話し合い
「……ふむ、お金を貯めなきゃなぁ」
道具袋に入った食料に飲み物の数々。
道具袋が潤った分、だいぶお財布の風通しが良くなってしまった。
武器は買わなくても装備一式に食事に宿にと使えばそれだけ金額も無くなるもの。
これではダメだ、とスイはレベリングも兼ねて金策の為に森へと向かっていった。
戦闘でパッシブスキル、アクティブスキルの使用の違いを理解してから3時間以上が経過。
だいぶ戦闘中に音楽を奏でスキル使用に慣れてきた頃、武器の耐久値もかなり減っているため、耐久値をなおす為にセーフティエリアに戻ってきた時だった。
耐久値を上げていち段落した時に聞こえてきた音。
ぺコン、ぺコン、ぺコン、ぺコン
「何この音!?」
今まで聞いた事のない音に驚くと、目の前にクランチャットという字が出てきた。
クランで会話をしているらしく、スイにも着信がきている。
恐る恐るはいを押すと、画面が出てきて会話の文書と共に音声も聞こえてくる。
画面は消せるようだ、会話に集中する為画面を消した瞬間リィンから声をかけられた。
「あ! スイさん! お久しぶりです!」
「あ、久しぶりです」
「スイちゃん!? もー! 全然クランに顔出してくれないから心配してたんだよー!」
タクの声も被せて聞こえてくる。
「え? と、クラン行った方が良かったですか?」
タクの言葉にスイは、え!? 行かないとダメだった!? と内心焦りつつ聞く。
「いや、強制ではないが」
「クランでの行動もあるから、定期的には顔を出してほしいかな」
セラニーチェがフォローするように言うと、スイは慌てて謝った。
初心者さんが説明なしでクランに入ったんだから仕方ないわよー! とカラカラと笑うセラニーチェにスイはほっと息を吐き出した。
「それでね、クランの事でちょっと話し合いがしたいのよ。こっちに来てもらっていい?」
「あの酒場の2階ですか?」
「ええ、そうよ」
「わかりました、すぐに行きます」
よろしくねー! とセラニーチェがいい、ガヤガヤと聞こえていたクランチャットは切るよーとの言葉を最後にプツリと静かになった。
スイは言われた通りに街へと戻る。
レベル自体は上がらなかったが、それなりに動きを確認できたし良いかなーっと自問自答しながらフェアリーロードのみんなが集まる酒場へと向かった。
短めですが、ここで1度区切らせてもらいます(´・ω・`)(´-ω-`)) ペコリ




