただっけっす。」
安堵の表情で答えた。
そんな智佳に、
「智佳ちゃん~スマホの事教えたやんな~。」
梨深が確認すると、
「あ、ああ、そういえば使えるって言ってたっすね。
・・・忘れてたっす。。」
完全に忘れ去っていた。
「電話繋がらんから~メールしといたんやけど~気付かんかった~?」
梨深に言われて智佳が慌ててスマホを確認した。
「電源、切れてたっす。。」
「これしか~連絡手段ないんやから~ちゃんとしときや~。」
梨深に注意され、智佳がちょっとヘコんだ。
そんな4人のやり取りが一区切りしたようなので、
「智佳、この人達が仲間の人なのね。」
セラミネがおずおずと声を掛けてきた。
「そうっすよ。少し前話したっすけど改めて紹介するっす。
先輩の梨深さんと後輩の莉紗絵と紗都美っす。
で、彼女はセラミネっす。ここに来てからずっとお世話になってるっすよ。」
智佳が双方を紹介すると、
「初めまして。セラミネって言います。
智佳にはお世話になってます。」
先にセラミネがぺこりと頭を下げて名乗った。
「これはご丁寧に~。
智佳ちゃんが~お世話になったようで~おおきにな~。
うちが梨深です~よろしゅうな~。」
まず梨深が挨拶し続けて、
「我が莉紗絵で、」
「我が紗都美です。」
「「よろしゅうに。」」
2人が声を揃えて挨拶すると、
「お2人は姉妹、ですよね。
そっくりですね。ここまで似ている姉妹を見たの初めてです。」
セラミネが2人を見比べ興味津々といった感じの表情を見せた。
「我ら姉妹と言っても、」
「双子やから。」
「ってもまるっと同じってわけやないよな。」
「せやな。」
2人の言葉にセラミネが、
「”ふたご”、って何ですか?」
不思議そうに聞き返した。
「「ええ!?双子知らないのですか?」」
2人が驚きの声を上げた。
そんな2人に代わって梨深が、
「双子と言うのは~1回の出産で~子供が2人生まれるって事なんやけど。」
と説明すると、
「ええ!?そんなの聞いた事ないです。」
セラミネは驚きの声を上げた。
「もう1人の自分、」
「って感じやな。」
「趣味とかもそっくりやねんけど、」
「完全に一致してるって訳でもないやんな。」
「せやな。紗都美はアホやし。」
「莉紗絵はボケやし。」
「「はっはっはぁ、」」
「って誰がボケやねん。」
「って誰がアホやねん。」
そんな息ぴったりな双子漫才に、
「あはははは!
すごーい、おもしろ~い!」
セラミネが大受けした。
「あんたら~お笑いノリはそれくらいにしとき~。
ほんならこの世界は~双子が生まれへんのんか~。」
梨深が2人を軽く窘めつつ、異世界の新たな情報を知りうんうんと頷いている。
そんな和やかな雰囲気になった所で智佳が、
「それでっすねぇ、セラミネがボクらに頼みたい事があるらしいんっすよ。」
と切り出した。
梨深はセラミネの顔を見てみた。
少し思い詰めた感じが受け取られたので表情を引き締めると、
「セラミネさん~その頼み事って言うのを~聞かせてくれる~。」
問い掛けた。
セラミネは安堵の表情になり、
「皆さんの強さを見込んでお願いします。
”バアルス”に連れて行かれた妹を取り戻したいんです。
お力を貸して頂けませんか?」
そう切り出した。
その時、
「貴方達、面白い話をしていますね。」
と女性が声を掛けてきた。
その女性を見てセラミネが目を見開いた。
そして表情が怒気を顕にし、
「見つけたっ!」
怒りの籠った声を絞り出した。
(10)
天空浮遊都市バアルス。
通常は決まった順路を通りこの世界の上空を一定速度で周回し、地上の監視をしている。
地上にはランデブーポイントとなる転移陣が設置された施設が複数箇所存在していた。
ランデブーポイントがある施設の上空でのみ停止する事が出来るが停泊出来るのは30時間(1日)まで。
それを越えると自動的に移動を再開してしまうようになっていた。
今回の停泊は限界時間ギリギリの25時間を予定していた。
そして時間通り12時頃にストファム近郊にあるランデブーポイントの上空で停止した。
ランデブーポイントの転移陣が光り、3人の女性が現れた。
今回の調査を担当するのはリカーラ、ロネッテ、レフェア。
3人は転移陣から降り、リカーラが側に立つ監視員の男性に声を掛けた。
「久しぶりですね。何か変わった事はありますか?」
「少し前になりますが武闘大会の会場で巨大なスライムが暴れているとの情報がありました。」
監視員の報告に、
「そのようね。その事は上の監視からも報告を受けているわ。
そこに巨人が居た、とゆう事も。」
と返すと、監視員は頷いて報告を続けた。
「巨人とスライムが戦闘し、スライムはコアを破壊されて消失。
そして巨人も。」
「消えたのね。」
「その通りです。ただ、その時に人を乗せて飛び去る飛行体を見たと聞いてます。」
「そこまではこちらでも確認されているわ。
ご苦労様。監視に戻って。」
「はい。」
監視員は返事をすると一礼し、監視業務に戻っていった。
リカーラと監視員のやり取りを黙って聞いていた2人は、
「(ロネッテ)それでどう動くんだい、リカーラ。」
「(レフェア)先程まで巨人が居たとゆう事ならより有益な情報が集まるのではなくって?」
「(リカーラ)そうですね。今なら色々話が聞けるでしょう。
それではロネッテは巨人が居たとゆう武闘大会の会場を、レフェアは会場周辺をお願いするわ。
私は駅周辺で情報を集めます。」
「(ロネッテ)了解だ。」
「(レフェア)わかりましたわ。」
「(リカーラ)3時間くらいで戻るとゆう事で。それでは行きましょう。」
リカーラの指示出しで3人は行動を開始した。
ランデブーポイントは”ストファム”の近くを流れる川の中洲に認識阻害の魔法が掛けられた状態で存在していた。
中洲そのものが認識されないようになっている為、”バアルス”の関係者以外には見つけられないようになっている。
建物の外に出た3人は浮遊魔法を使って中洲から川岸へ移動すると、それぞれが担当する場所に向かって行った。
リカーラは川から少し歩いた所にある”ストファム”の駅前に到着した。
周りの様子を観察してみると、駅前に居る人々は思った通り巨人の事をネタに話をしているようで、
「さっきの巨人とスライムのバトルは凄かったよな。」
「ほんとほんと。そういえばあの巨人って昨日”プローラ”の近くにも現れたらしいな。」
「それ俺も聞いたよ。なんか巨大なゴーレムと戦ってたって。」
「ゴーレムといいスライムといい、なんか魔獣が変な暴れ方してるよな。」
「だよな。そんな巨大な魔獣が出たなんて聞いた事なかったし。」
「そんなのがそこいらで暴れたらどうなるんだよ。」
そんな話があちこちから聞こえてきていた。
「これなら簡単に情報が集められそうね。」
呟くリカーラの目が1人の少女を捉えた。
その少女が”バアルス”で保護した少女と同じ服を着ているのに気付き、ゆっくりと近付いて行く。
すると少女の呼び掛けでさらに同じ服を着た3人の少女が合流してきた。
「そんな、界渡りが他に4人も居るなんて。いったいどうなっているの!?」
リカーラは驚愕の表情で少女達を見つめた。
が、直ぐに気を取り直した。
「とにかくあの子達から情報を聞き出さないと。」
意を決したリカーラが少女達に近付いた時、
「皆さんの強さを見込んでお願いします。
”バアルス”に連れて行かれた妹を取り戻したいんです。
お力を貸して頂けませんか?」
と話しているのが聞こえた。
界渡りと”バアルス”の秘密を知る少女。
これは厳重な注意が必要になる、そう感じたリカーラは、
「貴方達、面白い話をしていますね。」
と声を掛けた。
5人が声を掛けてきた女性に目を向けた。
その女性を見たセラミネは目を見開いた。
そして表情が怒気を顕にし、
「見つけたっ!」
怒りの籠った声を絞り出した。
今まで聞いた事のない怒りに震える声を発したセラミネに、
「セラミネ、どうしたんっす。
この人と何かあったんっすか?」
智佳が声を掛けたが、その声はセラミネに届いていなかった。
只ならない雰囲気を感じた梨深は智佳の耳元で、
「智佳ちゃん~魔法阻害準備しといて~。」
囁くと莉紗絵と紗都美に、
「2人共~セラミネさん頼むえ~。」
と指示してリカーラと向き合い、
「何やようわからんけど~お姉さん恨まれてるようやね~。
心当たりないですか~。」
抑えた口調で問い掛けた。
「さ、さあ。こんな子知らないわ。
誰かと勘違いしているのよ、きっと。」
リカーラは否定するも口調に少し動揺が混じっていた。
その事を見抜いた梨深が追い打ちを掛けようとした時、
「妹を、セシリネを返してよ!」
セラミネの怒声が響いた。
その声を聞き付けた周りの人々がざわめき出した。
莉紗絵と紗都美がセラミネを落ち着かせているとリカーラが、
「あまり良くない状況ね。一度引かせて貰うわ。」
そう言って認識阻害の魔法を使おうとした時、右肩に手が置かれるのを感じた。
背後に気配を感じるが魔法を使えば体制を立て直せると判断し、
「ヌイユ・マ・リビフ・ラ・イエコ」
魔法の呪文を唱えたが、魔法は発動しなかった。
「魔法は使えないっすよ。体術でもボクには敵わないっすから大人しくした方がいいっすよ。」
梨深の指示で魔法阻害の「卯」を召喚武装した智佳が背後から声を掛けた。
「ヌイユ・マ・リビフ・ラ・イエコ」
再度呪文を唱えたが魔法は発動しなかった。
そんなリカーラに、
「ここで騒ぎ起こしとうないし~話出来るとこに移りましょか~。
人の居なさそうなとこ~案内してくれます~。」
梨深が有無を言わせないとゆう雰囲気を纏い話し掛けた。
リカーラ自身も騒ぎにはしたくなかったので、
「わかったわ。移動しましょう。」
そう言って5人を伴って歩きだした。
って事でやっとストファムに居たメンバーとバアルスの教師が接触しました。
次から一気に話が進んでいきます。
次回は何とか火曜には公開したい、です。
次回もよろしくお願い致します。




