第1話「巨人になった女子高生!? VS巨大ゴーレム」(1)
イントロダクション
ズシィィン!ズシィィン!!ズシィィン!!!
重さを感じさせる足音が大地を震わせる。
それほど大きな振動ではないが、体が軽く揺れる程度には伝わってくる。
それは体長が50メートル程あるゴーレムの足音だった。
ゴーレムはゆっくりながらも一歩で進む距離は大きくどんどんと町に迫ってきていた。
その巨体が街に近付いてくるのを目にした人々は恐怖心が沸き上がりパニック状態になっていた。
その時。
今まで見たことのないものを目にし、人々の動きが止まった。
そしてざわめきが広がっていく。
あれはなんなのか?
それはゴーレムの前で輝いている赤と青の光で出来た球体だった。
まばゆく輝く光の塊。
が、突然消えた!?
それまで光の球体があった場所には右半分が赤、左半分が青で左右対象の白い模様があしらわれた体で目を緑に光らせた巨人が立っていた。
そしてその巨人はゴーレムを威嚇するように視線を向けながら大きく一歩踏み出した。
(1)
キーンコーンカーンコーン!
「お、もう時間か。では今日はここまで。ちゃんと復習しとくように。」
そんな教師の声に重なるように委員長が号令を掛ける。
「起立、礼、着席。」
締めの挨拶が終わると教師が教室から出ていった。
そして教室がざわめきだす。
この日の最後の授業が終わり、部活動に行くもの、帰宅するもの、教室で歓談するもの。
生徒たちが慌ただしく動き出す。
莉沙絵は部活に行くため帰る準備を始めていた。
そこに別のクラスの生徒が声を掛けてきた。
「りっさん、部活行こか。」
声を掛けてきたのは莉沙絵の双子の妹の紗都美。
「おお、さっつん。ちょい待ってな。」
と言いながら急いで帰り支度を済ませた。
鞄を持つと揃って教室を出て行く。
「今日はあのダンジョン攻略やな。」
と楽しげに莉沙絵に話し掛ける。
「そろそろチャウダーの改造したいし、なんかええアイテム出んかなぁ。」
答える紗都美も楽しさが表情に現れている。
「せやなぁ。我の銃もレベルアップしそうやし。」
「今日のボス戦でええ感じにレベル上げたいわ。」
などと会話を弾ませながら部室に向かう二人が所属しているのは「異世界探検部」。
それはインターネット上に構築された「異世界」を探検をする。
とゆう体の単なる「ネトゲ部」だったりする。
この所、ついにリリースされたフルダイブ型VRMMORPG「トゥワール」に熱中していた。
かなり自由度が高くレアなスキルが手に入るなどで今大人気のゲームだ。
けど、このゲームそのものはこの話には関係しないので。。。
そんな「異世界探検部」。
部員は二人を含め五人。
なんとか部として認められる人数が揃っていた。
部長は3年の聖上梨深。
ゲームでのキャラ名はパプリ。
おっとりした性格で話し方ものんびり口調だがかなり明晰。
考察力は部内トップなんだけど思考にちょっと時間が掛かるので試験の成績はあまり良くない。
ほわっとした雰囲気が皆を和ませる癒やし系。
副部長は3年の伏守由維。
ゲームでのキャラ名はキャロン。
ちょっと独特の感性をしているが学業成績は優秀。
学年でトップ3に入る才女。
梨深とは幼馴染で親友。
けっこういいコンビだったりする。
今の所ひとりだけの2年生部員、紙刀智佳。
ゲームでのキャラ名はオーニオ。
学業成績は普通だが子供の頃から武道を嗜んでいる武闘派。
運動能力は高いが運動部からのラブコールを全て断り、なぜかこの部に在籍している。
そして1年の鐘神莉沙絵と鐘神紗都美。
ゲームでのキャラ名は莉沙絵がホクスで紗都美がミミナ。
二人とも学業成績はあまり良くないが運動能力は高め。
ちょっと変わった嗜好があるがそれは、まぁそのうちに。
そんな5人が部活に勤しみ「異世界」とゆう名のゲーム世界を探検する。
って話ではないんだけど後々必要になる情報なので、まぁ紹介ってことで。
などと語ってるうちに二人は部室に到着した。
莉沙絵が扉をノックする。
と、中から声が聞こえてきた。
「探検とは?」
その声に紗都美が、
「気の向くままに。」
と答えた。
(これは「異世界探検部」の部員が部室に入る為に必要な合言葉なのだ。)
その返答が正しいと証明するように、カチャ、っと鍵の外れる音が聞こえた。
そして扉が開く。
扉を開けたのは由維。
にこやかな表情から楽しさが溢れだしている。
そんな由維に莉沙絵が、
「由維さん、ええかげん合言葉やめません?」
と言われた由維は真剣な表情で答える。
「なにゆーてんの、これはめっちゃ大事なんよ。
探検中に突然開けられたら困るやろ?
せやから鍵掛けて、開けるのは合言葉知っとる部員だけ。」
まで言うとニカっと微笑み、
「って事にしといたら、おもろいやろ。」
付け加えた。
そんなやり取りをのんびり眺めていた梨深が、
「全員揃たし~、そろそろ始めよか~。」
とのんびりした口調で話し掛けてきた。
その声に反応した部員達が、
「了解(りょ~かい)!」
「うっす!」
「「やるぞ~!」」
それぞれ返事を返すとそれぞれ自分の端末が置いてある席に着く。
そしてゲームにログインする為の準備を始めた。
バイザー型に設計されたVR用の機械を装着しマイクの位置を整える。
各自が準備を終えているのを確認すると梨深が声を掛けた。
「ほな始めよか~。」
その声を合図に、
「「「「「ゴー・トゥ・ザ・ワールド!!!」」」」」
と五人が声を揃えてスタートコマンドを唱えた。
そして意識がゲームの中へと入っていった。
(2)
一隻の宇宙船が地球の大気圏から少し離れた位置で停留していた。
宇宙船の中では一人の女性がメインパネル内の位置検索情報を見つめている。
位置検索情報の中心には赤い点が光っていた。
「見つけたぞランタル!」
つぶやく言葉に力が籠る。
宇宙人である女性の名前はレリシス。
宇宙警察の広域捜査官で重犯罪宇宙人のランタルを追っていた。
ランタルは次元・時空の転移能力を有している為、逃げられると足取りを掴むのにかなりの労力が必要となる。
レリシスはランタルの捜査担当になってから何度か追い詰めたものの捉える事が出来ずにいた。
なのでランタル捕獲には並々ならぬ思いが募っていた。
「今度こそ逃がさん!」
そんな決意の声をこぼしつつコンソールの通信ボタンを操作し本部への回線を開いた。
「こちら広域捜査官レリシス。本部応答願います。」
との問いかけに間を開けず、
「レリシス捜査官、お疲れ様です。」
と通信オペレータから返信が聞こえてきた。
「お疲れ様です。
捜査中の犯罪ランクS、トラジス星人ランタルを第12118番辺境域の有人惑星にて発見。
これより捕獲に向かうと本部長に伝えて下さい。」
とオペレータに状況を報告した。
「了解しました。レリシス捜査官。
・・・無理しないでね、姉さん。」
オペレータを兼任している捜査官見習いのレリシスの妹、メリシスの心配そうな声に、
「ありがとう、メリシス。
本部に戻ったらこれまでの報告も兼ねて食事にでも行こう。
いろいろ話してやるよ。」
と優しく声を掛けた。
「うん。楽しみにしてる。」
と嬉しそうに返事をした後、「コホン。」と咳払いをして気を引き締め、
「レリシス捜査官、お気を付けて。」
と声を掛け通信を終わらせた。
レリシスは音のしなくなった通信用のスピーカーをジッと見つめていた。
妹と話をした事で決意を新たにしたのか目の光りが強くなったように感じる。
「かならず捕まえる!」
気持ちの籠った声でつぶやくとコックピットを後にした。
そして地上に降りる準備を始める。
潜伏先を特定し今度こそ捕らえる。
そんな強い気負いが大きなミスに繋がる。
その事にレリシスは気づくはずもなかった。
はじめまして、じゅんてぃぃ名義で執筆始めました。
異世界モノですが特撮要素がかなり入ってます。
自分的には「異世界特撮」と銘打ってます。
まだまだ拙い作品ではありますが楽しんで頂ける方が一人でも居られたら幸いです。
この1話は多分、あと3~4回分くらいになると思います。
出来るだけ早く続きを上げたいと思っています。
誤字脱字はチェックしていますが何かありましたらご連絡頂けると助かります。
よろしくお願い致します。




