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友人とのひととき2
「なんか、信じらんない」
クルクルとフォークにパスタを巻いて言うあかねに、翠はフォカッチャを口に入れた。
「なんっかいも言ったんだよー? 前みたいに節度あるやり方をしてって」
ため息を吐き、返事はいいんだけどねーと言う翠にあかねは返事を返しずらそうにする。
「じゃあ、ゲーム始めたって……」
「あー、どんくらい面白いって言うのさ! って思って始めてみた」
なるほどね、と言う複雑な表情をするあかねに翠はニコッと笑った。
「まぁね、あのハマり方は理解出来ないけどゲームが面白いっていうのはわかったよ」
「! 面白い!?」
「う。うん?」
「じゃあさ! 一緒に遊ぼうよ! ゲームしなかった翠には言わなかったけど私もやってるのよAnotherfantasia!」
フォークを置いて思わず立ち上がるあかねに、フォークを口に入れたまま固まる翠。
嬉しそうに笑うあかねにとりあえず座るように促すと、周囲の視線を集めている事に気づいて慌てて座った。
「約束ね」
「わ、わかった」
満足そうに笑ったあかねは食事を続けた。
翠はそんなあかねを見つめて、奏者なんだけどなー
と苦笑したのだった。




