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Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷  作者: くみたろう
第2章 水の都アクアエデンと氷の城
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公式イベント2

他チームも着実に総大将が決まりどう動くかなどが決まり始めた時、イベント開始10分前になる。

再度現れたゲームマスターが両手を広げた。


[おまたせみんな、さぁ、ゲームを始めるよ?]


ぱっと表示された4つの画面。

そこには王冠を付ける4人のプレイヤーが映っていた。

スイは慌ててその画面を見ると、画面内のスイも慌てている。

リアルタイムらしい。

そして沸き上がる歓声にどこからともなく聞こえるスイたんコール

スイの真っ赤になった顔が画面に映されていた。


[この4人がチームの総大将、倒されたらそのチームはその時点で負けだよ。腕につけてるリボンが取れたら戦闘不能だからね!]


腕についてるリボンを引っ張ってもビクともしない。


[アオチームはヒカリさん、アカチームはアリアさん、ミドリチームはスイさん、キイロチームはレットガンさん。みんな頑張って倒していこう!]



全チーム総大将は支援職となっていて、全員が守りながら攻略していくのはどのチームも一致していたようだ。

雪フィールドに移動したプレイヤー達はその寒さにブルブルと震えた。


「………っっ! さむっ!!」


「まじか!!」


ひぃ!! と叫ぶのが4チーム全てから聞こえる。

装備の内容で肌が出ている人も多い。

その為余計に寒さを感じている人も多くいて肌を擦り合わせている。

少し歩くと深い雪に足も取られ、全員がゴクリ……と喉を鳴らす。




これは………これは鬼畜仕様!!!




それをクリスティーナはニヤリと笑って見ていた。



[それじゃあ、ゲームを始めるよ]


4つにわかれたチーム、スイはミドリチームの1番後にある豪華な椅子に座っていた。

ここが総大将の場所らしい。

その周りにフェアリーロードが佇んでいる。



「よし、やってやろーぜ」


タクがガタガタ震えながら言うと、腕を擦りながらみんな頷いた。





[ゲーム、開始!!!!]










「ミドリチームのみなさーん!! まずはこれを食べてー!!!」


いきなりバックから出した長テーブルが3つ。

そこに並ぶ数々の料理は全部湯気を立てている温かい食べ物だ。

クリスティーナがエプロンを付けて全員におわんや箸、お皿を配る。

まさかのイベント開始直後に始まった食事会改め配給。


ミドリチームは、拡声器を使ったクリスティーナの声に反応して振り向き、温かい料理に惹かれて近づいて来た。


「食べて! 【あたたまる】から!!」


「!?!?」


言われたように食べると体内から温かさが滲み出てあんなに寒かったフィールドに居るのにポカポカしている。


「こんな事も有ろうかと、食事ステータスホットを見つけて習得間に合って良かったわ!」


高笑いするクリスティーナはどんどんと料理を出し、更には簡易キッチンを出して作り始めた。


「食べたら戦う! 雪玉ぶつける!! はい! 行って!! ただし、継続時間は20分だから、きれる前に戻って食べる事!! いい!?」


『はい! クリスティーナさま!! 行くぞ野郎どもーーー!!!』


全員のヤル気がうなぎ登りである。

クリスティーナは満足そうに笑ってキラキラガール達にも渡す。


「ほら。あんた達も食べて行ってきて!」


「………いいの?」


「いいも何も、チーム戦なんだから当たり前でしょ」


ウィンクしていうクリスティーナは破壊力満点。

何人かが食べてる物を吹き出している。


「………ありがとう」


受け取り食べたあとの温かさに目を見開いてクリスティーナを見ると、にっこり微笑まれた。


「ありがとう! キラキラガール、いくよ!!」


『いこーう!!』


走り出したキラキラガールを見送りまだ食べているチームの人たちから離れたクリスティーナは、フェアリーロード達にも食事を渡す。


「あったまるぅぅー」


ほわわわとスープを飲むスイに何個かのおにぎりや唐揚げなんかも渡し、スイはそれを鞄にしまった。

勿論、他クラメンたちもである。


「…………よし、行くか」


「クリスティーナ、ここ頼むな」


「任されました!」


フェアリーロードたちは使った食器を放り投げると空中でそれは消えた。

食事係としてクリスティーナはその場に残り残りは全員戦闘へと向かう。


勿論、スイもである。


立ち上がりフェアリーロード達と歩き出したスイを見て全員が驚き目を見開く。


「まって、スイたん君は総大将だよ!?」


「ここで守られないと!」


「そうだよ、君は支援職なんだし!」


口々にスイを止めようとする中、スイは楽器を出して振り向いた。


「総大将が動いちゃダメなんてルールは無かったですよ。


スキル『強制』

スキル『拡声器』広範囲指定、ミドリチーム

スキル『エンチャントスピードup、攻撃力up、防御力up』」



響きわたるスイの声と音楽は強制的にミドリチームの耳に入り込み一気にステータスを上げた。

ミドリチームの顔が一気に崩れ、前衛にいるチームメイト達はステータスを見たくても見れない今の状態にヤキモキした。


まだ後ろにいるミドリチームは急いでステータスを確認、+値がつけられ驚愕に顎が外れる位に口を開けた。


「俺らフェアリーロードの奏者が使えない奴なわけないだろ?」


ニヤリと笑ったカガリは、行くぞ! と言って走り出す。

それについて行ったメンバー達の中にはスイもいて、大きな楽器を抱えて走っていった。



「…………………ありえねぇ」


「それをやらかすのがスイなのよねぇ」



男のつぶやきにクリスティーナが返事をかえした。



「よし、予定通りに前衛が抑えつつ中衛、後衛が雪玉攻撃」


実は、後衛の方が飛び道具を使うため命中率が高い。

その命中率を活かし、雪玉攻撃は基本中衛から後衛と決めた。


「スキル『集中力、命中率上昇』」


すかさず上げる命中率などでナズナはニヤリと笑った。


「ちょっ……総大将が前に!?」


「なんで!? え!?」


「す、スイたんを守れぇ!!」


走るスイに気付いたミドリチームがワラワラとフェアリーロードの後に続く。

敵もスイに気づいてまっすぐに狙いに行った。


総大将が前に出ることでフェアリーロードが戦えるのは勿論、戦力を二分しないで戦えるとカガリは考えそれは見事的中した。

食事を食べる人と食事を作るクリスティーナ以外守る人は居ないのでミドリチームの後はガラ空きである。

でも、そこに到達は無理だろう。

だって、主戦力全員が前にいるのだから。


「いくよ」


普段銃火器を放つナズナがその武器から大量の雪玉を発射させた。

それにミドリチームは勿論、アカチーム、アオチーム、キイロチームも驚きを見せる


「掴みはオッケー」


ニヤリと笑ったナズナに、フェアリーロード達も釣られて笑った。

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