変則クエスト3
即席パーティである5人はたわいない話をしながら屋敷に向かう。
そんな中クラーティアにチャットが届いた。
(クラーティア、これからクランハウスの話し合いをするが来れるか？)
(あら、今からですかー？ クエスト受けちゃいましたー。お使いクエなので終わったらすぐに合流しますねー)
(そうか、悪いな。てか、お使いクエなんて珍しいな)
(助っ人なんですけど、報奨金がいいんですよー)
(マジか、報奨金……よろしく頼むな)
(任されましたー！)
クエスト終了後に合流する事を約束してチャットを終わらせたクラーティアを4人は見ていた。
「すいませんー、クラメンからでしたー」
「そうなんですね、大丈夫でしたか？」
「はい、問題ないですよー」
じゃ、行きましょうか
そう言って5人はたどり着いた屋敷の呼び鈴を押した。
押した瞬間、屋敷の扉が開き燕尾服を着た白髪の男性が頭を下げる。
「依頼を受けていただいた方達ですね。どうぞ旦那様がお待ちです」
こちらへどうぞ、とエスコートするセバスチャンと言ったその人は玄関である広間を真っ直ぐに進み正面にある大きな扉に手をあてる。
ギギギ……と音を立てて両開きの扉が開くと、白いテーブルクロスがかかれた長細いテーブルがドドンと置かれ、豪華な椅子がその周りに置かれていた。
赤い絨毯に壁には絵画、大きなシャンデリアが室内を明るく照らしている。
わぁ……と周りを見渡しながら促されるままに入室した。
「旦那様が参りますので、どうぞ座ってお待ちください」
5人が座った瞬間奥の扉が開き、杖をつき足を引きずる男性が入ってきた。
タキシードを着て高そうなピンを胸元に付ける男性は、穏やかに笑って5人を歓迎した。
「ようこそ、よく我が依頼をうけてくれた」
軽く頭を下げた男性は、1番離れた椅子に座り一息ついた。
「私はカウダークという。まずは依頼を受けてくれた事に感謝するよ」
「いや、受けた依頼はしっかり努めさせてもらう」
カウダークの言葉にグレン59は返事を返し、カウダークは嬉しそうに頷いた。
「よろしく頼むよ。ペットは5匹いて地下フロアで飼ってるんだがいつの間にかゲージから出てしまっていてね。地下フロアからは出ていないから探してゲージに戻してほしい。そろそろ食事の時間なんだ。空腹になると気が立ってくるから早めに頼むよ」
「なんのペットなんですか？ 犬？ 猫？」
カウダークの言葉にティアラが聞くと、犬……だな。ミックスなんだが、見たらわかるよ
そう返事があり、5人は頷いて立ち上がった。
「じゃあ、さっそく探します」
「よろしく頼むよ、地下へはここを出たすぐにある階段から降りれるからかね」
「わかりました」
5人は部屋から出て見つけた階段で地下フロアへと向かっていった。
「いやぁ、良かった良かったすぐに依頼を受けてくれる人がいて」
「そうでございますね、空腹になりますから良かったです」
「あぁ、ほんとうに」
5人が出ていったあと、主人であるカウダークは満足そうに笑った。
